クラスまるごと異世界転移

八神

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「へー!藤原くんのスキルってそういう使い方も出来るんだ!」

「まあ海が居ねーと難しいけどな」

「魔獣が消えた…!?…もしかして!」

「一瞬で魔獣を…!コレが英雄の力か…!」


他の魔獣が集まって来る前に…と、急いでその場から離れると飯島が感心したように言い、パーティメンバー達は勘違いしたように驚きながら後をついてきた。


…そしていつものように俺と藤原のスキルの連携で魔獣とのエンカウントを避けて進む事、約二時間後。


「…また行き止まりか。結構デカイな、このダンジョン」

「今地下5階だぜ?あとどれくらいあんだろうな」


何度目かの行き止まりの部屋に着いて柴田が呟くと藤原は帝都で買った高性能のダンジョンマップを見ながら現在地を教える。


「ん?なんだアレ…?レバー?」

「多分トラップだろ。シカトシカト」

「多分ってかこの場合ほぼ100%罠だな」

「うん。だろうね」

「いや!コレはきっと隠し扉のギミックだ!」


俺が部屋の奥にあるモノを見て聞くと柴田が見抜いたような判断をして藤原と飯島も賛同するが剣士の野郎は意味不明な事を言い出す。


「隠し扉か…可能性は無くはない、が…」

「…危ない」

「まあとりあえずこの階を全部調べ終わってからだな。あのレバーを調べるとしたら」

「「だな」」

「罠の可能性も高いし、そうだね」


メンバーも慎重な姿勢を見せ、柴田の提案に俺らが同意すると剣士の野郎は壁のレバーに近づく。


「罠か…あ」

「「あ」」

「何してんだ!てめ…」


剣士の野郎が確認するようにレバーに触るとレバーが下りてメンバーの二人が同時に呟き、藤原が怒ったところで床に魔法陣が展開され…


藤原の発言の途中でみんなの姿が消える。


「…マジか」


…どうやら罠はワープ的なアレだったらしく、俺はどっかの廊下へと飛ばされていた。


「…どこだ?ココ…ん?もしもし?」


まさか一人になるとは思わなかったので俺は魔獣とエンカウントしないように慎重に、恐る恐る歩いているとスマホに着信が。


「海!大丈夫か!?どこに飛ばされた?」

「分からん。お前らは?」

「俺らはどうやら入口の近くに飛ばされたみてーで、部屋の中に藤と委員長が居た」

「マジか。俺は廊下だな…階層は分かんねぇ」


電話の相手は柴田で、俺らはとりあえず現状を報告して情報共有を行う事に。


「ったくあの野郎…見え見えの罠に引っかかりやがって…!」

「周りを巻き込むのはやめて欲しいわ。マジで」

「とりあえず俺らと合流するまで隠れるとかしてなんとか逃げてくれ!急いで向かうから」

「オッケ。マジで急いでくれ」


俺は柴田の愚痴に同意しつつ合流を目指す案に了解して電話を切った。
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