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「おや、ウミハラ殿。久しぶりですな」
「おう」
「ウミハラ殿、新大陸の方はよろしいのですか?」
「まあね」
「お、兄ちゃんじゃないか」
「え?海原?なんでココに?」
巡回の兵達に挨拶を返しながら城の中へと入ると厨房の前で佐藤と料理長がなにやら話しをしていたが…
料理長が俺に気づくと佐藤も俺の方を向いて尋ねてくる。
「アッチでちょっとよく分からん果物だか木の実だかを採ったから料理長に見せに。お前は?」
「舞踏会とか晩餐会とかにどんな料理を出せば良いか相談に」
「ほー、舞踏会…ねぇ」
俺が用件を言って逆に聞くと、どうやら佐藤も貴族の催しだが行事のようなモノをやるつもりらしい。
「私だって本当はしたくないんだけど…やらなかったらやらなかったで他の貴族達が嫌味とか鬱陶しいから」
「へー、良く分からんがまあ頑張れよ」
「他人事だと思って…」
佐藤の嫌そうな顔での理由の説明に俺が適当に流すと呆れたようにため息を吐かれた。
「実際に他人事だからな。俺らには関係ねーし」
「…はいはい…で、新大陸はどこまで進んだの?やっぱ拠点に出来そうな場所とかは中々見つからない感じ?」
「一応盆地のトコに着いたから今さっき壁を作って簡易的な拠点にしたけど…周りに魔獣が少ないとはいえ、聖石を使ってねーから安全かどうかは分からねぇ」
「うーん…一応後で見に行って良い?」
佐藤は慣れたように流すと新大陸の進捗を聞いて来るので俺が報告すると少し考えた後に確認を取る。
「見に行く分には問題ねーが、俺は一緒に行けねーかもしれんから藤に電話してくれ」
「分かった。じゃ」
俺が予防線を張りながら返すと佐藤は頷いてどっかに歩いて行く。
「…また新しい拠点を作ったのか?」
「まあ…作るだけなら簡単だけど、問題は『ソレを維持出来るかどうか』だからな…最初のトコは聖石のおかげで魔獣が近寄りづらくなってるからかなり安全だとは思うよ」
「ほー、良く分からんが兄ちゃん達が居る間は安全なんだろう?」
「ある程度は」
「って事はまたしても偉業を成し遂げたわけだ!流石に神の名からしたらランクは下がるが、そろそろ『偉人』と呼ばれてもおかしくはないんじゃないか?」
料理長の問いに俺が答えると笑いながらどっかの王子と同じような事を言って弄ってきた。
「呼ばれたとしてどういう扱いになるんだ?何の肩書きも無いし説明に困らね?」
「…うーむ…そう言われてみると…兄ちゃんは冒険者でも職人でも専門家でも無いからな…」
「そもそもそんな事言われて信じる?」
「難しいな!はっはっは!」
俺が否定的に言うと返答に困ったのか料理長は笑ってごまかし始める。
「ま、そんなどーでもいい事はさて置き…コレ。とコレ」
「ほお…チェリーにヤシューの実のようだが…さて…」
俺は流れを変えるために強引に話を打ち切って流し、料理長にアッチで新しく採ったさくらんぼっぽい物とパパイヤっぽい物を渡した。
「おう」
「ウミハラ殿、新大陸の方はよろしいのですか?」
「まあね」
「お、兄ちゃんじゃないか」
「え?海原?なんでココに?」
巡回の兵達に挨拶を返しながら城の中へと入ると厨房の前で佐藤と料理長がなにやら話しをしていたが…
料理長が俺に気づくと佐藤も俺の方を向いて尋ねてくる。
「アッチでちょっとよく分からん果物だか木の実だかを採ったから料理長に見せに。お前は?」
「舞踏会とか晩餐会とかにどんな料理を出せば良いか相談に」
「ほー、舞踏会…ねぇ」
俺が用件を言って逆に聞くと、どうやら佐藤も貴族の催しだが行事のようなモノをやるつもりらしい。
「私だって本当はしたくないんだけど…やらなかったらやらなかったで他の貴族達が嫌味とか鬱陶しいから」
「へー、良く分からんがまあ頑張れよ」
「他人事だと思って…」
佐藤の嫌そうな顔での理由の説明に俺が適当に流すと呆れたようにため息を吐かれた。
「実際に他人事だからな。俺らには関係ねーし」
「…はいはい…で、新大陸はどこまで進んだの?やっぱ拠点に出来そうな場所とかは中々見つからない感じ?」
「一応盆地のトコに着いたから今さっき壁を作って簡易的な拠点にしたけど…周りに魔獣が少ないとはいえ、聖石を使ってねーから安全かどうかは分からねぇ」
「うーん…一応後で見に行って良い?」
佐藤は慣れたように流すと新大陸の進捗を聞いて来るので俺が報告すると少し考えた後に確認を取る。
「見に行く分には問題ねーが、俺は一緒に行けねーかもしれんから藤に電話してくれ」
「分かった。じゃ」
俺が予防線を張りながら返すと佐藤は頷いてどっかに歩いて行く。
「…また新しい拠点を作ったのか?」
「まあ…作るだけなら簡単だけど、問題は『ソレを維持出来るかどうか』だからな…最初のトコは聖石のおかげで魔獣が近寄りづらくなってるからかなり安全だとは思うよ」
「ほー、良く分からんが兄ちゃん達が居る間は安全なんだろう?」
「ある程度は」
「って事はまたしても偉業を成し遂げたわけだ!流石に神の名からしたらランクは下がるが、そろそろ『偉人』と呼ばれてもおかしくはないんじゃないか?」
料理長の問いに俺が答えると笑いながらどっかの王子と同じような事を言って弄ってきた。
「呼ばれたとしてどういう扱いになるんだ?何の肩書きも無いし説明に困らね?」
「…うーむ…そう言われてみると…兄ちゃんは冒険者でも職人でも専門家でも無いからな…」
「そもそもそんな事言われて信じる?」
「難しいな!はっはっは!」
俺が否定的に言うと返答に困ったのか料理長は笑ってごまかし始める。
「ま、そんなどーでもいい事はさて置き…コレ。とコレ」
「ほお…チェリーにヤシューの実のようだが…さて…」
俺は流れを変えるために強引に話を打ち切って流し、料理長にアッチで新しく採ったさくらんぼっぽい物とパパイヤっぽい物を渡した。
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