クラスまるごと異世界転移

八神

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「国から報酬とか出ねーの?まさか慈善活動でタダ働き…的な?」

「いやいや、ちゃんと補助金っつー名目で報酬は出るに決まってんだろ。だから俺が表立って報酬を渡すとややこしくなるから袖の下ってワケよ」

「…国から出るんなら海が渡す必要無くね?」


藤原が誤解するような事を言うので訂正しながら話すと柴田が不思議そうに聞く。


「普通ならな。でも今回のは色んな宗教の人達が集まったワケじゃん?ソレって中々の異常事態なワケよ」

「そうなのか?」

「まあ確かに崇めてる神が違うワケだしな」

「しかも宗教や宗派によって教えも方法も違う人達が呉越同舟みたいにやるから『無理言ってすいません』って事で迷惑料的なのを払う必要が出るわけだ」

「へー…なんか結構大変なんだな」

「な」


俺の説明と解説を聞いて柴田と藤原は適当な感じで納得したように返した。


「教会の信用とか信頼を無くすと色々と面倒だからな…仲は良くないクセに横の繋がりはすげーから悪評が一気に広まるらしいし」

「ほー、お前がそんな面倒な事をやるって相当だな」

「まあコレが一番手間暇かからない手っ取り早い方法だからな」

「んで、いくら渡したんだ?」


俺がため息を吐いてデメリットの部分を話すと柴田が意外そうに言い、藤原は指で金のポーズをしながらワイロの金額を聞いてくる。


「一つの国に金貨10万…まあ1000万ぐらいだな」

「「1000万!!?」」


俺の円換算での返答に柴田と藤原は同時に驚く。


「5人居たから一人あたり200万ぐらいか?アッチがちゃんと分配してればだけど」

「いやいやいや!そんなかかんの!?」

「一つの国に、って事は全部で6000万!?」


俺が予想して補足すると柴田がツッコミ、藤原は合計金額を計算して声を上げる。


「こういうのは最初が肝心だからな。印象を良くするためにドカンと金をケチらず渡すのが一番よ」

「いやいや!それにしたって結構な大金じゃね!?」

「そんな渡さないといけないとか…教会のお偉いさん達やべー…」


俺の理由の説明に柴田は納得出来ないかのようにツッコむも藤原は聖職者達の立場を再認識したように呟いた。


「と言っても最初だけだし、次からは渡す額が100万とかでも別に問題ねーぜ?」

「…1000万って聞いた後だから安く思えるけど、ギルドのAランクでも50万と考えると高くねー?」

「いや、良く考えたらAランクと言え報酬が50万ってのも大概だな。円にすると高く思えるわ」


二人に誤解されないよう俺が円換算での説明をすると柴田は微妙な顔で確認し、藤原も微妙な顔で考えながら言う。


「ドル計算の100倍だからな。桁がそれだけ違えば受ける印象も全然違うし…数字のマジックってやつだ」

「うーむ…確かにびっくりする感じで言えばマジックっぽい気がする」

「海、お前よくそんなセンスのある言葉を思いつくな」

「やっぱり漫画の知識は偉大ってことよ」


藤原の意見に賛同しながら言うと柴田が考えるように同意し、藤原が褒めてくるので俺は自分のコメカミを指で叩きながらドヤ顔で返した。
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