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その後。
昼過ぎのもうすぐおやつの時間…ってぐらいにモニクァの王子が訪ねて来た。
「何か用?」
「おお、ウミハラ殿。実はようやく時間が空いてな…研究を手伝って欲しいのだ」
「お、久しぶりに再開しちゃう?」
「うむ。しかしココだと前にも増して人手不足でな」
「オッケー」
どうやら王子は久しぶりに研究の手伝いを依頼してくるので俺は軽く了承し、柴田や藤原に出かける事を告げて家を出る。
「そういえば…ワウシャープのルドラ殿から聞いた『魔結晶』なる鉱石を転用するという話…アレはどうなのだ?加工が難しいと聞くが実際に出来る物なのか?」
「多分出来ると思うよ。俺の友達に沼内って奴がいるんだけど…その魔結晶を使って俺らのスマホと似たような物を作ってたし」
歩いてる最中にモニクァの王子がワウシャープの王子の話を引き合いに出して確認してくるので、俺は沼内の例を挙げて肯定的に返した。
「ヌマ…ウチ…?…スマホとはウミハラ殿が持っている遠隔通信装置の事か?」
「そうそう。昨日だったか一昨日だったか完成品のテストっつって電話が来てね…とりあえずガライアの首都からココまでは余裕で電波が届くみたい」
「なんと…!ガライアから…!?」
「まあココからかなり離れてるから上手く行けばこの世界のどこでも通信が可能になるかもね」
当然ダンジョン内とかの例外はあるけど…と、俺は沼内の発明品の内容を説明しつつ王子に誤解されないようにちゃんと補足する。
「ほう…!しかし遠方との連絡が瞬時に取れる手段が本当だとすればとんでもない事だぞ!」
「だろうね。俺も『創造神』なんて呼ばれってっけど、どちらかといえば俺よりも断然アイツの方が創造神に相応しいと思うんだよなぁ…」
「…もし…もしも、の話だが…その遠隔通信装置とやらを手に入れる事は…」
「どうかな…?一応国からの依頼だ、って言ってたから…ま、ちょっと聞いてみるよ」
王子が珍しく遠慮するような感じで聞いてくるので俺は沼内に電話して聞いてみる事に。
「もしもし?」
「もしもし、海原だけど。今時間大丈夫か?」
「あ、うん。ゲームは今細かい所詰める作業に入ってるところだけど…」
「マジで?もう?早くね?」
俺の確認に沼内は何を勘違いしたのか新作ゲーム機の進捗状況を報告するので俺は驚いて真偽を確認した。
「でもやっぱり粗が結構目立つかな…fpsもまだ120ぐらいだから、それの倍は欲しいかも」
「いや、120ってったら結構じゃねーか?普通30とか60だろ?」
「ゲーム誌に載ってたんだけど、開発者が『フレームレートが低いと酔いの原因になる。容量が許す限り最大を目指すべきだ』って言ってたらしい」
「…はー、開発者の苦悩ってのは俺らみたいな消費者には分からんもんだな」
沼内がよく分からん開発の裏話みたいのをし始めるので俺は感心しながら返す。
「ウミハラ殿、どうだ?」
「おっとそうだ。ゲームの話はまた今度な、電話した用件はそっちじゃねぇんだ」
「あ、そうなの?」
「おう。お前が作った電話の事を王子に話したら是非使ってみたいって言い出してな」
「あー…えーと、材料が足りない、ね。ゲーム機用のヤツを使えば一つは作れるけど…」
王子の確認に俺が本題を切り出すと沼内は材料を確認したのか何か探してるような感じで答える。
「一つじゃ意味ねーだろ」
「一応役人に渡したのを合わせたら二つになるけど」
「いや、その国の役人が待ってても余計意味ねーから。とりあえず後で材料持って行くから必要な分リストアップしといてくれ」
「あ、それなら大丈夫。オッケー、分かった」
「じゃ、後でな」
「うん」
俺は沼内にアポを取ってから電話を切った。
