クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
上 下
336 / 556

336

しおりを挟む
「忙しい中悪いね。兵に手伝わすから余裕が出来たらちょっと良い?」

「俺に用か?分かった。ちょっと待ってろ」


俺が兵を10体召喚して手伝わさせると料理長は兵の一人に料理の引き継ぎを始めた。


「いやー、料理の引き継ぎを出来るなんて便利なやつらだぜ。おかげで直ぐに時間が取れる」

「突然来て悪いね。ちょっと珍しいモンを手に入れたから料理長に見て貰いたくて」

「珍しい物?」

「コレとコレ」

「なっ…!?光る…ブドウだと!?」


持ち場から離れて俺の所に来た料理長にもう一度謝ってからアッチで手に入れた桃のような果物と発光するブドウを見せると、料理長はブドウを見た瞬間に驚愕した。


「あ、やっぱ珍しいんだ。俺らは初めて見たから」

「…俺も初めて見た…どこでソレを?」

「新大陸の森の中」

「新大陸!?…そうか。そういや兄ちゃん達は新大陸で偉業を成し遂げたんだったな」


俺の言葉に料理長も同意しながら聞いて来るので採った場所を教えると驚いた後に納得する。


「偉業?」

「新大陸に安全地帯を作ったんだろ?今王様や王子達はその拠点の開発にてんやわんやで寝る間も無いほど忙しいらしいぞ」

「へー、ご苦労な事で」

「ははっ。俺たちにとっては偉業でも兄ちゃん達にとっては取るに足らない作業の一つか」


俺が疑問を聞くとあの拠点関連でお偉いさん達が忙しいらしいが俺には関係ないので適当に流すと料理長も笑って流すように言う。


「とりあえずコレ、食べれると思う?」

「どれ…匂いは良いな。洗って皮を剥いてみるか」


ブドウのような果物を一房と桃のような果物を渡すと料理長は匂いを嗅いだ後に水で洗って小さい包丁で皮を剥き始めた。


「…中身は問題無いな。種が無いのが気になるが…まあそういう品種か?」


果物の皮を剥いた後に一口大にカットしながら不思議そうに呟くも、切った果物を皿に入れる。


「とりあえず中に変なモノは入って無さそうだ。味見してみよう」

「お、ありがと。…美味っ!なにコレ!?甘いし溶けるしジューシーだし、ヤバっ!」

「…凄いな。こんな果物が…!」


桃のような果物を一切れ食べるとまるで完熟マンゴーのような美味さに俺はつい驚いて声を上げ、料理長も同じのを食べた後に驚く。


「すっげ!完熟のマンゴーと完熟のメロンを足したような美味さだな!」

「…このブドウも食べてみろ。凄いぞ」

「…うわ~お。光ってるヤツは溶けるように甘くて美味いし、光ってないヤツは弾力があって果汁が凄くて甘酸っぱくて美味いな!」

「…なあ、兄ちゃん。このブドウでアイシェを作ってみないか?」


美味い美味い!と二人で食べて皿が空になると料理長が閃いたように提案してきた。


「いいねいいね。ブドウは結構大量に採って来たから色々試せるし」

「マジか!よし、早速あの姉ちゃんを呼んで作業開始だ!」


俺は料理長の提案に乗って地下室へと移動し、柴田に電話して戻るのが遅くなる事を伝える事に。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

(本編完結)家族にも婚約者にも愛されなかった私は・・・・・・従姉妹がそんなに大事ですか?

青空一夏
恋愛
 私はラバジェ伯爵家のソフィ。婚約者はクランシー・ブリス侯爵子息だ。彼はとても優しい、優しすぎるかもしれないほどに。けれど、その優しさが向けられているのは私ではない。  私には従姉妹のココ・バークレー男爵令嬢がいるのだけれど、病弱な彼女を必ずクランシー様は夜会でエスコートする。それを私の家族も当然のように考えていた。私はパーティ会場で心ない噂話の餌食になる。それは愛し合う二人を私が邪魔しているというような話だったり、私に落ち度があってクランシー様から大事にされていないのではないか、という憶測だったり。だから私は・・・・・・  これは家族にも婚約者にも愛されなかった私が、自らの意思で成功を勝ち取る物語。  ※貴族のいる異世界。歴史的配慮はないですし、いろいろご都合主義です。  ※途中タグの追加や削除もありえます。  ※表紙は青空作成AIイラストです。

女神の代わりに異世界漫遊  ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~

大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。 麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。 使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。 厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒! 忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪ 13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください! 最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^ ※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!  (なかなかお返事書けなくてごめんなさい) ※小説家になろう様にも投稿しています

