クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
上 下
394 / 556

394

しおりを挟む
「…なにそれ…どういうこと?」

「清水がお前を庇うだかフォローしようとした結果、俺らに弄られて怒ったから『嫌なら出てけ』って言ったら泣いた」

「私関係ないじゃん」

「直接的には、な」


困惑する佐藤に詳細を少し教えると否定してくるので俺は含みを持たせて返す。


「いやいや、間接的にも関係無いでしょ。その話に一切関与してないし」

「まあお前がそう思うんならそれでいいんじゃね?とりあえず俺らが泣かせたんじゃなくてアッチが勝手に泣いただけだからな、勘違いすんなよ」

「ええ…なにそれ…」

「んじゃな」

「あ」


俺は話が終わったと思ったので訂正した後に会話を強制的に打ち切って通話を切る。


「なんて?」

「清水を泣かせた理由を聞かれた」

「『泣かせた』ってか、海の言う通り『勝手に泣いた』だよな」

「女は泣けばなんでも自分の思い通りになると思ってっからな…」

「男が泣いても『弱虫』って言われるだけでどうにもならねーのにな」

「まあソコは男女の精神構造の違いだろ。守る男と守られる女じゃそりゃ、な…」


柴田と藤原が女を叩くような流れに持っていくので俺はマズイと思って話を終わらせるように言う。


「あーあ、俺も女に生まれたかったわ」

「俺もよ。やっぱ女の方が生き易そうだしな」

「『女を守る』のは大変だけど『男に守られる』のは楽だしな」

「…でも良く考えたら日本以外ではキツくね?女に権利とか人権とか無い国で女に生まれたら多分男以上にハードモードだぜ」

「…だな。日本以外なら男の方が楽かもしれん」


俺らは女の方が生きてく上で楽だと話したが、藤原のふとした思いつきで考えを改める事に。






ーーーーーー






「ただいま」

「おかえり」

「…海原君、清水さんと仲直りしたら?」

「…は?」


夕方、女子達が帰って来ると急に斉藤が意味不明な事を言い出した。


「今日は佐藤さんと大使館みたいな所に泊まるらしいけど…」

「へー」


斉藤は清水と佐藤が来ない事を話すも俺には関係ないし興味もないので適当に流す。


「なんで喧嘩になったの?いつもはそんな事しないのに」

「…なんで喧嘩した事になってんだ?アイツが勝手に泣いただけだぞ」

「え?喧嘩になったから泣いたって言ってたけど…」


斉藤の疑問に俺が確認するように聞き返して訂正すると困惑したように清水から聞いたんであろう内容を言う。


「いや、そもそも俺らと喧嘩する理由とかなくね?こう言いたくはねーけど…女っつー立場を最大限利用して泣いて自分を有利にしようって考えとか正直どうよ?」

「…清水さんが嘘吐いたって事?」

「俺はアイツの口から直接聞いたワケじゃねーから分かんねーけど、今の話を聞くに印象操作はしてるだろーな」

「…まあ喧嘩じゃないんなら良かったけど、『嫌なら出てけ』は流石に言い過ぎじゃない?」

「…友達を庇いたいって気持ちは分かるけどさぁ、俺らの事も少しは考慮してくれよ」


こんなアホらしい事で溝が出来るなんて馬鹿らしくないか?と、俺は呆れてため息を吐きながら話を打ち切るように返した。


「…そうだね。じゃあ佐藤さんや清水さんが来ても大丈夫なんだよね?」

「さあな。柴や藤がオッケーなら良いんじゃね?俺としては今回のような面倒な問題を起こさなければ好きにしたら良いと思ってるけど」


斉藤も気を利かせたように話に乗った…かと思いきや確認して来るので俺は条件付きで容認する。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

金貨1,000万枚貯まったので勇者辞めてハーレム作ってスローライフ送ります!!

夕凪五月雨影法師
ファンタジー
AIイラストあり! 追放された世界最強の勇者が、ハーレムの女の子たちと自由気ままなスローライフを送る、ちょっとエッチでハートフルな異世界ラブコメディ!! 国内最強の勇者パーティを率いる勇者ユーリが、突然の引退を宣言した。 幼い頃に神託を受けて勇者に選ばれて以来、寝る間も惜しんで人々を助け続けてきたユーリ。 彼はもう限界だったのだ。 「これからは好きな時に寝て、好きな時に食べて、好きな時に好きな子とエッチしてやる!! ハーレム作ってやるーーーー!!」 そんな発言に愛想を尽かし、パーティメンバーは彼の元から去っていくが……。 その引退の裏には、世界をも巻き込む大規模な陰謀が隠されていた。 その陰謀によって、ユーリは勇者引退を余儀なくされ、全てを失った……。 かのように思われた。 「はい、じゃあ僕もう勇者じゃないから、こっからは好きにやらせて貰うね」 勇者としての条約や規約に縛られていた彼は、力をセーブしたまま活動を強いられていたのだ。 本来の力を取り戻した彼は、その強大な魔力と、金貨1,000万枚にものを言わせ、好き勝手に人々を救い、気ままに高難度ダンジョンを攻略し、そして自身をざまぁした巨大な陰謀に立ち向かっていく!! 基本的には、金持ちで最強の勇者が、ハーレムの女の子たちとまったりするだけのスローライフコメディです。 異世界版の光源氏のようなストーリーです! ……やっぱりちょっと違います笑 また、AIイラストは初心者ですので、あくまでも小説のおまけ程度に考えていただければ……(震え声)

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

辺境で魔物から国を守っていたが、大丈夫になったので新婚旅行へ出掛けます!

