クラスまるごと異世界転移

八神

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「さて、これより指名に入る。順番は先程決めた通りだ」

「では私から…さて……このパーティにしよう」


王子が良く分からん事を言うとお偉いさんの一人が色んなパーティを品定めでもするように見て回り…最終的に7人いるパーティを指名した。


「では次は私ですな…」


そして次々とお偉いさんがパーティを見て回っては指名していく。


「次私?じゃあ当然海原のトコだよね。一応推薦者だし」

「次は俺か。当然トルツもウミハラ殿を指名する」

「…ワウシャープも、同じ」

「おっと!意外と被るものだな。まあモニクァも同じだが」


佐藤が即座に俺を指名すると交友のある王子達も速攻で俺を指名し始める。


「…この指名ってなんだ?」

「後援者とか支援者、国がパトロンになるみたいな感じ」

「なんか意味あんのか?ソレ」

「パーティが新大陸で成果を出した時に色んな国で揉めないように…だって」

「へー」

「パーティを支援する代わりに新大陸での成果の権利を優先的に主張出来る、ギブアンドテイクって聞いたけど…詳しい事は私も分かんない」


とりあえず期待値の現れだと思っといて。と、佐藤は王子達から聞いたんであろう話を教えてくれた。


「つーかアイツら来ねーんだけど」

「…下手したら藤原達が来る前に終わるかも…」

「ウミハラ殿、よろしく頼む」

「期待はしているが、無理はしないようにな。ウミハラ殿が死なれたら俺様が困る!」

「…こっちも困る」


俺と佐藤が喋ってると指名とやらが終わったのか王子達がぞろぞろとコッチにやってくる。


「他にも王子達がいるのに勝手に決めて良かったの?」

「なに、意見を聞かれたから『決定権をよこせ』と言ったら本当に貰えたのでな」

「後で喧嘩にならない?」

「その時はその時だ」


俺の問いにモニクァの王子が答えるので心配して聞くも豪快に返す。


「まあ我々がウミハラ殿に期待しているのは『その後』ですから」

「露払いのような調査行動には、期待していない」

「だから生存を第一に行動する事だな。繰り返しになるが、ウミハラ殿に死なれると困るのだ、色々とな」

「いや、まあそんな念を押されなくても最初っからそのつもりだけど。成果だなんだなんて俺らには関係ないし」


王子達の気を利かせたような、フォローするような言葉に俺は微妙な表情になって同意した。


「ははは!これは余計な事をしてしまっていたか!俺様とした事が」

「しかし『英雄達と行動を共にする』と考えれば念には念を…もしかしたら万が一にでも引き際を見誤る可能性もあるわけで」

「あー…まあそうね」

「確かに。柴田と藤原も一緒だし、男子三人揃ったせいでバカやってポカとかやらかさないでよ?」


モニクァの王子が笑うとトルツの王子が心配したように忠告して佐藤も釘を刺してくる。


「では、最後に。これよりそれぞれのパーティの上陸場所を決めようと思う」

「…は?みんな一緒じゃねーの?」

「全滅のリスクを減らすためだって。パーティを分散させて安全な場所が見つかったら第二陣のチームはそこから上陸させるらしいよ」

「へー、なるほどね」


ウチの王子が急に進行し始めるので俺が佐藤に疑問を尋ねると王子から聞いたんであろう話を教えてくれた。
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