クラスまるごと異世界転移

八神

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「お。なんか湖みたいなのがあんな」

「森の憩いの場かなんかか?」


偵察兵達の情報を元に魔獣の集団を避けながら進んでいると森の中心部っぽい拓けた場所に出て…


なんか大きなサイのような魔獣や腕が8本ある強そうな魔獣とかが居たがスキルの連携で隔離して俺らは湖へと近づいた。


「ほー、やっぱこういう所の水は綺麗だな」

「でもなんか光ってね?実は聖水とかだったりして」

「ソレなら魔獣は近づかねーだろ。…ちょっと調べてみるか」


透明度が高くチカチカ光っている水を見ながら柴田が言い、藤原が予想しながら返すので俺は否定的に返して兵を召喚する。


「…マジか…この水、全部霊水だ…」

「「『霊水』?」」


俺が兵に聖水か否かを調べさせると意外な結果が出たので驚きながら言うと柴田と藤原が不思議そうに聞いてきた。


「万能薬の元になる水よ。教会が卸してんだけど、作るのにえらい手間と時間がかかるやつ」

「万能薬っつったら全状態異常を解除する薬だろ?」

「アレ確か金貨1000枚もする高級品だったよな?」


俺の説明に柴田と藤原が思い出すように言う。


「霊水じゃ状態異常は治らないけど病気は治るとか言われてるし、かなりの貴重品だぞ」

「マジで?」

「とりあえず取れるだけ取ってこうぜ」


俺は湖の水を採るために旗を取り出して聖水を流し込み、地面に設置した。


「…多分30分ぐらいはかかるかも知れん。藤、柴周りを見張っててくれ」

「オッケー。さっきの魔獣は適当に放り投げてくるわ」


俺の兵を召喚しながらのお願いに藤原は了承すると柴田と共に森の中へと入って行く。


…そして作業する事、約30分後。


「よしオッケー。んじゃ行くか」

「おう」

「意外と早かったな」


何個目かの大型のタイヤ付きの桶のような箱を兵士と共に別の家に送り…


1/3ぐらいまで減った湖を見ながら俺が言うと少し早めの昼飯を食っていた藤原と柴田が折り畳みの椅子から立ち上がる。


「…ん?まだいっぱい残ってっけど、いいのか?」

「霊水になる条件が分からんからな、流石に枯れさせるわけにはいかんだろ。一回でも枯れたら終わりかもしれんし」

「あー…なるほどね」

「ちゃんと考えてんだな。俺だったら『ラッキー』って全部取り尽くすわ」


旗を回収すると柴田が湖の中を見ながら聞いてくるので俺が理由を話すと納得し、藤原は意外そうに返す。


「まあ取り尽くしても問題無いとは思うぜ?また別の場所が見つかる可能性だってあるしな」

「…でも良く考えたら『霊水の湧く泉』ってダンジョンっぽくね?」

「確かにセーブポイントがありそうな名前だな」


俺がフォローすると藤原は何か思いついたように返して柴田が賛同する。
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