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…そして昼食後。
「ねえ、海原。さっき言ってた大人数を運ぶ方法ってなに?」
「あ?お前残ったの?」
俺らがゲームをしてると清水がやって来て質問してくるので俺は意外に思いながら逆に問い返す。
「だって気になるし。あと灯は王子の所に寄って行くって言ってたから、時間潰し」
「なに、お前斉藤達と仲良くねーの?」
「いや、仲良くないワケじゃないんだけど…たまに会話に入れない時があるから…高木さんは全く気にならないみたいだけど…」
清水の返答に藤原が軽く驚いたように聞くと微妙に困惑したような感じでちょっと言いづらそうに返した。
「高木もゲームやるんだろ?だったら高木と喋ればいいじゃん」
「灯が居れば三三で分かれて話せるんだけどね…やっぱり住吉さん達が話してるのを邪魔するワケにはいかないし…」
「なら三二で分かれれば良くね?」
「う、うーん…高木さんが、ね…」
「おめーも気ぃ遣って大変だな。佐藤も少しは見習って欲しいモンだが」
女子同士でもグループになるとなんか色々あるらしいので、俺は清水を労うように言った後に佐藤の名前を出す。
「灯も結構…ってか普通に男子達が考えてる以上に大変だと思うよ?」
「そりゃそーだろ。なんせ貴族様だからな」
「いくらクラスメイトでこの世界の奴らよか関係が近いっつっても、ありゃ気を許し過ぎじゃね?『親しき仲にも礼儀あり』ってことわざもあるんだぜ?」
「えー…海原がそれ言う?」
清水のフォローに柴田が茶化しながら同意するので俺が苦言のように言うと清水は若干ヒいたように言う。
「おめー何も分かってねーな…こう見えて俺らも互いに気を遣ってんだぜ?そうじゃないと共同生活なんて成り立たねーし」
「そーそー。お前がもし海と同じ事出来たとして、海みたいに王族とかとパイプ繋げられっか?」
「…分かんない。実際にそうなってみないと」
呆れたように言う藤原と柴田に清水は少し考えた後に曖昧な返答をする。
「ま、そらそうだ。もしかしたらそうなってたらお前も王子の婚約者になってたりしてな」
「ははっ、令嬢物で良くある『器用な町娘Aが王子を射止める』的な感じのやつかよ」
「いや、もしかしたら婚約破棄系かもよ?『お国のために働いていた私が他の令嬢に貶められて…』的な」
「…もしかしてバカにしてる?」
「ははっ、ゴメンゴメン。で、なんだっけ?さっきなんか言ってなかったっけ?」
俺らが清水を弄るように笑いながら話してると、その張本人が怒ったように聞いてくるので俺は軽く謝って流すように話を戻した。
「あと一つの拠点に人を送る方法」
「なに怒ってんだよ、ゴメンて」
「別に怒ってないし」
ムッとしたように言う清水に藤原が軽く謝るも拗ねたようにソッポを向きながら返す。
「なんでお前にそんな事話す必要があんのか分からんけど…まあ教えてやるから機嫌直せよ」
「その言い方ムカつくんだけど」
「はいはい、すいませんねー」
「で?どうやるの?」
俺が本音を零した後にしょうがなく言うと清水がイラついたよう返すので棒読みで謝ったら話を催促してくる。
「どうやると思う?」
「…さっきから喧嘩売ってない?絶対喧嘩売ってるよね?そんなに私を怒らせたいの?なんで?ねえなんで?」
「まあまあ、清水落ち着けって」
「そもそも本当に喧嘩売ってんのならこんな周りくどい事しねーだろ」
俺の問いに流石に我慢の限界がきたのか、えらく不機嫌になって矢継ぎ早に詰めるように言うと柴田と藤原が仲裁に入った。
「ねえ、海原。さっき言ってた大人数を運ぶ方法ってなに?」
「あ?お前残ったの?」
俺らがゲームをしてると清水がやって来て質問してくるので俺は意外に思いながら逆に問い返す。
「だって気になるし。あと灯は王子の所に寄って行くって言ってたから、時間潰し」
「なに、お前斉藤達と仲良くねーの?」
「いや、仲良くないワケじゃないんだけど…たまに会話に入れない時があるから…高木さんは全く気にならないみたいだけど…」
清水の返答に藤原が軽く驚いたように聞くと微妙に困惑したような感じでちょっと言いづらそうに返した。
「高木もゲームやるんだろ?だったら高木と喋ればいいじゃん」
「灯が居れば三三で分かれて話せるんだけどね…やっぱり住吉さん達が話してるのを邪魔するワケにはいかないし…」
「なら三二で分かれれば良くね?」
「う、うーん…高木さんが、ね…」
「おめーも気ぃ遣って大変だな。佐藤も少しは見習って欲しいモンだが」
女子同士でもグループになるとなんか色々あるらしいので、俺は清水を労うように言った後に佐藤の名前を出す。
「灯も結構…ってか普通に男子達が考えてる以上に大変だと思うよ?」
「そりゃそーだろ。なんせ貴族様だからな」
「いくらクラスメイトでこの世界の奴らよか関係が近いっつっても、ありゃ気を許し過ぎじゃね?『親しき仲にも礼儀あり』ってことわざもあるんだぜ?」
「えー…海原がそれ言う?」
清水のフォローに柴田が茶化しながら同意するので俺が苦言のように言うと清水は若干ヒいたように言う。
「おめー何も分かってねーな…こう見えて俺らも互いに気を遣ってんだぜ?そうじゃないと共同生活なんて成り立たねーし」
「そーそー。お前がもし海と同じ事出来たとして、海みたいに王族とかとパイプ繋げられっか?」
「…分かんない。実際にそうなってみないと」
呆れたように言う藤原と柴田に清水は少し考えた後に曖昧な返答をする。
「ま、そらそうだ。もしかしたらそうなってたらお前も王子の婚約者になってたりしてな」
「ははっ、令嬢物で良くある『器用な町娘Aが王子を射止める』的な感じのやつかよ」
「いや、もしかしたら婚約破棄系かもよ?『お国のために働いていた私が他の令嬢に貶められて…』的な」
「…もしかしてバカにしてる?」
「ははっ、ゴメンゴメン。で、なんだっけ?さっきなんか言ってなかったっけ?」
俺らが清水を弄るように笑いながら話してると、その張本人が怒ったように聞いてくるので俺は軽く謝って流すように話を戻した。
「あと一つの拠点に人を送る方法」
「なに怒ってんだよ、ゴメンて」
「別に怒ってないし」
ムッとしたように言う清水に藤原が軽く謝るも拗ねたようにソッポを向きながら返す。
「なんでお前にそんな事話す必要があんのか分からんけど…まあ教えてやるから機嫌直せよ」
「その言い方ムカつくんだけど」
「はいはい、すいませんねー」
「で?どうやるの?」
俺が本音を零した後にしょうがなく言うと清水がイラついたよう返すので棒読みで謝ったら話を催促してくる。
「どうやると思う?」
「…さっきから喧嘩売ってない?絶対喧嘩売ってるよね?そんなに私を怒らせたいの?なんで?ねえなんで?」
「まあまあ、清水落ち着けって」
「そもそも本当に喧嘩売ってんのならこんな周りくどい事しねーだろ」
俺の問いに流石に我慢の限界がきたのか、えらく不機嫌になって矢継ぎ早に詰めるように言うと柴田と藤原が仲裁に入った。
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