クラスまるごと異世界転移

八神

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…翌日。


俺は朝早くから家の柵の外側に運動会とかで使われているテントを設置して、広げたブルーシートの上に兵に作らせた剣をとりあえず5本並べて置いた。


「…おっ、なんか武器屋らしくなってんじゃん」

「まあバザーとか露店っぽくもあるけど…剣が置かれてるから武器屋だ、って一目で分かんだろ」


朝食を食べたんであろう藤原と柴田がやって来ると折り畳みの椅子に座りながら店の外見の評価を言い出す。


「…売れれば良いんだけどな」

「あー…まあココで売れなかったら人通りの多いトコに移動した方が良いかもな」


俺の言葉に柴田は微妙そうな顔で提案すると携帯ゲーム機を取り出したので…


とりあえず客が来るまでいつものように野郎三人でゲームを始める。





ーーーーーー






「…ん?なんだ?この剣は売り物か?」

「おっ、客?いらっしゃいませー」


日も昇ってくると人々の往来も増え、冒険者であろう数人の男達が目の前で止まって尋ねて来るので俺はゲームをしながら挨拶した。


「ほう…中々良い感じの剣じゃないか。値段は…なっ…!き、金貨3万枚!?」


男達の一人が剣を取って確かめるように見ながら値段を確認して驚く。


「3万!?…強気だな…」

「確かに性能は良いが、少し高すぎやしないか?」

「一応ソレ、魔鉱石で作られてるからね」


他の男達も驚いて別の剣を手に取って見ながら聞いてくるので俺は材質が普通じゃない事を教える。


「魔鉱石だって!?ホントなのか?」

「魔鉱石?なんだソレ?」

「魔石と似た性質や特性を持つ鉱物の事だ。俺も昔噂に聞いただけで実際には見た事もないシロモノだぞ」

「そんなものが存在したのか…」


男達は魔鉱石について話し合うと疑うような感じで剣を確認し始めた。


「…確かに良く見ると高性能なだけじゃなく、付与効果まで…」

「うむ。このステとエンチャならこの値段でも決して高くはないはず…だが…」

「しかし金貨3万枚相当とは…」


剣をちゃんと確認した結果、値段は妥当だと納得してくれたらしいが…


買うかどうかの決断までには至らないらしく男達はうーんうーん…と悩み出す。


「全く、こんな物もポンと買えない貧乏人だとは…」

「む!我々とて日々の生活がかかっているのだ。装備品だけに金を費やすバカなど居るものか」

「まあそんな貧乏人達向けのサービスがあるよ。『レンタリース』っていうやつ」


10分経っても店前から動かずに悩み続ける男達を馬鹿にすると反論してくるので、俺は武器屋では絶対にやらないであろうサービスを紹介する。


「「レンタ…リース?」」

「なんだそれは?」

「…うーん…分かりやすく言うなら『試し買い』ってトコかな」

「試し買い?」


名前から内容を想像出来なかったのか男達が不思議そうな顔をするのでザックリと話すとやっぱり不思議そうな顔のままだった。
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