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「…なあ海。逆に旗使って深山をコッチに呼んだ方が良かったんじゃね?」
「ソレも考えたけど…運ぶ手間とか時間を考えたら今の方が楽だからこのままで良いかな、って」
「…おめーすげーな。こんな状況であんなの見ながらよくそんな冷静でいられんな」
「どうせ深山が生き返らせてくれんだからこんなん一瞬のゲームのキツイシーンみたいなもんよ。治す前提で大怪我とか負わす人体実験とか…いや、なんでもない」
「「え?」」
…冒険者達が荷物を運ぶのを窓越しに見ながら藤原と柴田がゲンナリした様子で言うので、俺はうっかり失言しそうになったがギリギリで耐えてなんとか誤魔化す。
「今の状況じゃちょいヤバイからこの話はまた今度な」
「いや、今めっちゃ気になる事言ってなかったか?」
「な。人体実験がどうとか…」
「その話はもっと平和な時に話すわ。心霊スポットで心霊体験の話とかされると忘れられなくなるだろ?」
「お、おう…分かった」
「じゃあまた今度頼むわ…」
やっぱり追及してくる藤原と柴田にタイミングが悪い理由を適当な例えにして言うとアッサリ引き下がる。
「海原。オッケー」
「もう積み終わったのか?」
「必需品以外の物資は全部捨てながら逃げてたから」
「勿体ないではあるが馬車の車部分もココに置いて行く事にした。荷台が馬と人でギリギリだったからな」
俺らが雑談してると佐藤が窓を叩いて作業の完了を報告するので確認すると佐藤は車に乗り込みながら微妙な顔で理由を話し、駒込も車に乗りながら話す。
「車の部分は後ろに繋げばいいのに…俺が行くからお前らは座ってろ」
「え?分かった」
「流石だな、海原。頼りになるぜ」
俺が兵に作業をさせるために車を降りると佐藤と駒込もついてこようとするので拒否って兵を召喚し、車部分を連結させていった。
「んじゃ帰るか」
「…4つも連結させて大丈夫?」
「取れたらそれまでって事だ。結構運が悪くない限りは外れねーと思うぜ」
「まあ…取れたら仕方ないか」
「どうせ置いていく予定だったしな」
佐藤の問いに俺が適当に返すと自分を納得させるように呟き、駒込が笑いながらフォローする。
「…うーわ…海原の車って初めて乗ったけど、ヤバっ」
「こんな車並みの速度が出せるんならそりゃあんな早く着くわけだ」
窓から流れる景色を見て佐藤が驚きながら呟くと駒込は笑って返す。
「でも魔獣とか寄って来ないの?この速度でぶつかったらヤバイんじゃ…」
「まあ普通なら危なくてマトモに使えたモンじゃねーが、ソコらへんは柴のスキルでなんとかなった」
「へー…柴田のスキルって普段は役に立たないクセにこういう時はチート過ぎない?」
「いや『役に立たないクセに』は余計だろ」
佐藤の心配したような発言に俺が軽く説明するように返すと柴田を見ながら言い、藤原とゲームしてる本人がツッコむ。
…そして一時間後。
今度は魔獣の群れに遭遇する事なく安全に拠点へと帰還出来た。
「…ふー…ホントに藤原達が来てくれて良かった…魔獣が襲って来た時なんて生きた心地しなかったし」
「全くだ。海原の装備が無かったら俺も今頃はあの中だったんだろうな…」
拠点内へと入って安全が確保出来たからか佐藤は安堵の息を吐きながら車を降り、駒込も同意しながら後ろのコンテナを見る。
「おい、佐藤。教会に運ぶ時は布をかぶせるとかしろよ」
「流石にアレは女子達には刺激が強すぎるかもしれんからな」
「一応綺麗にしてから教会に持ってく、って手もあるぜ?」
「あー…うん。そだね。そこら辺配慮させとく」
藤原が深山達を気遣うように言うと柴田も賛同するので俺も賛同して提案すると佐藤は考えるように了承した。