もふもふ大好き家族が聖女召喚に巻き込まれる~時空神様からの気まぐれギフト・スキル『ルーム』で家族と愛犬守ります~

鐘ケ江 しのぶ
ファンタジー
 第15回ファンタジー大賞、奨励賞頂きました。  投票していただいた皆さん、ありがとうございます。  励みになりましたので、感想欄は受け付けのままにします。基本的には返信しませんので、ご了承ください。 「あんたいいかげんにせんねっ」  異世界にある大国ディレナスの王子が聖女召喚を行った。呼ばれたのは聖女の称号をもつ華憐と、派手な母親と、華憐の弟と妹。テンプレートのように巻き込まれたのは、聖女華憐に散々迷惑をかけられてきた、水澤一家。  ディレナスの大臣の1人が申し訳ないからと、世話をしてくれるが、絶対にあの華憐が何かやらかすに決まっている。一番の被害者である水澤家長女優衣には、新種のスキルが異世界転移特典のようにあった。『ルーム』だ。  一緒に巻き込まれた両親と弟にもそれぞれスキルがあるが、優衣のスキルだけ異質に思えた。だが、当人はこれでどうにかして、家族と溺愛している愛犬花を守れないかと思う。  まずは、聖女となった華憐から逃げることだ。  聖女召喚に巻き込まれた4人家族+愛犬の、のんびりで、もふもふな生活のつもりが……………    ゆるっと設定、方言がちらほら出ますので、読みにくい解釈しにくい箇所があるかと思いますが、ご了承頂けたら幸いです。

~クラス召喚~ 経験豊富な俺は1人で歩みます

無味無臭
ファンタジー
久しぶりに異世界転生を体験した。だけど周りはビギナーばかり。これでは俺が巻き込まれて死んでしまう。自称プロフェッショナルな俺はそれがイヤで他の奴と離れて生活を送る事にした。天使には魔王を討伐しろ言われたけど、それは面倒なので止めておきます。私はゆっくりのんびり異世界生活を送りたいのです。たまには自分の好きな人生をお願いします。

枯れ専侯爵令嬢、自ら婚約破棄! ー元勇者の男爵様に、メイドとして一生仕えますわ!ー

椎名 富比路
ファンタジー
 貴族のガキと結婚させられそうになった令嬢は、婚約を破棄して家出! 地位の高い身分も捨てた。  引退して爵位を受けた元勇者の屋敷に押しかける。  コワモテ執事の試練を受けて、見事メイドの資格を得る。  だが、魔王復活を目論む魔族が、容赦なく男爵に襲いかかる。  男爵を妬む貴族共が、闇の勢力に手を貸したのだ。  許せねえ! まとめて始末《オシオキ》してやる!  魔女と契約し、令嬢は戦闘マシーンに!  果たして、ヘンタイ令嬢は老紳士のハートを射止めることはできるか?  アルファポリス ファンタジー小説賞 応募作品 「ワタクシ、勇者様専用の●器になりますわ!」「兵器に、だよな?」

異世界で等価交換~文明の力で冒険者として生き抜く

りおまる
ファンタジー
交通事故で命を落とし、愛犬ルナと共に異世界に転生したタケル。神から授かった『等価交換』スキルで、現代のアイテムを異世界で取引し、商売人として成功を目指す。商業ギルドとの取引や店舗経営、そして冒険者としての活動を通じて仲間を増やしながら、タケルは異世界での新たな人生を切り開いていく。商売と冒険、二つの顔を持つ異世界ライフを描く、笑いあり、感動ありの成長ファンタジー!

どうぞ二人の愛を貫いてください。悪役令嬢の私は一抜けしますね。

kana
恋愛
私の目の前でブルブルと震えている、愛らく庇護欲をそそる令嬢の名前を呼んだ瞬間、頭の中でパチパチと火花が散ったかと思えば、突然前世の記憶が流れ込んできた。 前世で読んだ小説の登場人物に転生しちゃっていることに気付いたメイジェーン。 やばい!やばい!やばい! 確かに私の婚約者である王太子と親しすぎる男爵令嬢に物申したところで問題にはならないだろう。 だが!小説の中で悪役令嬢である私はここのままで行くと断罪されてしまう。 前世の記憶を思い出したことで冷静になると、私の努力も認めない、見向きもしない、笑顔も見せない、そして不貞を犯す⋯⋯そんな婚約者なら要らないよね! うんうん! 要らない!要らない! さっさと婚約解消して2人を応援するよ! だから私に遠慮なく愛を貫いてくださいね。 ※気を付けているのですが誤字脱字が多いです。長い目で見守ってください。

異世界召喚失敗から始まるぶらり旅〜自由気ままにしてたら大変なことになった〜

ei_sainome
ファンタジー
クラスメイト全員が異世界に召喚されてしまった! 謁見の間に通され、王様たちから我が国を救って欲しい云々言われるお約束が…始まらない。 教室内が光ったと思えば、気づけば地下に閉じ込められていて、そこには誰もいなかった。 勝手に召喚されたあげく、誰も事情を知らない。未知の世界で、自分たちの力だけでどうやって生きていけというのか。 元の世界に帰るための方法を探し求めて各地を放浪する旅に出るが、似たように見えて全く異なる生態や人の価値観と文化の差に苦悩する。 力を持っていても順応できるかは話が別だった。 クラスメイトたちにはそれぞれ抱える内面や事情もあり…新たな世界で心身共に表面化していく。 ※ご注意※ 初投稿、試作、マイペース進行となります。 作品名は今後改題する可能性があります。 世界観だけプロットがあり、話の方向性はその場で決まります。 旅に出るまで(序章)がすごく長いです。 他サイトでも同作を投稿しています。 更新頻度は1〜3日程度を目標にしています。

処理中です...