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「ありがとう」
「くれぐれも王子に粗相がないようにな」
俺は兵士にお礼を言って早速鍛冶屋へと向かった。
「…いらっしゃいませー」
「こっちに王子が居るって聞いて来たんだけど…」
「王子?確かにルドラ第三王子ならウチに来てますけど…」
「ホント?じゃあ王子にコレ、渡してもらえる?」
店員のお姉さんが怪訝そうな顔をするので俺は兵にカウンターに拳大の光る結晶のような鉱石を一つ置かせてお願いする。
「…コレは…?…分かりました」
店員のお姉さんは不思議そうに鉱石を見ると手に取って奥へと引っ込む。
…すると直ぐに王子が奥からやって来た。
「…やはり、ウミハラ殿か…」
「また別んトコで珍しいのを見つけてね。他にも色んな種類があるよ」
「ほう…この兄さんが王子の仰っていた、あの魔鉱石を調達して来た少年でありますか」
俺を見て笑う王子にそう返すと奥からタンクトップ一枚でつなぎを腰に巻いた…筋骨隆々でえらくゴツい身体の職人のようなおっさんが出て来る。
「王子が鍛冶屋に居るって事は…あいつらが言ってたみたいにあの魔鉱石とか魔石で装備とかを作ろうとしてた?」
「ん」
「ルドラ王子にその口の利きようとは…若いというのは恐ろしいものだ」
「アヴィデラ、そなたこそ口の利き方に気をつけろ。本来なら偉人と呼ばれてもおかしくないお方の前だぞ」
「はっ!これは失礼いたしました!」
俺の予想に職人のおっさんがあごひげを触りながら苦い顔でバカにするように言うと…
王子が威厳を放ちながら注意し、おっさんはその場で片膝を着いて謝り出す。
「いや、偉人とかやめてくれ。普通に恥ずかしいし」
あいつらに聞かれたらなんて弄られるか…と、俺は王子の発言を拒否するように返した。
「…ウミハラ殿がそう言うなら…面を上げてよし」
「はっ!寛大な措置、感謝いたします!」
「んで、装備はどんな感じになったの?」
王子が許可を出すとおっさんがお礼を言いながら立ち上がるので俺は疑問を尋ねる。
「…まだ完成してない」
「あー、そっか。加工させるための前段階があったっけ」
「…それが一番、大変」
「準備段階が一番手間と時間がかかるなんて職人からしたら嫌そうだな、魔鉱石を扱うのは」
「いや、そうでもない。自分の納得のいく物が作れるのならば時間と手間を惜しんではいられない」
王子の返答に俺が鍛冶屋の職人を哀れむように言うとおっさんに否定されてしまった。
「へー、立派な心がけだ事で。いや、職人としてのプライドか」
「…魔鉱石の加工は、流石のウミハラ殿でも難しいと思うから…やっぱり職人の手を借りないと」
「まあ職人は大事にしないとな。居ないと困るし、新しい技術を次々と生み出してくれると俺も助かるし」
王子にちょっと舐められてるっぽいが訂正するのも面倒なので俺は職人を褒めて話を終わらせる。
…そのあと直ぐに王宮へと向かい、王子の部屋に案内され…
新しく採った光る鉱石の調査や解析をお願いしていくつか渡してワウシャープの家へと帰宅。
そして藤原に電話して今度は王都の移動拠点へと移動し、料理長に会うために俺は城へと向かった。
「くれぐれも王子に粗相がないようにな」
俺は兵士にお礼を言って早速鍛冶屋へと向かった。
「…いらっしゃいませー」
「こっちに王子が居るって聞いて来たんだけど…」
「王子?確かにルドラ第三王子ならウチに来てますけど…」
「ホント?じゃあ王子にコレ、渡してもらえる?」
店員のお姉さんが怪訝そうな顔をするので俺は兵にカウンターに拳大の光る結晶のような鉱石を一つ置かせてお願いする。
「…コレは…?…分かりました」
店員のお姉さんは不思議そうに鉱石を見ると手に取って奥へと引っ込む。
…すると直ぐに王子が奥からやって来た。
「…やはり、ウミハラ殿か…」
「また別んトコで珍しいのを見つけてね。他にも色んな種類があるよ」
「ほう…この兄さんが王子の仰っていた、あの魔鉱石を調達して来た少年でありますか」
俺を見て笑う王子にそう返すと奥からタンクトップ一枚でつなぎを腰に巻いた…筋骨隆々でえらくゴツい身体の職人のようなおっさんが出て来る。
「王子が鍛冶屋に居るって事は…あいつらが言ってたみたいにあの魔鉱石とか魔石で装備とかを作ろうとしてた?」
「ん」
「ルドラ王子にその口の利きようとは…若いというのは恐ろしいものだ」
「アヴィデラ、そなたこそ口の利き方に気をつけろ。本来なら偉人と呼ばれてもおかしくないお方の前だぞ」
「はっ!これは失礼いたしました!」
俺の予想に職人のおっさんがあごひげを触りながら苦い顔でバカにするように言うと…
王子が威厳を放ちながら注意し、おっさんはその場で片膝を着いて謝り出す。
「いや、偉人とかやめてくれ。普通に恥ずかしいし」
あいつらに聞かれたらなんて弄られるか…と、俺は王子の発言を拒否するように返した。
「…ウミハラ殿がそう言うなら…面を上げてよし」
「はっ!寛大な措置、感謝いたします!」
「んで、装備はどんな感じになったの?」
王子が許可を出すとおっさんがお礼を言いながら立ち上がるので俺は疑問を尋ねる。
「…まだ完成してない」
「あー、そっか。加工させるための前段階があったっけ」
「…それが一番、大変」
「準備段階が一番手間と時間がかかるなんて職人からしたら嫌そうだな、魔鉱石を扱うのは」
「いや、そうでもない。自分の納得のいく物が作れるのならば時間と手間を惜しんではいられない」
王子の返答に俺が鍛冶屋の職人を哀れむように言うとおっさんに否定されてしまった。
「へー、立派な心がけだ事で。いや、職人としてのプライドか」
「…魔鉱石の加工は、流石のウミハラ殿でも難しいと思うから…やっぱり職人の手を借りないと」
「まあ職人は大事にしないとな。居ないと困るし、新しい技術を次々と生み出してくれると俺も助かるし」
王子にちょっと舐められてるっぽいが訂正するのも面倒なので俺は職人を褒めて話を終わらせる。
…そのあと直ぐに王宮へと向かい、王子の部屋に案内され…
新しく採った光る鉱石の調査や解析をお願いしていくつか渡してワウシャープの家へと帰宅。
そして藤原に電話して今度は王都の移動拠点へと移動し、料理長に会うために俺は城へと向かった。
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