naturalsoft
ファンタジー
王国の西の端にある魔物の森に隣接する領地で、日々魔物から国を守っているグリーンウッド辺境伯爵は、今日も魔物を狩っていた。王国が隣接する国から戦争になっても、王国が内乱になっても魔物を狩っていた。 うん?力を貸せ?無理だ! ここの兵力を他に貸し出せば、あっという間に国中が魔物に蹂躙されるが良いのか? いつもの常套句で、のらりくらりと相手の要求を避けるが、とある転機が訪れた。 えっ、ここを守らなくても大丈夫になった?よし、遅くなった新婚旅行でも行くか?はい♪あなた♪ ようやく、魔物退治以外にやる気になったグリーンウッド辺境伯の『家族』の下には、実は『英雄』と呼ばれる傑物達がゴロゴロと居たのだった。 この小説は、新婚旅行と称してあっちこっちを旅しながら、トラブルを解決して行き、大陸中で英雄と呼ばれる事になる一家のお話である! (けっこうゆるゆる設定です)

元勇者で神に近い存在になった男、勇者パーティに混じって魔王討伐参加してたら追い出されました。

明石 清志郎
ファンタジー
昔とある世界で勇者として召喚され、神に近い存在になった男ジン。 新人研修の一環として同胞の先輩から、適当に世界を一つ選んでどんな方法でもいいから救えと言われ、自分の昔行った異世界とは別の世界を選び、勇者四人の選定も行った。 自分もそこで勇者として潜入し、能力を隠しつつ、勇者達にアドバイスなんかを行い後方支援を行い、勇者を育てながら魔王討伐の旅にでていた。 だがある日の事だ。 「お前うるさいし、全然使えないからクビで」 「前に出ないくせに、いちいちうぜぇ」 等と言われ、ショックと同時にムカつきを覚えた。 俺は何をミスった……上手くいってる思ったのは勘違いだったのか…… そんな想いを抱き決別を決意。 だったらこいつらは捨ててるわ。 旅に出て仲間を見つけることを決意。 魔王討伐?一瞬でできるわ。 欲しかった仲間との真の絆を掴む為にまだよく知らない異世界を旅することに。 勇者?そんな奴知らんな。 美女を仲間にして異世界を旅する話です。気が向いたら魔王も倒すし、勇者も報復します。

料理人がいく!

八神
ファンタジー
ある世界に天才料理人がいた。 ↓ 神にその腕を認められる。 ↓ なんやかんや異世界に飛ばされた。 ↓ ソコはレベルやステータスがあり、HPやMPが見える世界。 ↓ ソコの食材を使った料理を極めんとする事10年。 ↓ 主人公の住んでる山が戦場になる。 ↓ 物語が始まった。

元勇者パーティの料理人〜追放されたけど料理スキルがカンストしている俺は王都1を目指して料理店始めます〜

月乃始
ファンタジー
「ロイズ、すまんが抜けてくれ」 魔王討伐から数ヶ月が経った朝、勇者ボイドから衝撃の言葉を伝えられる。 「資金不足なの」 勇者パーティに唯一残っている魔法使いのラナから現実を突きつけられて、たかが料理人、戦闘用員でもない俺ロイズは、名高い勇者パーティを追放された。 「これからどうするか」 数年ぶりに戻ってきた王都はなにやら活気がない。 スリや犯罪も横行している。 記憶とあまりに違う王都に困惑しながらも、不思議な声に導かれ、日銭を稼ぐため一から冒険者になることに。 冒険者登録をしに行ったギルドで今の王都がどれだけ酷い状況なのかを知る。 『街の料理店には料理人がいないから回復もバフも貰えず元気がない』 『誰もが料理人を求めている』 昔から要らないと言われ続けた料理人が今はこんなに必要とされていたなんて… ギルドで出会った謎の酒女ドラカから自分の料理店を経営すること、そして王都で1番の料理人になることを条件に、衣食住の保証はしてもらえることに。 何だかんだ好きなことで平和に暮らせるならいいか。 なんて軽く考えていたら……。 え?まさかのお客さまだらけで本当に大丈夫か? ★ドタバタほのぼの飯テロファンタジー★ ※第16回ファンタジー大賞参加中 応援よろしくお願いします!

とあるオタが勇者召喚に巻き込まれた件~イレギュラーバグチートスキルで異世界漫遊~

剣伎 竜星
ファンタジー
仕事の修羅場を乗り越えて、徹夜明けもなんのその、年2回ある有○の戦場を駆けた夏。長期休暇を取得し、自宅に引きこもって戦利品を堪能すべく、帰宅の途上で食材を購入して後はただ帰るだけだった。しかし、学生4人組とすれ違ったと思ったら、俺はスマホの電波が届かない中世ヨーロッパと思しき建築物の複雑な幾何学模様の上にいた。学生4人組とともに。やってきた召喚者と思しき王女様達の魔族侵略の話を聞いて、俺は察した。これあかん系異世界勇者召喚だと。しかも、どうやら肝心の勇者は学生4人組みの方で俺は巻き込まれた一般人らしい。【鑑定】や【空間収納】といった鉄板スキルを保有して、とんでもないバグと思えるチートスキルいるが、違うらしい。そして、安定の「元の世界に帰る方法」は不明→絶望的な難易度。勇者系の称号がないとわかると王女達は掌返しをして俺を奴隷扱いするのは必至。1人を除いて学生共も俺を馬鹿にしだしたので俺は迷惑料を(強制的に)もらって早々に国を脱出し、この異世界をチートスキルを駆使して漫遊することにした。※10話前後までスタート地点の王城での話になります。

処理中です...