クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
上 下
418 / 556

418

しおりを挟む
「…生き残りってこれだけか?」

「冒険者は俺含めて8名だ。全体では佐藤含めて30名ほどか…」

「100名中生き残りが1/3かよ…もしかして遺体とかも残ってない感じ?」


藤原の問いに駒込が答えると柴田が微妙な顔で呟いて最悪の想定をするように尋ねる。


「……一応は回収はしてある、けど…」

「おー、よくこんな惨状でそこまで手が回ったな」

「…なんとか、ギリギリ…な」


佐藤が凄い言いづらそうに言うので俺が褒めるように返すと駒込も微妙な顔をしながら言いづらそうに言う。


「んじゃ、とりあえず魔獣の群れが戻って来る前に離脱しようぜ」

「だな。荷物は載せ替えるか?」

「あー…そうだな。ちょっと待っててくれ」


柴田の提案に藤原が同意して確認すると駒込は少し考えた後に生き残りの人達の所へと話を伝えに行った。


「ねえ、あの魔獣達ってアレで倒したんじゃないの?」

「まさかだろ。あんなんで倒せたら苦労しねーよ」


佐藤が困惑したように聞いてくるので俺は鼻で笑うように否定する。


「え。そうなの?」

「ちゃんとした魔法使いなら倒せてたかもな。でも俺のじゃダメージはほとんどねーからな…よくて2桁いくか…いや、やっぱ半分の5とか6ぐらいかも」

「…じゃあどれくらいで戻ってくる感じ?」

「さあ?30分とか一時間ぐらいじゃね?」

「そんなに早く!?」


佐藤に理由を話すと少し考えながら確認してくるので適当な予想を話すと驚かれた。


「いや、それまでにこの場を離れれば良いんだから早くはねーと思うけど」

「な。逆に時間はいっぱいあると思うんだが」

「…そなの?」


柴田の否定するような説明に藤原も同意すると佐藤はキョトンとしながら聞く。


「海原、荷物を積んでも良いか?」

「おう。後ろの荷台に積んでくれ」

「サンキュー!」

「俺らも手伝うか?」

「そだな」


アッチで話はついたのか駒込が確認してくるので俺が了承すると藤原と柴田も作業を手伝おうとする。


「…げっ!なんだこれ!」

「…げっ…」

「…げっ」


荷馬車の貨物部分の布をめくって中を見た藤原が驚きながら声を上げ、柴田も信じられないように呟くので俺も見ると…


ちょっと危ない見た目の積み重なってる荷物に思わず声が出た。



「なんでこんなんなってんだよ!」

「…運びやすくするためだ。…魔獣の足止めをするためにも、な…」

「…いや、確かにその方が軽くなるから合理的で効率的だけど…せめて布に包むとかしろよ」

「そんな時間あるか。俺たちだって生き延びるために必死だったんだぞ」


藤原が非難するように言うと駒込が難しい顔をしながら理由を話し、柴田は納得しつつも方法に言及すると言い訳するように話す。


「うえー…いつもは綺麗だから人形とかマネキンみたいで気にならなかったけど、こんな不意打ちだと夢に出そう…」

「こいつら死んでどれくらい経つ?」


藤原は嫌そうに呟いて柴田と一緒に車に戻るので俺が死亡期間を聞く事に。


「一昨日から昨日にかけてだな。今日はお前らのおかげでまだ死人は居ない」

「んじゃさっさと運ばねーと深山でも手遅れになるかもな」

「あ、えーと…荷物の載せ替えお願いしまーす!」


駒込の話を聞いて俺が言うと佐藤が他の人達に手を振りながら指示を出した。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

初めての異世界転生

藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。 女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。 まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。 このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ) そこは、剣と魔法の世界だった。 2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。 新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・ 気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...