「ソレも考えたけど…運ぶ手間とか時間を考えたら今の方が楽だからこのままで良いかな、って」
「…おめーすげーな。こんな状況であんなの見ながらよくそんな冷静でいられんな」
「どうせ深山が生き返らせてくれんだからこんなん一瞬のゲームのキツイシーンみたいなもんよ。治す前提で大怪我とか負わす人体実験とか…いや、なんでもない」
「「え?」」
…冒険者達が荷物を運ぶのを窓越しに見ながら藤原と柴田がゲンナリした様子で言うので、俺はうっかり失言しそうになったがギリギリで耐えてなんとか誤魔化す。
「今の状況じゃちょいヤバイからこの話はまた今度な」
「いや、今めっちゃ気になる事言ってなかったか?」
「な。人体実験がどうとか…」
「その話はもっと平和な時に話すわ。心霊スポットで心霊体験の話とかされると忘れられなくなるだろ?」
「お、おう…分かった」
「じゃあまた今度頼むわ…」
やっぱり追及してくる藤原と柴田にタイミングが悪い理由を適当な例えにして言うとアッサリ引き下がる。
「海原。オッケー」
「もう積み終わったのか?」
「必需品以外の物資は全部捨てながら逃げてたから」
「勿体ないではあるが馬車の車部分もココに置いて行く事にした。荷台が馬と人でギリギリだったからな」
俺らが雑談してると佐藤が窓を叩いて作業の完了を報告するので確認すると佐藤は車に乗り込みながら微妙な顔で理由を話し、駒込も車に乗りながら話す。
「車の部分は後ろに繋げばいいのに…俺が行くからお前らは座ってろ」
「え?分かった」
「流石だな、海原。頼りになるぜ」
俺が兵に作業をさせるために車を降りると佐藤と駒込もついてこようとするので拒否って兵を召喚し、車部分を連結させていった。
「んじゃ帰るか」
「…4つも連結させて大丈夫?」
「取れたらそれまでって事だ。結構運が悪くない限りは外れねーと思うぜ」
「まあ…取れたら仕方ないか」
「どうせ置いていく予定だったしな」
佐藤の問いに俺が適当に返すと自分を納得させるように呟き、駒込が笑いながらフォローする。
「…うーわ…海原の車って初めて乗ったけど、ヤバっ」
「こんな車並みの速度が出せるんならそりゃあんな早く着くわけだ」
窓から流れる景色を見て佐藤が驚きながら呟くと駒込は笑って返す。
「でも魔獣とか寄って来ないの?この速度でぶつかったらヤバイんじゃ…」
「まあ普通なら危なくてマトモに使えたモンじゃねーが、ソコらへんは柴のスキルでなんとかなった」
「へー…柴田のスキルって普段は役に立たないクセにこういう時はチート過ぎない?」
「いや『役に立たないクセに』は余計だろ」
佐藤の心配したような発言に俺が軽く説明するように返すと柴田を見ながら言い、藤原とゲームしてる本人がツッコむ。
…そして一時間後。
今度は魔獣の群れに遭遇する事なく安全に拠点へと帰還出来た。
「…ふー…ホントに藤原達が来てくれて良かった…魔獣が襲って来た時なんて生きた心地しなかったし」
「全くだ。海原の装備が無かったら俺も今頃はあの中だったんだろうな…」
拠点内へと入って安全が確保出来たからか佐藤は安堵の息を吐きながら車を降り、駒込も同意しながら後ろのコンテナを見る。
「おい、佐藤。教会に運ぶ時は布をかぶせるとかしろよ」
「流石にアレは女子達には刺激が強すぎるかもしれんからな」
「一応綺麗にしてから教会に持ってく、って手もあるぜ?」
「あー…うん。そだね。そこら辺配慮させとく」
藤原が深山達を気遣うように言うと柴田も賛同するので俺も賛同して提案すると佐藤は考えるように了承した。
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