クラスまるごと異世界転移

八神

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「…ん?」

「あっ!」


兵を三体召喚して二体で前後を警戒させつつ一体を先行させて魔獣を全力で避けながら進んでいると…


飯島のパーティメンバーであるやらかしクソ野郎の剣士と遭遇。


「あ…へへっ…すみませんでした」

「次からは気をつけろよ」


気まずそうに笑いながらも一応ヘコヘコと頭を下げて謝ってくるので、場所も場所だけに俺は注意だけで済ます。


「あ」

「あ」

「…あ」


…どうやら俺は飯島のパーティメンバーの近くに飛ばされていたようで…


少し歩いただけで飯島以外のパーティメンバーが三人揃った。


「お前なあ…『危険なダンジョンでは軽率な行動をするな』と、普段からあれほど言っているのに…」

「いやー、ごめんごめん。動かすつもりは無かったのに、まさか少し触れただけで動くなんて思いもしなかったんだ」


射手の男の説教に剣士の野郎は軽く謝ってあまり反省してない様子で言い訳をする。


「ったく…とりあえず英雄達と合流しないと。俺達だけ攻略するには準備不足だ」

「…うん」

「ところで…英雄二人と一緒に居た君は?戦えるのか?」


射手の男が慣れたようにため息を吐いて予定を立てると剣士の野郎が俺に確認してきた。


「ソロでは無理だな。一応兵を召喚出来るけど、戦闘能力はほとんど無い」

「…召喚魔法で…人を…!?」

「まあ人形だと思ってくれれば」

「…雑務担当の支援要員か。流石は英雄、パーティに非戦闘員を入れる余裕があるとは…」

「おいおい、戦えないんじゃこんな所では何の役にも立たないじゃないか!どうするんだよ?ただでさえ敵の強い難関のダンジョンの奥地だって言うのに、非戦闘員とかいう足手まといを抱えて!」


俺が自分の力を説明すると魔法使いが驚き、射手も感心したように呟くが…


剣士のクソ野郎だけ焦ったように俺をお荷物扱いして他のメンバーに対応を求める。


「お前のせいだろうが!お前があんな見え見えのトラップに引っかからなかったらこんな事にはならなかったんだぞ!」

「う…そ、それはそうだけどよ!」


…俺が文句を言う前に射手の男が全く同じ言葉を言って怒ってくれたので、結局俺は何も言えなくなってしまった。


「でもじゃあコイツを守りながら戦うのかよ!」

「英雄達と合流するまでだ!この人を置き去りにするってんなら、お前一人で進め!」

「くっ…!分かったよ!」

「とりあえずあいつらはコッチに向かって来てるから俺らは入口に戻れば早く合流出来るハズ」


射手と剣士の言い争いが終わったので俺は柴田達の行動を教えてから提案する。


「…確かに。このままココにいても危険な事に変わりはないか…よし、戻ろう」

「うん」

「…おう」


射手の指示に魔法使いは賛同するも剣士の野郎は面白くなさそうな顔で返事した。
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