クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
上 下
392 / 556

392

しおりを挟む
…そして昼食後。


「ねえ、海原。さっき言ってた大人数を運ぶ方法ってなに?」

「あ?お前残ったの?」


俺らがゲームをしてると清水がやって来て質問してくるので俺は意外に思いながら逆に問い返す。


「だって気になるし。あと灯は王子の所に寄って行くって言ってたから、時間潰し」

「なに、お前斉藤達と仲良くねーの?」

「いや、仲良くないワケじゃないんだけど…たまに会話に入れない時があるから…高木さんは全く気にならないみたいだけど…」


清水の返答に藤原が軽く驚いたように聞くと微妙に困惑したような感じでちょっと言いづらそうに返した。


「高木もゲームやるんだろ?だったら高木と喋ればいいじゃん」

「灯が居れば三三で分かれて話せるんだけどね…やっぱり住吉さん達が話してるのを邪魔するワケにはいかないし…」

「なら三二で分かれれば良くね?」

「う、うーん…高木さんが、ね…」

「おめーも気ぃ遣って大変だな。佐藤も少しは見習って欲しいモンだが」


女子同士でもグループになるとなんか色々あるらしいので、俺は清水を労うように言った後に佐藤の名前を出す。


「灯も結構…ってか普通に男子達が考えてる以上に大変だと思うよ?」

「そりゃそーだろ。なんせ貴族様だからな」

「いくらクラスメイトでこの世界の奴らよか関係が近いっつっても、ありゃ気を許し過ぎじゃね?『親しき仲にも礼儀あり』ってことわざもあるんだぜ?」

「えー…海原がそれ言う?」


清水のフォローに柴田が茶化しながら同意するので俺が苦言のように言うと清水は若干ヒいたように言う。


「おめー何も分かってねーな…こう見えて俺らも互いに気を遣ってんだぜ?そうじゃないと共同生活なんて成り立たねーし」

「そーそー。お前がもし海と同じ事出来たとして、海みたいに王族とかとパイプ繋げられっか?」

「…分かんない。実際にそうなってみないと」


呆れたように言う藤原と柴田に清水は少し考えた後に曖昧な返答をする。


「ま、そらそうだ。もしかしたらそうなってたらお前も王子の婚約者になってたりしてな」

「ははっ、令嬢物で良くある『器用な町娘Aが王子を射止める』的な感じのやつかよ」

「いや、もしかしたら婚約破棄系かもよ?『お国のために働いていた私が他の令嬢に貶められて…』的な」

「…もしかしてバカにしてる?」

「ははっ、ゴメンゴメン。で、なんだっけ?さっきなんか言ってなかったっけ?」


俺らが清水を弄るように笑いながら話してると、その張本人が怒ったように聞いてくるので俺は軽く謝って流すように話を戻した。


「あと一つの拠点に人を送る方法」

「なに怒ってんだよ、ゴメンて」

「別に怒ってないし」


ムッとしたように言う清水に藤原が軽く謝るも拗ねたようにソッポを向きながら返す。


「なんでお前にそんな事話す必要があんのか分からんけど…まあ教えてやるから機嫌直せよ」

「その言い方ムカつくんだけど」

「はいはい、すいませんねー」

「で?どうやるの?」


俺が本音を零した後にしょうがなく言うと清水がイラついたよう返すので棒読みで謝ったら話を催促してくる。


「どうやると思う?」

「…さっきから喧嘩売ってない?絶対喧嘩売ってるよね?そんなに私を怒らせたいの?なんで?ねえなんで?」

「まあまあ、清水落ち着けって」

「そもそも本当に喧嘩売ってんのならこんな周りくどい事しねーだろ」


俺の問いに流石に我慢の限界がきたのか、えらく不機嫌になって矢継ぎ早に詰めるように言うと柴田と藤原が仲裁に入った。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

良家で才能溢れる新人が加入するので、お前は要らないと追放された後、偶然お金を落とした穴が実はガチャで全財産突っ込んだら最強になりました

ぽいづん
ファンタジー
ウェブ・ステイは剣士としてパーティに加入しそこそこ活躍する日々を過ごしていた。 そんなある日、パーティリーダーからいい話と悪い話があると言われ、いい話は新メンバー、剣士ワット・ファフナーの加入。悪い話は……ウェブ・ステイの追放だった…… 失意のウェブは気がつくと街外れをフラフラと歩き、石に躓いて転んだ。その拍子にポケットの中の銅貨1枚がコロコロと転がり、小さな穴に落ちていった。 その時、彼の目の前に銅貨3枚でガチャが引けます。という文字が現れたのだった。 ※小説家になろうにも投稿しています。

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

秘宝を集めし領主~異世界から始める領地再建~

りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とした平凡なサラリーマン・タカミが目を覚ますと、そこは荒廃した異世界リューザリアの小さな領地「アルテリア領」だった。突然、底辺貴族アルテリア家の跡取りとして転生した彼は、何もかもが荒れ果てた領地と困窮する領民たちを目の当たりにし、彼らのために立ち上がることを決意する。 頼れるのは前世で得た知識と、伝説の秘宝の力。仲間と共に試練を乗り越え、秘宝を集めながら荒廃した領地を再建していくタカミ。やがて貴族社会の権力争いにも巻き込まれ、孤立無援となりながらも、領主として成長し、リューザリアで成り上がりを目指す。新しい世界で、タカミは仲間と共に領地を守り抜き、繁栄を築けるのか? 異世界での冒険と成長が交錯するファンタジーストーリー、ここに開幕!

