クラスまるごと異世界転移

八神

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「リッチだけで、しかも多分30分ぐらいでアレだからな。スカルまで同時に復活したらガチでシャレにならなそう」

「はっ、まるでパンドラの箱だな」

「あの博物館自体が厄災の塊が詰め込まれた箱って事か…最後に希望が残ってりゃいいんだけどな~」


藤原が情報を整理しての確認するような事を言うので俺が鼻で笑って例え話をすると柴田もそれに乗る。


「…そう考えたらアレだな。こいつらに抜け殻渡して調べさせた方が良くね?」

「まあ、俺はどっちでも良いから任せるわ」

「…あー…タダで渡すのはアレだけど、まあこの場合しゃーねーか。海」

「はいよ」


少し考えたような柴田の提案に俺が投げやりに返すと藤原は後ろ髪を引かれてるかのように若干の抵抗感を示すが…


結局柴田に賛同して指示を出してくるので俺は兵に抜け殻を持って来させた。


「!?こ、コレは…!!まさか…死霊王の、抜け殻…!?」

「タダで引き渡してやるんだからちゃんと原因を究明してしっかり対策立てろよ」

「コレでなあなあの適当で済ませたらタダじゃおかねーからな」


物を見て驚く青年に柴田が条件を出すと藤原も脅すように言う。


「…高貴士、アウエロス家の威信にかけて原因の究明に全力を尽くす事をココに宣言しよう!…英雄殿、誠に感謝申し上げる!」


青年が胸に手を当てながら声を張って宣誓するように言うと周りにいた人達が立ち上がって抜け殻を丁重に運んで行く。


「…公騎士ってなんだ?」

「さあな。貴族かなんかだろ」

「公爵的な感じか。日本風に言うなら公家みたいな?」

「いやでも騎士って戦闘員じゃね?」

「侍とか武将みたいなもんだろ」

「あー…」


藤原の疑問に俺が適当に流すと柴田は今やってる野望シリーズの用語に例えるので、俺もその例えを使うと藤原は納得したように呟いた。



…翌日。



「あ、おい!待て、お前ら!」

「ああ?」

「んだ?」


ちょっとした待ち時間の間に野郎三人で帝都を散策しているとどこからか声をかけられる。


「「お」」

「えーと…誰だっけ?」

「お前、柴田だろ?」


俺らが振り向くと制服姿の同級生が居て、俺と柴田の声が被り…藤原の問いに男子生徒は柴田を指差しながら確認した。


「ああ、あってっけど」

「やっぱりな。俺は駒込!いざ尋常に勝負しろ!」


柴田の返事に駒込はハイテンションで自己紹介をした後に周りに人通りが多いにも関わらず、指をさしたまま何故かいきなり決闘を申し込んでくる。


「ヤダね。めんどくせぇ」

「はっ、俺に負けるのが怖いのか?」

「あー怖い怖い、めっちゃ怖い。怖くて怖くて思わずチビりそうだから勝負は諦めてくれ」

「「ふふっ」」


柴田が嫌そうな顔で断ると駒込は鼻で笑って挑発するが、柴田に煽るように流されてしまうので俺と藤原は堪えきれずに笑いが漏れてしまった。
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