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「…もう起きてたんだ。元気そうだな」
「ははは、料理人たる者体力第一。何日も徹夜で新作料理の開発なんて珍しくもないからな」
「マジか…睡眠って結構大事だよ?」
「睡眠は時間じゃなく質だろう?質さえ高ければ寝てる時間は問題じゃない。3時間でも5時間でも十分だ」
「そんなもんかね」
「そんなもんだ。タイムイズマネーってやつよ」
俺は料理長と雑談しながら地下のワインセラーへと向かう。
「…とりあえずあのジュースは飲んどいた方が良いんじゃない?」
「そうだな。あの姉ちゃんにも寝る前と寝起きに飲むよう言って渡したが…」
「いやー、下手したら夕方まで起きて来ないと思うけど」
「かもな」
ワインセラーの部屋の中で柴田と藤原が飲んだジュースが入ってるタルの蛇口をひねってコップに注いで料理長に渡し、俺もコップに注いで一気に飲む。
…それから2日後。
拠点内に簡易的な建物がどんどん出来始め…
職人や職員達の慰安だかなんだかでドロウィンからアイドルグループのような応援隊みたいなのがやって来た。
「こんな世界にもアイドルなんて居るんだな」
「な。意外だよな」
即席で作られたステージ上で歌って踊る女の子達を見ながら柴田が意外そうに呟くと藤原も賛同する。
「…こーゆーアイドルを見てるとお嬢を思い出すな…元気かな…」
「お嬢?」
「どっかの令嬢か?」
俺がアイドル達を見ながら懐かしむようにしんみりと呟くと柴田と藤原が不思議そうに聞いて来た。
「いや、元アイドル。…いや、一応『今も』か」
「どっちだよ」
俺の曖昧な言葉に柴田が笑いながらツッコむ。
「そうだな、お前らにも分かるように言うなら…芸名が確か『立花 雪乃』だったハズ」
「立花雪乃ぉ?誰だソレ」
「立花雪乃……ユキリンか!あの!」
俺が少し考えて話すと柴田は怪訝そうな顔で返し、藤原は少し考えて思い出したかのように確認を取る。
「藤知ってんの?」
「そりゃおめー有名よ。ソロで全国ドームツアーして、しかも満員で埋めたアイドルだぞ」
「へー」
「確か、俺らと同い年だったハズだけど…なんかあって消えたんだよな」
なんだったっけ…?と、藤原は柴田に説明して思い出すように首を傾げた。
「枕営業を断りまくった挙句、ブチ切れてバラしまくったから芸能界から干されたんだよ」
「あー!そういやあったな!そんなの!」
「だった、だった。思い出したわ…アレは中々の衝撃だったな」
「おかげで今は落ちぶれた、売れない『女子高生アイドル』って言われてっからな」
俺が教えると柴田が思い出したように声を上げて藤原も思い出したように言うのでお嬢の現状を告げる。
「全盛期は凄かったのにな。子役からアイドルグループになってからのソロデビューだし」
「ってか意外とお前ら詳しいな。俺あんまりアイドルとか興味無かったのに…」
「そりゃ幼馴染だからな。小学校から中学卒業まで一緒だったし」
「「マジで!?」」
藤原の説明に柴田が意外そうに返すので俺が詳しい理由を話すと二人同時に驚く。
「ははは、料理人たる者体力第一。何日も徹夜で新作料理の開発なんて珍しくもないからな」
「マジか…睡眠って結構大事だよ?」
「睡眠は時間じゃなく質だろう?質さえ高ければ寝てる時間は問題じゃない。3時間でも5時間でも十分だ」
「そんなもんかね」
「そんなもんだ。タイムイズマネーってやつよ」
俺は料理長と雑談しながら地下のワインセラーへと向かう。
「…とりあえずあのジュースは飲んどいた方が良いんじゃない?」
「そうだな。あの姉ちゃんにも寝る前と寝起きに飲むよう言って渡したが…」
「いやー、下手したら夕方まで起きて来ないと思うけど」
「かもな」
ワインセラーの部屋の中で柴田と藤原が飲んだジュースが入ってるタルの蛇口をひねってコップに注いで料理長に渡し、俺もコップに注いで一気に飲む。
…それから2日後。
拠点内に簡易的な建物がどんどん出来始め…
職人や職員達の慰安だかなんだかでドロウィンからアイドルグループのような応援隊みたいなのがやって来た。
「こんな世界にもアイドルなんて居るんだな」
「な。意外だよな」
即席で作られたステージ上で歌って踊る女の子達を見ながら柴田が意外そうに呟くと藤原も賛同する。
「…こーゆーアイドルを見てるとお嬢を思い出すな…元気かな…」
「お嬢?」
「どっかの令嬢か?」
俺がアイドル達を見ながら懐かしむようにしんみりと呟くと柴田と藤原が不思議そうに聞いて来た。
「いや、元アイドル。…いや、一応『今も』か」
「どっちだよ」
俺の曖昧な言葉に柴田が笑いながらツッコむ。
「そうだな、お前らにも分かるように言うなら…芸名が確か『立花 雪乃』だったハズ」
「立花雪乃ぉ?誰だソレ」
「立花雪乃……ユキリンか!あの!」
俺が少し考えて話すと柴田は怪訝そうな顔で返し、藤原は少し考えて思い出したかのように確認を取る。
「藤知ってんの?」
「そりゃおめー有名よ。ソロで全国ドームツアーして、しかも満員で埋めたアイドルだぞ」
「へー」
「確か、俺らと同い年だったハズだけど…なんかあって消えたんだよな」
なんだったっけ…?と、藤原は柴田に説明して思い出すように首を傾げた。
「枕営業を断りまくった挙句、ブチ切れてバラしまくったから芸能界から干されたんだよ」
「あー!そういやあったな!そんなの!」
「だった、だった。思い出したわ…アレは中々の衝撃だったな」
「おかげで今は落ちぶれた、売れない『女子高生アイドル』って言われてっからな」
俺が教えると柴田が思い出したように声を上げて藤原も思い出したように言うのでお嬢の現状を告げる。
「全盛期は凄かったのにな。子役からアイドルグループになってからのソロデビューだし」
「ってか意外とお前ら詳しいな。俺あんまりアイドルとか興味無かったのに…」
「そりゃ幼馴染だからな。小学校から中学卒業まで一緒だったし」
「「マジで!?」」
藤原の説明に柴田が意外そうに返すので俺が詳しい理由を話すと二人同時に驚く。
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