ブラック宮廷から解放されたので、のんびりスローライフを始めます! ~最強ゴーレム使いの気ままな森暮らし~

ヒツキノドカ
ファンタジー
「クレイ・ウェスタ―! 貴様を宮廷から追放する!」  ブラック宮廷に勤めるゴーレム使いのクレイ・ウェスターはある日突然クビを宣告される。  理由は『不当に高い素材を買いあさったこと』とされたが……それはクレイに嫉妬する、宮廷魔術師団長の策略だった。  追放されたクレイは、自由なスローライフを求めて辺境の森へと向かう。  そこで主人公は得意のゴーレム魔術を生かしてあっという間に快適な生活を手に入れる。    一方宮廷では、クレイがいなくなったことで様々なトラブルが発生。  宮廷魔術師団長は知らなかった。  クレイがどれほど宮廷にとって重要な人物だったのか。  そして、自分では穴埋めできないほどにクレイと実力が離れていたことも。  「こんなはずでは……」と嘆きながら宮廷魔術師団長はクレイの元に向かい、戻ってくるように懇願するが、すでに理想の生活を手に入れたクレイにあっさり断られてしまう。  これはブラック宮廷から解放された天才ゴーレム使いの青年が、念願の自由なスローライフを満喫する話。 ーーーーーー ーーー ※4/29HOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝! ※推敲はしていますが、誤字脱字があるかもしれません。 見つけた際はご報告いただけますと幸いです……

前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります

京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。 なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。 今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。 しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。 今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。 とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。

勇者召喚に巻き込まれたモブキャラの俺。女神の手違いで勇者が貰うはずのチートスキルを貰っていた。気づいたらモブの俺が世界を救っちゃってました。

つくも
ファンタジー
主人公——臼井影人(うすいかげと)は勉強も運動もできない、影の薄いどこにでもいる普通の高校生である。 そんな彼は、裏庭の掃除をしていた時に、影人とは対照的で、勉強もスポーツもできる上に生徒会長もしている——日向勇人(ひなたはやと)の勇者召喚に巻き込まれてしまった。 勇人は異世界に旅立つより前に、女神からチートスキルを付与される。そして、異世界に召喚されるのであった。 始まりの国。エスティーゼ王国で目覚める二人。当然のように、勇者ではなくモブキャラでしかない影人は用無しという事で、王国を追い出された。 だが、ステータスを開いた時に影人は気づいてしまう。影人が勇者が貰うはずだったチートスキルを全て貰い受けている事に。 これは勇者が貰うはずだったチートスキルを手違いで貰い受けたモブキャラが、世界を救う英雄譚である。 ※他サイトでも公開

母親に家を追い出されたので、勝手に生きる!!(泣きついて来ても、助けてやらない)

いくみ
ファンタジー
実母に家を追い出された。 全く親父の奴!勝手に消えやがって! 親父が帰ってこなくなったから、実母が再婚したが……。その再婚相手は働きもせずに好き勝手する男だった。 俺は消えた親父から母と頼むと、言われて。 母を守ったつもりだったが……出て行けと言われた……。 なんだこれ!俺よりもその男とできた子供の味方なんだな? なら、出ていくよ! 俺が居なくても食って行けるなら勝手にしろよ! これは、のんびり気ままに冒険をする男の話です。 カクヨム様にて先行掲載中です。 不定期更新です。

一般人に生まれ変わったはずなのに・・・!

モンド
ファンタジー
第一章「学園編」が終了し第二章「成人貴族編」に突入しました。 突然の事故で命を落とした主人公。 すると異世界の神から転生のチャンスをもらえることに。  それならばとチートな能力をもらって無双・・・いやいや程々の生活がしたいので。 「チートはいりません健康な体と少しばかりの幸運を頂きたい」と、希望し転生した。  転生して成長するほどに人と何か違うことに不信を抱くが気にすることなく異世界に馴染んでいく。 しかしちょっと不便を改善、危険は排除としているうちに何故かえらいことに。 そんな平々凡々を求める男の勘違い英雄譚。 ※誤字脱字に乱丁など読みづらいと思いますが、申し訳ありませんがこう言うスタイルなので。

処理中です...