クラスまるごと異世界転移

八神

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「…おいおい、すげー発想だな。マジでそんな事が出来るようになんの?」

「さあ?でもこの世界なら出来るような気がするんだ」


柴田の驚きながらの確認に沼内は自信があるように返す。


「…ゲームみたいな世界で俺らの世界のよりもすげーゲームを作る、ってなんかアレじゃね?」

「まあそんなすげーゲームが出来たら楽しそうではあるが…ソレを言いたいがために俺を呼んだのか?」

「まさか!言うだけなら電話で済むし。困ってるから海原君をわざわざ呼んだんじゃないか」


藤原が微妙な顔をしながら言うので俺も微妙な顔で返して問うと沼内は否定して意図を話す。


「つっても俺を呼んだところでテスターとかデバッガーぐらいしか手伝えなくね?VRだの3Dだのホログラムだのの知識なんてねーぞ」

「そりゃそうだ。普通知らねーもんな」

「確かに。なんで海を呼んだんだ?」


俺の問いに柴田と藤原も同意しながら沼内に聞く。


「実はCPUやGPU、SSDや出来ればHDDもかな…?が予定の基準を全く満たして無くて性能が全然足りないんだ」

「…CPUってアレか?あのパソコンの頭脳とか言われてる」

「GPUってなんだ?SSDは確か記憶媒体だった気がするが…」

「アレじゃね?ほら、グラボとかに使われてるとか言われてるやつ」

「あー…グラフィックボードの…って事は画像処理関連か」


沼内がまるで俺らが知ってる前提で専門用語っぽいのをぶち込んで状況を説明してくるので…


俺は柴田や藤原と共にその用語の意味が合ってるかを確認した。


「んで?だからなんだ?」

「高性能の半導体が欲しい!」

「「「…は?」」」


俺の再びの問いに沼内が予想外の事を言い出し、柴田や藤原とも呟きが被る。


「なんかゲーム機に使えそうな新しい半導体とか調達出来ない?」

「いや無理。ソレに使えそうな金属だの鉱石は集められっけど、半導体そのものとかは無理だろ」


そもそもお前以外に作れる奴が居ねーのにどっから持ってくんだよ。と、俺は沼内の要求を拒否した。


「…うーん…じゃあなんかそういうのに使えそうな材料があったり、見つけた時はお願いしても良い?」

「別に構わねーけど」


沼内が考えながら譲歩するような内容で交渉してくるので『それなら…』と俺は了承する。


「ホント!じゃあよろしく!」

「…じゃあ俺らホント来た意味ねーな」

「な。沼内が新しくよく分からん最新鋭のゲーム機を作ろうとしてるっつー事を聞いただけやわ」


…喜ぶ沼内とは対照的に柴田と藤原はため息を吐いて言うので、俺は一旦あの二人をスキルの連携で新大陸の家に送ってからまた沼内のアトリエへと戻った。


「あれ?あの二人と一緒に帰ったんじゃ…?」

「あいつらが居てもしょうがねぇからな。とりあえず使えるかどうかは分からんが…新大陸で採った魔鉱石を渡しとく」


沼内が戻って来た俺を見て不思議そうに言うので用件を話して兵を召喚し、魔鉱石を床に置く。


「…魔鉱石?」

「『魔石』って知ってっか?」

「…魔獣から極稀に採れる、っていう装備の強化アイテムだよね?」


よく分かってないような沼内に俺が説明する前に聞くとザックリとした情報で答えた。
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