昼過ぎのもうすぐおやつの時間…ってぐらいにモニクァの王子が訪ねて来た。
「何か用?」
「おお、ウミハラ殿。実はようやく時間が空いてな…研究を手伝って欲しいのだ」
「お、久しぶりに再開しちゃう?」
「うむ。しかしココだと前にも増して人手不足でな」
「オッケー」
どうやら王子は久しぶりに研究の手伝いを依頼してくるので俺は軽く了承し、柴田や藤原に出かける事を告げて家を出る。
「そういえば…ワウシャープのルドラ殿から聞いた『魔結晶』なる鉱石を転用するという話…アレはどうなのだ?加工が難しいと聞くが実際に出来る物なのか?」
「多分出来ると思うよ。俺の友達に沼内って奴がいるんだけど…その魔結晶を使って俺らのスマホと似たような物を作ってたし」
歩いてる最中にモニクァの王子がワウシャープの王子の話を引き合いに出して確認してくるので、俺は沼内の例を挙げて肯定的に返した。
「ヌマ…ウチ…?…スマホとはウミハラ殿が持っている遠隔通信装置の事か?」
「そうそう。昨日だったか一昨日だったか完成品のテストっつって電話が来てね…とりあえずガライアの首都からココまでは余裕で電波が届くみたい」
「なんと…!ガライアから…!?」
「まあココからかなり離れてるから上手く行けばこの世界のどこでも通信が可能になるかもね」
当然ダンジョン内とかの例外はあるけど…と、俺は沼内の発明品の内容を説明しつつ王子に誤解されないようにちゃんと補足する。
「ほう…!しかし遠方との連絡が瞬時に取れる手段が本当だとすればとんでもない事だぞ!」
「だろうね。俺も『創造神』なんて呼ばれってっけど、どちらかといえば俺よりも断然アイツの方が創造神に相応しいと思うんだよなぁ…」
「…もし…もしも、の話だが…その遠隔通信装置とやらを手に入れる事は…」
「どうかな…?一応国からの依頼だ、って言ってたから…ま、ちょっと聞いてみるよ」
王子が珍しく遠慮するような感じで聞いてくるので俺は沼内に電話して聞いてみる事に。
「もしもし?」
「もしもし、海原だけど。今時間大丈夫か?」
「あ、うん。ゲームは今細かい所詰める作業に入ってるところだけど…」
「マジで?もう?早くね?」
俺の確認に沼内は何を勘違いしたのか新作ゲーム機の進捗状況を報告するので俺は驚いて真偽を確認した。
「でもやっぱり粗が結構目立つかな…fpsもまだ120ぐらいだから、それの倍は欲しいかも」
「いや、120ってったら結構じゃねーか?普通30とか60だろ?」
「ゲーム誌に載ってたんだけど、開発者が『フレームレートが低いと酔いの原因になる。容量が許す限り最大を目指すべきだ』って言ってたらしい」
「…はー、開発者の苦悩ってのは俺らみたいな消費者には分からんもんだな」
沼内がよく分からん開発の裏話みたいのをし始めるので俺は感心しながら返す。
「ウミハラ殿、どうだ?」
「おっとそうだ。ゲームの話はまた今度な、電話した用件はそっちじゃねぇんだ」
「あ、そうなの?」
「おう。お前が作った電話の事を王子に話したら是非使ってみたいって言い出してな」
「あー…えーと、材料が足りない、ね。ゲーム機用のヤツを使えば一つは作れるけど…」
王子の確認に俺が本題を切り出すと沼内は材料を確認したのか何か探してるような感じで答える。
「一つじゃ意味ねーだろ」
「一応役人に渡したのを合わせたら二つになるけど」
「いや、その国の役人が待ってても余計意味ねーから。とりあえず後で材料持って行くから必要な分リストアップしといてくれ」
「あ、それなら大丈夫。オッケー、分かった」
「じゃ、後でな」
「うん」
俺は沼内にアポを取ってから電話を切った。
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