クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
上 下
299 / 556

299

しおりを挟む
「え~…でも何万とかするんでしょ?」

「金貯めて買えよ。ソレか佐藤に買ってもらえ」

「…灯、買って?」


不満そうに言う清水に俺がそう言うとマジで佐藤におねだりする。


「後でね。私も欲しいし…はい」

「ホント!?やったー!」

「良かったな。じゃあ金」


佐藤は了承しながら携帯ゲーム機を返してくるので俺は喜ぶ清水からも受け取って料金の催促をした。


「1200万ね。後から王都の移動拠点に届けても良い?額が額だけに直ぐには用意出来ないし」

「ちゃんと払うなら俺はなんでも構わねーぜ」

「1200万って…12億?午前中の作業でコレって…海原の時給ヤバくない?」

「これでも半額だけどな。まあ次からは定価だが」


佐藤が支払い方法を交渉してくるので俺が軽く了承すると清水はヒいたように言ってくるので少しだけ訂正する。



…そして翌日。



「ん?」

「どーした?」

「いや…トルツの家に王子が来てんな」

「トルツ?今灰村がいるとこだっけ?」

「あー…そういやそうか」


昼食後に俺らが庭でフリースロー対決をしてると別の国の家に訪問者が。


「よっ…と。げっ、俺の負けか…まあちょうど良いし、藤」

「おう」


最後に投げたボールがリングに弾かれ、シュートの本数で二人に負ける事が確定したので俺は藤原に頼んでスキルの連携でトルツの家へと移動した。


「やっほー、久しぶり」

「突然の訪問で済まない。今時間は大丈夫だろうか?」


俺が玄関のドアを開けて出迎えると王子はいきなり謝罪から入って確認する。


「手が離せない時はアッチに呼ぶし、出迎える時は大体暇があると思って構わないよ」

「そうか。実は研究を手伝って欲しいのだが…」

「ああ、仕事の依頼?オッケーオッケー」

「ありがたい!では早速移動しよう」


俺の言葉を聞いて王子が安心したように呟いて用件を言うので了承すると部屋に案内する事も無く外へと出た。


「それにしても、王子って結構フットワーク軽いのな」

「フットワーク?」

「気軽に移動できるって事。普通は部下とか従者とか下っ端を送るもんじゃないの?」

「ああ、それは…」

「おい、ちょうど良かった」

「誰だ!止まれ!」


俺と王子が適当に話しながら街中を歩いてると急に横から誰かが話しかけて来たようで、周りにいた王子の部下だか護衛だかの兵士がソイツを制止させるように叫ぶ。


「ああ?お前らに用はねぇ。引っ込んでろ」

「っ…!止まれ!武力行使するぞ!」

「はっ、やれるもんならやってみやがれ」


何故かソコに居た灰村は王子の部下の制止の言葉を聞かず喧嘩を売るように不機嫌そうに返すと、更なる警告も意に介さず挑発するように笑う。


「おいバカ、こんなトコで騒ぎを起こすな」

「んだと?てめー誰に向かって…」

「この乱暴者はウミハラ殿の知り合いか?」


俺が注意すると灰村は俺に標的を変えるので王子が盾にでもなるように俺の前に出ながら尋ねる。


「一応ね。俺の同級生の駒込にボコられた、同級生の不良の灰村君」

「ああ!?アレは油断してただけだ!次やったら負けねぇし!」


俺のバカにしての煽りながらの紹介に灰村は怒ったように反発した。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

初めての異世界転生

藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。 女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。 まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。 このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ) そこは、剣と魔法の世界だった。 2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。 新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・ 気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

処理中です...