クラスまるごと異世界転移

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「ほらよ」

「…コレは…！『死霊王』の装備…！？」

「死霊王の装備？まさか…！！」


俺がさっき鑑定、解呪してきたばかりの装備一式を兵に持って来させると青年が驚き、その言葉を聞いた周りの人達も驚きながら顔を見合わせる。


「あの！『生きる伝説』と呼ばれる、英雄の方々でしたか！そうとは知らず、数々の無礼…申し開きのしようもありません！処分はなんなりと！」


そして青年以外の人達が急に床に片膝を着いて頭を下げ始め、女性が代表して謝り出した。


「…なんだぁ？」

「お前らに謝ってんじゃね？」

「急にんな事言われてもな…別に俺らがなんかされたワケじゃねーし」


藤原が怪訝そうな顔で呟くので俺がそう返すと柴田は微妙な顔をしながら言う。


「部下の失態は上司の責任である。どうか部下の無礼を許して欲しい」

「だってよ」

「いや、コレお前らに向けた言葉だろ。俺ただの一般人だし」

「でも謝るって事はやっぱさっきのアレだろ？じゃあ海に向けたやつじゃね？」


青年も頭を下げて謝り出すと藤原が俺に振るので柴田にパスするもボールを返されてしまった。


「いやいや、俺が『許す』って言ったところで『一般人が何言ってんだ？』ってなるだろうが」

「んじゃ海に代わって俺らが許してやるよ」

「…英雄殿の懐の深さ、器の大きさに感謝します」

「「「申し訳ございませんでした」」」


俺の言葉を聞いた藤原が許しを出すと青年が頭を上げて感謝するような事を言って周りの人達は頭を下げたまま再度謝罪の言葉を述べる。


「そういやリッチが現れた原因って何だったんだ？結局」

「未だ不明ですが…研究者の予想や推測では抜け殻から復活したのではないか、と言われています」

「やっぱり復活かよ…どうやって復活したんだ？」

「…抜け殻を調べてみない事にはやはり詳しい事は…今のところの推測では、瘴気や邪気、霊気などの負の力との関連性が有力のようですが…」


藤原と柴田の疑問に青年は不確定ながらも現状で分かってるだけの情報を教えてくれる。


「つまりは心霊スポットのような所に置いておくと負の力で復活するって事か？」

「負の力で復活ねぇ…なんかダジャレみてーだな」

「でも『死霊王』だからな…怨念とか幽霊が溜まってる場所で復活ってのは可能性的には有りじゃね？」


俺が今聞いた情報で予想すると柴田がなんとも言えない顔で返し、藤原は俺の意見に賛同するかのような事を言う。


「…その謎を解明するためには抜け殻が必要なのですが、現状ではもはやドロウィンにしか存在しません。我々も当然共同研究の働きかけはしますが…はたしてどこまで調べられるものか…」

「そーいやアッチの方が長く置いてあるんだよな？復活したらヤバくね？」

「あの博物館、『亡霊王』とか『死皇帝』とかも置いてあるしな…亡霊王はともかく死皇帝とか死大帝とかとまた戦うのは怠いわ」

「しかもボスバトルみたいに一気に全部復活したら俺らでは無理だから多分国が終わるな」


王子の説明口調に柴田が思い出すように聞いてくるので俺が思い出しながら返すと藤原はなんとも言えない微妙な顔で予想した。