クラスまるごと異世界転移

八神

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「…アレ普通にやったら絶対一カ月以上はかかるだろ。そんなのがこんな半日で終わるとか…今更ながら魔法のチート性能にびっくりよ」

「パーティ組んでた時は『魔法って遠距離から攻撃できて高威力で便利だなー』ぐらいにしか思わなかったのに、まさかこんな反則的なモンだとか…こんなん普及したら機械要らずで文明が発達しなくね?」

「ソレはソレで『魔法文化』だとか『魔法文明』ってなるんじゃね?知らんけど」


実際に魔法での作業を見たのは初めてだったのか、柴田と藤原が衝撃を受けて興奮した様子で語ってくるが…


俺にとっては当たり前の事なので軽く受け流す。


「おおー…『魔法文明』か…!なんかいいな。カッコ良くね?」

「ロマンを感じるな。こう…少年心をくすぐられるっつーか」

「んじゃ、俺はとりあえず安全な拠点が出来たって事で一応佐藤に電話しとくわ」


藤原と柴田が盛り上がってる側で俺は現状の進捗状況をパトロンである佐藤に報告する事にした。


「…もしもし?」

「俺だけど、とりあえず拠点は完成した」

「拠点?…テントかなにか?」

「まあそんなモンだ。一応報告しとこうと思ってな」


佐藤に用件を伝えると不思議そうに聞き直すので俺は適当に肯定する。


「へー、ちょっと見に行って良い?冒険者とか旅人のテントってどんなものかちょっと気になってて…」

「別に構わんが…藤、佐藤がココに来たいっつってるけど」

「ああ、別に良いんじゃね?」

「オッケーだと。移動拠点に着いたらワン切りしてくれ」

「分かった!直ぐ行く!」


佐藤の提案に俺が藤原に聞くと了承するのでそう返して指示するとテンション高めに返事をして電話を切った。


「…そういやアイツ何しに来るんだ?」

「冒険者とかのテントが見たいんだと」

「はあ?良く分かんねーな…」


藤原が少し考えて疑問に思った事を聞いて来るので佐藤の用件を話すと柴田はその考えが理解出来ないように呟く。


「キャンプにでも憧れてんじゃね?」

「あー…」

「まあ気持ちは分からんでもないな」


俺の適当な説明に柴田と藤原は納得したように返した。


「…お。清水も一緒かよ…藤」

「おう」

「わっ…あ、へー!拠点ってこのテントの事?」

「うわっ!すごっ…!なんか本格的なキャンプみたいじゃん!」


いいなー、楽しそう!と、清水は俺らが座ってる椅子やテーブル…テントや簡易調理設備とかを見ながら羨ましそうに言う。 


「いや、一応俺ら遊びに来てるわけじゃねーからな?」

「それは分かってるけど…そういや結局作った聖水は周りにばら撒いたの?」

「そんな勿体ねー事するかよ。心霊スポットみたいな場所ならともかく」

「えー…ってかそもそも聖水が作れそうな水とか無くない?全部瓶詰めした?」


柴田のツッコミに清水は周りを見ながら聞いてくるので俺が否定すると佐藤も周りを見ながら疑問を尋ねてくる。


「まあ聖水用の水は離れた場所に用意したからな」

「あ、そうなんだ」

「大量に作ったおかげで余りも少なかったし」

「…え?どーゆー事?何かに使ったの?」


俺が答えると佐藤は納得したように返し、予想通りだった事を言うと清水が理解出来てない感じで不思議そうに聞いてきた。
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