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「え。な、なんで?」
「麗、ソレはちょっと…一応王妃が認めてるんだから『詐欺』はダメだって」
「あ!そ、そうだよね。海原ゴメン」
「いや、俺は別に」
よく分かってない様子の清水に佐藤も発言の撤回を促すと何故か俺に謝ってくるので適当に流す。
「で?とりあえず畑はどうすんだ?適当に全部耕して終わりか?」
「あ、えーと…」
「お嬢様、どうぞ」
「ありがと」
俺が仕事の内容を尋ねると佐藤は何かを探すような仕草を取り、執事のおじさんが『計画書』と書かれた書類を渡す。
…その後。
俺は書類を手に指示をする佐藤について行きながら兵を次々と召喚し、魔法農法で硬い地面を畑に変えていく。
「…海原のソレってさ、ちょっとなんでもあり過ぎない…?」
「そうか?実際は出来る事しかできねーぞ」
「いや、そんな当たり前の事言われても…灯の話とか聞く限りでは出来る事の幅が物凄く広いよね?」
「まあこの世界の先人達のおかげだな。先人っつーより賢人…というか王子だけど」
地面が魔法の力で耕されていく光景を見ながら清水が呆然とした様子で聞いてくるので…
ソレに適当に返すと具体的に言い直され、俺は勘違いされないようコレが他国の王子達の功績である事を主張する。
「一応ソレ国家機密とかなんでしょ?でもなんでそんな重要なのをギルドの…よりにもよって底辺のランクに依頼するんだろ?」
「人手不足だからだろ」
清水の悩みながらの疑問に俺は簡潔に返した。
「それは灯から聞いた。でもそんな誰でも手伝えるような内容なの?」
「依頼の内容自体は子供でも出来るぐらいには簡単だぜ?書類整理とか掃除とか道具や器具の片付けとかだしな」
「じゃあ別に海原じゃなくてもいいじゃん」
「そらそうよ。でもソレを誰も受けないから結局俺に回って来るワケだ」
ま、そのおかげで色々便利になったけどな。と、俺はギルドの雑用仕事にもメリットがある事を教える。
「…なんかフリーターで色んな職を転々とした結果なんでも屋で稼げるようになった主人公みたい」
「おいおい…またえらくピンポイントだな」
清水の例えが誰を指してるか直ぐに分かりそうなほど限定的なので、俺は呆れながらツッコむ。
ーーーーーー
…一旦家に帰って時間潰しのために三人で携帯ゲームを遊ぶ事、約4時間後。
「…ま、こんなもんか。終わったぞ」
「え!?うそ、まだ昼前じゃん!」
「流石に雨降らして収穫ともなると結構時間かかるな」
兵達が収穫作業を終わらせたようなので佐藤に報告すると清水が時計を見て驚くが、俺はスルーして携帯ゲーム機を置く。
「もうそんな時間?やっぱりゲームしてると時間の流れはあっと言う間だな~…」
「だよね。…ねえ海原、このゲーム機ちょうだい?」
「イヤ。欲しくなったんなら沼内から買えよ」
佐藤が立ち上がりながら時計を見て呟くと清水が同意しながら携帯ゲーム機をねだってきたが俺は却下した。
「麗、ソレはちょっと…一応王妃が認めてるんだから『詐欺』はダメだって」
「あ!そ、そうだよね。海原ゴメン」
「いや、俺は別に」
よく分かってない様子の清水に佐藤も発言の撤回を促すと何故か俺に謝ってくるので適当に流す。
「で?とりあえず畑はどうすんだ?適当に全部耕して終わりか?」
「あ、えーと…」
「お嬢様、どうぞ」
「ありがと」
俺が仕事の内容を尋ねると佐藤は何かを探すような仕草を取り、執事のおじさんが『計画書』と書かれた書類を渡す。
…その後。
俺は書類を手に指示をする佐藤について行きながら兵を次々と召喚し、魔法農法で硬い地面を畑に変えていく。
「…海原のソレってさ、ちょっとなんでもあり過ぎない…?」
「そうか?実際は出来る事しかできねーぞ」
「いや、そんな当たり前の事言われても…灯の話とか聞く限りでは出来る事の幅が物凄く広いよね?」
「まあこの世界の先人達のおかげだな。先人っつーより賢人…というか王子だけど」
地面が魔法の力で耕されていく光景を見ながら清水が呆然とした様子で聞いてくるので…
ソレに適当に返すと具体的に言い直され、俺は勘違いされないようコレが他国の王子達の功績である事を主張する。
「一応ソレ国家機密とかなんでしょ?でもなんでそんな重要なのをギルドの…よりにもよって底辺のランクに依頼するんだろ?」
「人手不足だからだろ」
清水の悩みながらの疑問に俺は簡潔に返した。
「それは灯から聞いた。でもそんな誰でも手伝えるような内容なの?」
「依頼の内容自体は子供でも出来るぐらいには簡単だぜ?書類整理とか掃除とか道具や器具の片付けとかだしな」
「じゃあ別に海原じゃなくてもいいじゃん」
「そらそうよ。でもソレを誰も受けないから結局俺に回って来るワケだ」
ま、そのおかげで色々便利になったけどな。と、俺はギルドの雑用仕事にもメリットがある事を教える。
「…なんかフリーターで色んな職を転々とした結果なんでも屋で稼げるようになった主人公みたい」
「おいおい…またえらくピンポイントだな」
清水の例えが誰を指してるか直ぐに分かりそうなほど限定的なので、俺は呆れながらツッコむ。
ーーーーーー
…一旦家に帰って時間潰しのために三人で携帯ゲームを遊ぶ事、約4時間後。
「…ま、こんなもんか。終わったぞ」
「え!?うそ、まだ昼前じゃん!」
「流石に雨降らして収穫ともなると結構時間かかるな」
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「もうそんな時間?やっぱりゲームしてると時間の流れはあっと言う間だな~…」
「だよね。…ねえ海原、このゲーム機ちょうだい?」
「イヤ。欲しくなったんなら沼内から買えよ」
佐藤が立ち上がりながら時計を見て呟くと清水が同意しながら携帯ゲーム機をねだってきたが俺は却下した。
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