クラスまるごと異世界転移

八神

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「…あー、人道とか倫理、道徳に反する研究はあったな」

「マジ?」

「ソレって聞いてもいいやつなの?ってか話せる内容なのか?」


俺が思い出しながら言うと柴田と藤原は驚きながらも好奇心を抑えられないような反応になる。


「話すだけなら問題ねーぜ。別に証拠があるワケじゃねーし、お前らが周りに広めても俺が『アイツら嘘や妄想の話をマジで信じやがった』って言えば都市伝説とか陰謀論に落ち着くだけだしな」

「…そのレベルでやべーヤツなのかよ…」

「そんなん言われたら逆にめっちゃ興味湧くヤツじゃねーか!どんな研究よ?」


俺の許可に柴田はちょっとビビったように呟くが藤原は更に好奇心に火が点いたように聞く。


「流石にどこの国の研究かは言えねーけど、トルツじゃ無いって事は先に言っとく」

「…ホントか?」

「実はミスリードで…的な展開になるヤツじゃねーの?それだと」

「その研究も魔法を使ったヤツだからな。トルツのと似た感じだから誤解されないように」

「あー、なるほどね」

「確かに俺らん中では『魔法の研究=トルツ』ってなってからな…」


俺が予防線を張るように釘を刺すも二人は疑うので、補足するように説明すると納得した。


「魔法を使った研究ってのは世界各国どこでもやってるぜ?まあ普通に軍事関連でだけど」

「こんな世界だったらソレが普通じゃね?」

「『魔法で生活水準を上げよう』なんて思う事はあってもガチのマジで本気になってまで考えたのはトルツのあの王子ぐらいのモンだろ」


ちょっとした誤解を解こうと思って説明したが、どうやら俺の思い過ごしだったようで…逆に俺の勘違いだったようだ。


「まあそういうワケで『魔法で人体を強化する』ってのもあるわけよ。この前俺が腕立ての勝負に使ってたヤツ」

「あー…魔法の力で無理やり身体を動かすやつね」

「そーそー、アレは魔法操術ってヤツで…アレを使うと自分の体はもちろんのこと他人の体も勝手に動かす事が出来る」

「「マジで!?」」


俺の過去の例を挙げての説明に藤原が思い出したように言うので更に詳細を話すと二人の驚きの反応が被る。


「おう。だけど問題は難易度だな…俺は応用魔法のおかげで余裕で使えるが、普通にやると雷魔法での攻撃と変わらねーし」

「はー…その応用魔法って読んで字のごとく応用の幅がすげーな」

「ってか他人の身体を勝手に動かすってソレ…死体とかでも出来んの?」

「よゆーよゆー。生きてる人間に使うよりよっぽど楽やわ」


俺が欠点を話すと藤原が感心したように言い、柴田は何かを思いついたように聞いてくるので軽い感じで肯定した。


「…いや、確かに人道に反してるわ。ゾンビアタックは反則だろ」

「まあソレはどちらかっつーと偶然だな。さっき言った通り研究の本筋は『人体の強化』なワケで」

「人体の強化からどうやったらゾンビにまで行くんだよ」

「簡単よ。脳を操るトコから入って『あれ?コレ…人為的に指先とか動かせるんじゃね?』からの発展系」

「…待て待て待て!ちょっと待て、え?『脳を操る』?」


藤原と柴田の軽いツッコミに俺がそうなった経緯を話すと二人は足を止めて藤原がツッコミながら疑問を尋ねる。


「動体視力とか反射神経、反応速度とかを強化するためにな」

「…人体の強化ってったら普通は力とか速さとかを上げるバフだろ?」


俺の解説に柴田が歩き出しながら怪訝そうな顔で疑問を聞く。
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