クラスまるごと異世界転移

八神

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「…ふー…サッパリしたし…やるか!」

「「おう」」


柴田がドライヤーで髪を乾かした後に頭を左右に振ってから合図をするので、先にゲームをしていた俺と藤原は画面から目を離さずに応える。


「にしてもアレだな。携帯型ってのもやっぱ良いな」

「色んな体勢で出来るからな」

「据え置きも良いんだけど…やっぱ寝っ転がってやりたい時もあるじゃん?」

「「分かる」」


柴田の感想に俺がそう返すと藤原が携帯型の利便性を伝えてくるので俺と柴田は共感して同意した。


「あ、あの…!」

「ん?なに?」

「…し、シャワー…使わせて、貰えないでしょうか…?」


俺らが何のジャンルでやるかを迷っていると魔法使いの女子が遠慮がちに話しかけてきて風呂用の簡易テントを指差しながら確認してくる。


「別に良いけど、綺麗に使えよ」

「!ありがとうございます!」

「赤がお湯で青が水だから」

「…!?お湯も出るんですか!?」


俺が釘を刺しながら許可を出すと頭を下げてお礼を言ってくるので一応使い方の説明をすると驚かれた。


「柴、シャンプーとかは置いたままか?」

「ん?ああ。どうせ明日とか後からも入るだろうから置きっぱだけど」

「じゃあ…青いヤツがシャンプーで、緑のヤツがリンスだから」

「リンスて…コンディショナーだろ?今は」


俺の確認に柴田が理由を話しながら返すので魔法使いに違いを説明すると藤原は呆れたように訂正してくる。


「だったな。たまにどっちか分からなくなる時があるんだけど…まあどうでもいいか」

「住吉もよく『リンス』って言うよな。おかげで俺もたまにリンスって出る時があるわ」

「地域の違い…って思ったけど深山とか斉藤はリンスって言わねーしな。親が今も言うかどうかの違いか?」

「あ、ありがとうございます!」


俺らが世間話のような雑談に移行すると魔法使いはまたしてもお礼を言って足早に風呂用の簡易テントへと向かう。




「…おっと、そうか。おーい!委員長達も風呂入るかー?」


アクションRPGのゲームをしてる最中に飯島達の事も思い出したので後から聞かれる前に俺の方から先に聞く。


「あ、いいの?」

「出来る事なら、入りたいけど…」

「使用して構わないのだろうか?」

「ちゃんと綺麗に使うならな。委員長、あの魔法使いが出たらそいつらに説明よろしく」

「うん。分かった…ありがとう!」


やっぱり野朗共も衛生的に気になるのか…風呂には入りたいようなので俺は利用時の説明を飯島へとぶん投げた。


「お優しい事で」

「いや、ただ単にアイツらが臭かったら委員長が可哀想だと思っただけ」

「あー、確かに」


藤原の弄るような言葉に俺が飯島に気を利かせての事だと返すと柴田が納得しながら同意する。
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