クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
上 下
379 / 556

379

しおりを挟む
「おっと…今更だが、支払いは紙幣でも構わないか?」

「いつも報酬は紙幣じゃん。一応金貨何枚相当って言ってはいるけど」

「そうだったな!俺様とした事がついうっかり…では確認を頼む」


王子の確認に俺が前例を挙げて了承すると笑った後に箱の中から紙幣の束をテーブルの上に積み上げていく。


俺はソレを召喚した兵達にレートと合わせての確認をさせた。


「オッケー。ぴったし、まいどあり」

「…実は他にも譲って欲しい物があるのだが」


俺が代金を確認して取引の終了を告げると王子は言いづらそうな感じで別の物を要求し始める。


「ワイン以外に?」

「うむ、この前食べさせて貰った新種の桃とチョコ、それとコッフェの豆を貰いたい」

「桃はいっぱい採って来たから少しぐらいなら問題ないけど、コーヒーの豆はそのまま?それとも粉末のやつ?」

「本当か!粉末だとありがたい!」


俺の問いに王子にしては珍しい物を交渉してくるのでコーヒー豆の状態の確認をすると喜びながら直ぐに淹れられる粉末を選ぶ。


「チョコは…作らないと無いね。どんなのがどれくらい欲しいの?」

「一口で食べられる物が10個ほどあれば」

「形とか味は?」

「任せる」

「オッケー。じゃあ10分待って」

「…待ち時間があるのなら一度アイシェを置いて来たいのだが」

「構わないよ」

「ではまた直ぐに戻って来る」


王子は確認を済ませた後に部下を引き連れてワインを置きに帰って行ったので、俺は兵にチョコを作らせる事に。


「おはよー」

「はよ」

「おはよう」

「お」


どうやらチョコを作り終えると女子達が起きて来たらしく、俺が挨拶を返してると王子が戻って来た。


「?どっか行くの?」

「今モニクァの王子が来ててな」

「え、こんな朝早くから?」

「なんかワインとかチョコとかコーヒー豆とかが欲しいんだと」

「へー」


玄関に向かってると斉藤が尋ねてくるので俺が理由を話すと意外そうに呟く。


「朝食とか食べるかな?」

「誘ったら食うんじゃね?誘ってみるか?」

「あー…うん」


斉藤の疑問に適当に返すと何故かあっちから聞いて来たのに少し考えたように返してくる。


「…はい。コレ」

「おお!ありがたい!値段はいくらだ?」

「えーっと……まあ今日はタダで良いよ。ワインのおまけって事で」


俺が紙袋を渡すと中身を確認した後に代金を尋ねてくるが俺は少し考えた結果、面倒になって今回だけは特別に金を取らない事に。 


「なんだと!?感謝する!」

「でも珍しいね。そんなのを欲しがるなんて」

「う、うむ…急に妹と宰相の娘がココに来ると言うのでな…」

「ふーん?妹って言ったら…王女になるの?」

「我が国では王位の継承権は無いが…そう思ってくれて構わない」

「へー、女だと王になれねーのか…ま、それはさておき。朝食一緒にどう?女子が作ってくれんだと」

「ぜひ!」


俺の疑問に王子が言いづらそうに理由を話すがさして興味が湧かなかったので話を変えて飯に誘うと即諾された。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

初めての異世界転生

藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。 女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。 まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。 このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

【後日談完結】10日間の異世界旅行~帰れなくなった二人の異世界冒険譚~

ばいむ
ファンタジー
剣と魔法の世界であるライハンドリア・・・。魔獣と言われるモンスターがおり、剣と魔法でそれを倒す冒険者と言われる人達がいる世界。 高校の休み時間に突然その世界に行くことになってしまった。この世界での生活は10日間と言われ、混乱しながらも楽しむことにしたが、なぜか戻ることができなかった。 特殊な能力を授かるわけでもなく、生きるための力をつけるには自ら鍛錬しなければならなかった。魔獣を狩り、いろいろな遺跡を訪ね、いろいろな人と出会った。何度か死にそうになったこともあったが、多くの人に助けられながらも少しずつ成長していった。 冒険をともにするのは同じく異世界に転移してきた女性・ジェニファー。彼女と出会い、そして・・・。 初投稿というか、初作品というか、まともな初執筆品です。 今までこういうものをまともに書いたこともなかったのでいろいろと変なところがあるかもしれませんがご了承ください。 誤字脱字等あれば連絡をお願いします。 感想やレビューをいただけるととてもうれしいです。書くときの参考にさせていただきます。 おもしろかっただけでも励みになります。 2021/6/27 無事に完結しました。 2021/9/10 後日談の追加開始 2022/2/18 後日談完結

処理中です...