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…翌日。
「藤、頼みがあんだが」
「頼み?なんだ?」
「なんかあんのか?」
朝食後に俺が話を切り出すと藤原は柴田との話し合いを切り上げて用件を聞き、柴田も食いついてきた。
「ちょいとやりたい事があってな。人の移動が多いからこき使う事になるかもしれん」
「まあそれぐらいなら問題ねーぜ」
「柴、念のために藤の護衛頼めるか?」
「オッケー。ゲームでもして待ってるわ」
「じゃあちょっくら行って来るわ。頼む」
「お~う」
内容をボカしながら言うも普通に了承してくれたので一応柴田にも頼み、俺は藤原とのスキルの連携でドロウィンの王都へと移動する。
「あ、来た」
「悪いな、こんな朝早くに」
「なに、新大陸の拠点作りの手伝いと聞けば悠長に寝てもいられないさ」
「支援は惜しまないと言った手前協力を渋るワケにはいかんからな」
「…しかし、出発した昨日の今日でココに戻って来られるのが、凄い…」
城門の前で待ってた佐藤や他国の王子達に手を上げて挨拶しながら謝るも王子達は特に気にしてないように返す。
「じゃあ行こうか。佐藤、頼んだぜ」
「うん。昨日電話で言ってた通り大司教とか神父とかとりあえず位の高い聖職者を集めれば良いんでしょ?」
「おう」
王子達を国へと返すために俺が仕切って佐藤に声をかけると用件の内容を確認してくるので短く返して移動拠点へと向かった。
「流石にみんなを一気に、だと藤の負担になるから一人ずつ入ってね」
「分かった」
俺は移動拠点の中に入る前に注意事項を話してから藤原に電話してスキルの連携で王子達をそれぞれの国にある家へと送って行く。
「藤ありがとよ。つっても本当に面倒なのはこれからだけど」
「何をしようとしてんだ?」
俺が新大陸の拠点であるテントに戻って礼を言うと藤原は携帯ゲーム機から目を離さずに目的を尋ねてくる。
「聖水を作ろうと思ってな。これから大量に必要になるから買うと金がいくらあっても足りねーし、調達する手間も考えると面倒くさ過ぎる」
「あー…そういや聖水ってどうやって作ってんの?」
「アレって教会が卸してんだろ?」
別に隠す事も無いので普通に答えたら藤原は納得したように呟いて疑問を聞くと、柴田も不思議そうに確認してきた。
「真水とか綺麗な水を聖職者達が祝福すると聖水になるらしい」
「…『祝福』?」
「なんだそれ?」
「神術とか法術とか呼ばれる技術らしいぜ。まあ白魔法みたいなもんよ」
俺が方法を話すと二人は怪訝そうな顔で胡散臭そうに聞くので軽く説明した後にゲームに置き換えて例える。
「へー。じゃあお前の兵ならソレ使えるんじゃねーの?」
「やろうと思えばな」
「やろうと思えば、って…今は使えねーのかよ」
「神術とか法術が使えるようになると魔法が使えなくなるのよ。技術体系が正反対で同時には使えないんだと」
「…なんだそりゃ。二兎を追う者は一兎をも得ずかよ」
「でもだとしたら今んところ魔法の方がメリットがでけーから法術を選ぶ必要はねーな」
藤原の確認に否定的に返して理由を説明すると柴田は俺の考えに理解を示す。
「藤、頼みがあんだが」
「頼み?なんだ?」
「なんかあんのか?」
朝食後に俺が話を切り出すと藤原は柴田との話し合いを切り上げて用件を聞き、柴田も食いついてきた。
「ちょいとやりたい事があってな。人の移動が多いからこき使う事になるかもしれん」
「まあそれぐらいなら問題ねーぜ」
「柴、念のために藤の護衛頼めるか?」
「オッケー。ゲームでもして待ってるわ」
「じゃあちょっくら行って来るわ。頼む」
「お~う」
内容をボカしながら言うも普通に了承してくれたので一応柴田にも頼み、俺は藤原とのスキルの連携でドロウィンの王都へと移動する。
「あ、来た」
「悪いな、こんな朝早くに」
「なに、新大陸の拠点作りの手伝いと聞けば悠長に寝てもいられないさ」
「支援は惜しまないと言った手前協力を渋るワケにはいかんからな」
「…しかし、出発した昨日の今日でココに戻って来られるのが、凄い…」
城門の前で待ってた佐藤や他国の王子達に手を上げて挨拶しながら謝るも王子達は特に気にしてないように返す。
「じゃあ行こうか。佐藤、頼んだぜ」
「うん。昨日電話で言ってた通り大司教とか神父とかとりあえず位の高い聖職者を集めれば良いんでしょ?」
「おう」
王子達を国へと返すために俺が仕切って佐藤に声をかけると用件の内容を確認してくるので短く返して移動拠点へと向かった。
「流石にみんなを一気に、だと藤の負担になるから一人ずつ入ってね」
「分かった」
俺は移動拠点の中に入る前に注意事項を話してから藤原に電話してスキルの連携で王子達をそれぞれの国にある家へと送って行く。
「藤ありがとよ。つっても本当に面倒なのはこれからだけど」
「何をしようとしてんだ?」
俺が新大陸の拠点であるテントに戻って礼を言うと藤原は携帯ゲーム機から目を離さずに目的を尋ねてくる。
「聖水を作ろうと思ってな。これから大量に必要になるから買うと金がいくらあっても足りねーし、調達する手間も考えると面倒くさ過ぎる」
「あー…そういや聖水ってどうやって作ってんの?」
「アレって教会が卸してんだろ?」
別に隠す事も無いので普通に答えたら藤原は納得したように呟いて疑問を聞くと、柴田も不思議そうに確認してきた。
「真水とか綺麗な水を聖職者達が祝福すると聖水になるらしい」
「…『祝福』?」
「なんだそれ?」
「神術とか法術とか呼ばれる技術らしいぜ。まあ白魔法みたいなもんよ」
俺が方法を話すと二人は怪訝そうな顔で胡散臭そうに聞くので軽く説明した後にゲームに置き換えて例える。
「へー。じゃあお前の兵ならソレ使えるんじゃねーの?」
「やろうと思えばな」
「やろうと思えば、って…今は使えねーのかよ」
「神術とか法術が使えるようになると魔法が使えなくなるのよ。技術体系が正反対で同時には使えないんだと」
「…なんだそりゃ。二兎を追う者は一兎をも得ずかよ」
「でもだとしたら今んところ魔法の方がメリットがでけーから法術を選ぶ必要はねーな」
藤原の確認に否定的に返して理由を説明すると柴田は俺の考えに理解を示す。
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