クラスまるごと異世界転移

八神

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「…それで、一体何故こんな街中に魔獣が?それも『死霊王リッチ』だと言うじゃないか」

「知らん。聞いた話では抜け殻から復活したんだと」

「抜け殻から…?そんなことが?」

「俺は聞いたことねーな」

「俺も」


再び確認するように聞いてきた王子に俺が適当に返すと柴田と藤原に話を振るも二人は否定した。


「ま、こうなった原因はそーゆー専門の人達が調べてくれるだろーし」

「だな。俺らに聞かれても分かんねーもんは分かんねーし、答えようがねーからな」

「…確かに。では魔獣の討伐、よろしくお願いします」


俺と柴田の適当な言葉に王子は少し考えると会釈するように軽く頭を下げてどこかへと歩いて行く。


「意外だったな、俺らんとこの王子が来てるなんて」

「研究のため、っつってたから…まあ」

「何の研究してんの?」

「歯車とか滑車」


藤原の言葉に俺が理解を示しながら返すと柴田が聞いてくるので簡単に教える。


「歯車に…滑車?」

「そうそう。水車とか風車とか…後は井戸水の組み上げの装置とかを作ろうとしてる」

「へー。まあ良く考えたら機械って歯車ありきだしな…そうなると結構凄い研究なんじゃね?」

「じゃね?俺の車を作る技術とかもこの歯車の研究を取り入れてるし」

「あー…なんか良く分からんけど、王子って結構インテリな科学者が多いんだな」


俺と柴田の会話を聞いて藤原は腕を組みながら考えるように意外そうな感じで言う。


「って事は海も水車とか風車とかを作ろうと思えば作れんの?」

「一応作れるけど…使い道なくね?発電は雷魔法でいけるし、動力で使うにしても製粉とかする必要ねーじゃん?」

「そりゃそうだ」

「小麦粉とかは買えば良いだけだしな」


柴田のふとした疑問に俺が否定的に答えると藤原にも納得された。


「…とりあえずココに居てもしょうがねーし、帰るか」

「そだな」

「深山はどうすんの?」

「明日で良くね?どうせ死体も重傷者もどっかに集められてるだろうし」

「それもそうか」


この国の兵士達の忙しそうな動きを見てても仕方ないので俺らは一旦家に帰る事に。



…昼食後。



なんか佐藤から話を聞いたらしい深山から電話があったのでスキルの連携で今居る家に呼び…


とりあえず現時点で収容されている死傷者数千人を深山のスキルで完治させた。


「すげー数の死傷者がいたな」

「たった一時間足らずでこの被害って…もしリッチが街に攻めて来たりしたらやべーんじゃねーの?」

「かもな」

「ねえ、何があったの?」


俺らが家でゲームしながら話してると佐藤から詳しい内容は聞いていないのか、深山が不思議そうに聞いてくる。


「なんでも魔獣が標本から復活したんだとよ」

「えっ!?標本から…復活?」

「本当かどうか分かんねーけどな」


俺のざっくりした説明に深山が驚くと柴田はその説の信憑性がイマイチだと補足した。
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