クラスまるごと異世界転移

八神

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「おおー、確かに王子の言う通りだ」

「…やはり、炉の火力が高いと作業効率も上がる」

「ルドラ王子!ありがとうございます!こんな貴重な物を…!我々に預けていただけるなんて!これからも誠心誠意精進致します!」


新しく強化された炉を使っての作業を見て俺が感想を言うと王子は満足したように返し、職人のおっさんは胸に手を当てて頭を下げながら感謝の言葉を述べる。


「にしても流石、冶金技術に優れた国の職人だけあってみんな技術力が凄いなー…手際の良さもさることながら作業の効率化とスピードのレベルが高ぇ」

「…ふふっ、ウミハラ殿に褒められるとは、光栄であるな」

「なに、これも兄さんが炉の火力を上げてくれたおかげだ」


俺が褒めると王子もおっさんも嬉しそうに照れながら返す。


「…って事は…アレを青の魔鉱石で強化すれば急速冷却出来るようにならない?」

「…なるほど。それは面白い…やる価値はあると思う」

「んじゃ、早速」


溶かした鉄を冷ますための水槽を指差しながら俺が閃いたアイディアを言うと…


王子が考えながら乗って来るので俺はすぐさま兵に指示して魔法鍛法で鉄製の水槽を軽く改造させる事に。


「…ウミハラ殿にかかれば、魔鉱石の加工やソレを使った強化でさえもこんな簡単に…」


難しいと過小評価してしまったこの前の自分を恥じるばかりだ…と、王子は何故か兵の魔法での作業を見て反省するように呟いた。


「…ん?もしもし?」

「あ、海原今大丈夫?」

「おう。なんだ?」


職人達の新しい炉と水槽を使った作業を確認していると佐藤から電話が。


「ギルが新しい拠点を見たいって言ってるんだけど、お願い出来る?」

「あー…今すぐは無理だな。俺今別んトコで仕事中だし」

「そうなんだ…じゃあ終わったら電話ちょうだい」

「オッケー。でもまああと30分ぐらいでは終わると思うぞ」

「30分かぁ…じゃあなる早でお願い!」


佐藤の要求に俺が難色を示すと妥協してきたので一応予想を伝えると佐藤は少し考えるように催促して電話を切る。


「…用事?」

「まあ…でも急ぎじゃないし」

「大丈夫ならいいんだけど…」

「ドロウィンの王子が新しく作った拠点を見たいって言ってるだけだから、後回しでもへーきへーき」

「…新しい、拠点…?」


ちょっと心配してるような王子に俺が電話の内容を話して楽観的に言うと、王子は驚いたように俺を見ながら確認するように聞く。


「そーそー。この山岳地帯を抜けた…抜けた?とりあえずココの盆地んトコに」

「!?地図が…!?」


柴田と藤原のダンジョンマップを写した地図を見せながら拠点の位置を教えたら、王子は驚愕して俺が見せた地図をガン見した。
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