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「…なんかきんぴらごぼうが食いたくなってきたな。海、夕飯にきんぴらごぼう作ってくれ」
「別に構わねーけど、アレって甘い辛い甘辛い甘くないとか味付けが色々あるぜ?」
「あー…俺は甘い方が良いな」
「私も」
「えー、きんぴらって言ったら甘辛い味でしょ?」
「だよね」
「いや、普通に甘くも辛くもない醤油味だろ。アレ、おかずっつーよりつまみみてーなもんだし」
柴田のリクエストに俺がそう聞き返すとみんなそれぞれ違う意見が出てくる。
「つまみだったら甘辛味だろ。おかずだったら甘い方が良くね?」
「ご飯と一緒に食べるなら甘いより甘辛の方が良くない?」
「…キムチみたいに、辛い方が…美味しかったり…」
「あー、はいはい。じゃあ4種類作るから、それぞれ好きなモンを食うって事で」
なんか段々と言い争いのような雰囲気に変わっていくので俺は丸く収まる案を出してピリピリし始める場を収束させた。
「…食事中だと言うのに賑やかな方達ですこと」
「本当ですわね。ランチの最中にディナーの話など…」
「やめないか」
「「…失礼いたしました」」
お上品にナプキンで口元を拭きながら言う王女にその友達が同意すると王子が諌めるように言い、女の子二人は互いに顔を見合わせて王子に謝罪した。
…そんなこんな俺らはいつも通りワイワイと話しながら食事を続け…
気づけばテーブル上の皿はほとんど空になっている。
「お、そろそろかな」
「…ふう。ご馳走様、大変な美味な食事であった」
「ええ。是非とも専属でお抱えしたいほどの腕前でしたわ」
「感謝いたします」
俺の言葉に食事が終了したと勘違いしたのか王子達が食器を置いて立ち上がりお礼を言い始めた。
「え、もう帰るの?」
「聖女や英雄との食事、という目的は済んだからな」
「「ご馳走様でした」」
俺が確認すると王子は理由を告げて女の子二人が同時に食後の挨拶をする。
「そう?じゃあまたね」
「ああ、妹達の急なワガママを聞いてくれて感謝いたす」
「だとよ」
「あー?俺らに向けたやつだったのか?まあ別に気にしなくても」
「そーそー。俺らに配慮してくれんなら何の問題もねーからな」
王子のお礼の言葉に俺が柴田に振ると適当な感じで返し、藤原も同意するかのように予防線のような事を言う。
「…ではみなさま、私達はこれで……?」
王女が食堂から出ようとして俺らの方を向き退室の挨拶の最中にドアが開いたので不思議そうに振り向く。
「うわっ!今日は黒ばっか!」
「王子がチョコが欲しいって言ってたからその流れでチョコ尽くしよ」
「マジで!?やったぜ!」
「…ウミハラ殿、食事は終わりでは…?」
次々と運ばれてくるチョコを使用したデザートを見ながら王子は困惑したように確認してきた。
「え?そうだよ?」
「…では、コレは…?」
「食後のデザート。だからさっき帰るかどうか確認したじゃん」
「なるほど!食後のデザートか…!そこまで考えが及ばなんだ…!」
王子の問いに俺が説明すると何故か悔しそうに拳を握りながら言う。
「別に食べてけば?いっぱいあるし」
「そうだな!そのお言葉に甘えるとしよう」
「チョコだけにか?」
「私もいただきます!」
「私も」
俺が勧めると王子は賛成し、藤原がボケるもスルーされて女の子二人も元の席へと戻る。
「別に構わねーけど、アレって甘い辛い甘辛い甘くないとか味付けが色々あるぜ?」
「あー…俺は甘い方が良いな」
「私も」
「えー、きんぴらって言ったら甘辛い味でしょ?」
「だよね」
「いや、普通に甘くも辛くもない醤油味だろ。アレ、おかずっつーよりつまみみてーなもんだし」
柴田のリクエストに俺がそう聞き返すとみんなそれぞれ違う意見が出てくる。
「つまみだったら甘辛味だろ。おかずだったら甘い方が良くね?」
「ご飯と一緒に食べるなら甘いより甘辛の方が良くない?」
「…キムチみたいに、辛い方が…美味しかったり…」
「あー、はいはい。じゃあ4種類作るから、それぞれ好きなモンを食うって事で」
なんか段々と言い争いのような雰囲気に変わっていくので俺は丸く収まる案を出してピリピリし始める場を収束させた。
「…食事中だと言うのに賑やかな方達ですこと」
「本当ですわね。ランチの最中にディナーの話など…」
「やめないか」
「「…失礼いたしました」」
お上品にナプキンで口元を拭きながら言う王女にその友達が同意すると王子が諌めるように言い、女の子二人は互いに顔を見合わせて王子に謝罪した。
…そんなこんな俺らはいつも通りワイワイと話しながら食事を続け…
気づけばテーブル上の皿はほとんど空になっている。
「お、そろそろかな」
「…ふう。ご馳走様、大変な美味な食事であった」
「ええ。是非とも専属でお抱えしたいほどの腕前でしたわ」
「感謝いたします」
俺の言葉に食事が終了したと勘違いしたのか王子達が食器を置いて立ち上がりお礼を言い始めた。
「え、もう帰るの?」
「聖女や英雄との食事、という目的は済んだからな」
「「ご馳走様でした」」
俺が確認すると王子は理由を告げて女の子二人が同時に食後の挨拶をする。
「そう?じゃあまたね」
「ああ、妹達の急なワガママを聞いてくれて感謝いたす」
「だとよ」
「あー?俺らに向けたやつだったのか?まあ別に気にしなくても」
「そーそー。俺らに配慮してくれんなら何の問題もねーからな」
王子のお礼の言葉に俺が柴田に振ると適当な感じで返し、藤原も同意するかのように予防線のような事を言う。
「…ではみなさま、私達はこれで……?」
王女が食堂から出ようとして俺らの方を向き退室の挨拶の最中にドアが開いたので不思議そうに振り向く。
「うわっ!今日は黒ばっか!」
「王子がチョコが欲しいって言ってたからその流れでチョコ尽くしよ」
「マジで!?やったぜ!」
「…ウミハラ殿、食事は終わりでは…?」
次々と運ばれてくるチョコを使用したデザートを見ながら王子は困惑したように確認してきた。
「え?そうだよ?」
「…では、コレは…?」
「食後のデザート。だからさっき帰るかどうか確認したじゃん」
「なるほど!食後のデザートか…!そこまで考えが及ばなんだ…!」
王子の問いに俺が説明すると何故か悔しそうに拳を握りながら言う。
「別に食べてけば?いっぱいあるし」
「そうだな!そのお言葉に甘えるとしよう」
「チョコだけにか?」
「私もいただきます!」
「私も」
俺が勧めると王子は賛成し、藤原がボケるもスルーされて女の子二人も元の席へと戻る。
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