クラスまるごと異世界転移

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…翌日。



第一王子をドロウィンへと送るついでに佐藤に呼び出された俺も一緒に城へと移動した。


「…昨日の食事会、君達が拒否したことで帝国の皇帝陛下はかなり激怒していたぞ。表面上ですら繕いきれてなかったほどに」

「へー」

「俺は昨日が初対面だったが…父様から聞いた通りかなり傲慢な性格のようだ。アレではいくら政治的、軍事的手腕に優れていても長くは保つまい」

「へー」


歩いてる最中に王子が昨日の事や皇帝の人柄を話し出すが俺には関係ないし、興味もないので適当に相槌を打って流す。


「念のため、我々に火の粉が飛んだ時の対策を考えていたのだが…流石に国際問題に発展するからか杞憂に終わった」

「そもそも俺らどの国にも属してないし、なんの立場にも無いから俺らのやらかしが自分以外の他の奴らの責任問題に発展して追求される…なんて事ある？」

「斡旋や紹介、派遣した場合には責任が生じるだろう？今回はそのケースに当て嵌まらないが」

「…さいですか」


王子の話を聞いてちょっとイラつきながら反論するも綺麗に論破されてしまったので俺は何も言えず、気まずく思いながら返した。




「あ、ギルおかえり」

「ああ。今帰った」

「なんで清水まで居んだ？」

「だって一人で城に居てもやる事無いし」


城の前で待っていた佐藤が王子に挨拶するので俺は隣に立っていた清水に疑問を聞く。


「で？お願いってなんだ？」

「新しく領地が増えたからソコの開拓を手伝って欲しいんだけど…」

「まあコレ次第だな」

「今回は半額にしてくれるんでしょ？大丈夫大丈夫」


俺が用件を尋ねるとどうやら仕事の依頼で金は用意出来てるらしいので…


早速藤原に電話してスキルの連携で清水共々佐藤の指示する町へと移動した。


「お嬢様、お待ちしておりました。ウミハラ殿、どうぞよろしくお願い致します」


家から出る佐藤に着いて行くとギルドの建物の前で執事のおじさんが俺らを見て頭を下げながら挨拶する。


「準備は出来てる？」

「はい。昨日の内に全て完了致しております」

「じゃあ行こう」

「また町の外れかよ」

「ざーんねーん。今回はギリギリ町の中でーす」


佐藤が案内するように馬に乗るので俺が呆れながら言うも煽るように笑って否定された。


「…正確には無理やり町の枠組みを広げたのですが…」

「へー」

「で、でも町の中って事に変わりはないし」


執事のおじさんが困ったように笑いながら呟くと佐藤は言い訳のように返す。


…そして馬に乗って5分ほど走らせると『農業区』という看板があるところに到着。


「ほー、農業区…ねぇ」

「うん。ここから端の柵まで全部畑にする予定！」

「端の柵って…こっから見えねーけど？」

「この看板から端の柵までの距離は約5500mほどあります」

「「5000！？」」


佐藤の発言に俺が不思議に思って聞くと執事のおじさんが答えてくれ、その規模に俺と清水の驚く反応が被る。


「いやいや、嘘だろ。5km？お前マジで言ってんの？」

「マジマジ。せっかく半額なんだからドカンと50ヘクタールぐらいお願いしようかな？って」


俺が正気を疑いつつ確認すると佐藤はあっけらかんと笑って答えるので…


そのゲーム脳な考えに俺と清水は唖然とした。