クラスまるごと異世界転移

八神

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「ただいま」

「おー、おかえり。どうだった?なんかあったか?」

「いつも通りの雑用だったな。一応なんか面白い話は聞けたが」

「面白い話?」


俺が帰宅の挨拶をすると柴田が状況を聞いてきたので手を洗いながら返すと藤原は不思議そうに尋ねてくる。


「なんか灰村の野郎が段位持ちになったんだと」

「へー、段位持ちって事は1段か?」

「良く分からんが意外と頑張ってんだな」

「最近では英雄候補とか言われるらしいぜ?まあ相も変わらず他の冒険者と喧嘩してるらしいけどな」

「マジで?つーか1段に上がりたてとはいえ、良く段位持ちに喧嘩売れるな…」

「パーティならまだしも個人の喧嘩で段位持ちに勝てるわけねーのに…」


俺の報告に柴田と藤原は驚きながら感心したように言い、続く報告に呆れたような様子になって呟く。



…そして翌日。



「ん?」

「どーした?」

「いや…どこだ?…モニクァか。の家に王子が来てんな」

「また王子かよ…」

「多分研究についてだろうよ」


朝食後に野郎三人で庭をランニングしてると別の国の家に訪問者が来たのでソレを伝えると藤原が呆れたように呟く。


「とりあえずフリースロー勝負は後からだな」

「俺と藤で先にやっとくぜ?」

「おう。藤、頼む」

「はいよ」


今日は久しぶりに運動の気分だったのに…と思いながら俺は藤原にお願いしてスキルの連携でモニクァの家へと移動した。


「やっほー、なんか用?」

「おお、ウミハラ殿。実は頼みがあるんだが…」

「仕事の依頼?」

「ああ。新しいモーターが完成したからトラックを組み立てたいのだが、人手が足りなくてな」

「新しいモーターか…オッケー」


応接室のソファに座ってる王子に用件を問うと面白そうな内容だったので受ける事に。


「おお!引き受けてくれるか!」

「材料は集まってる?」

「ああ、ドロウィンやワウシャープから集めている」


嬉しそうに言う王子に俺はソファから立ち上がって歩きながら聞くとどうやら準備は万端のようだ。



…それから二時間後。



「…も、もう完成したのか…」

「そりゃ3桁の人数が居ればね」


トルツの魔法研究の応用のおかげで早く出来た4トントラックっぽい車を見て驚く王子に俺が理由を話す。


「んじゃ、とりあえず試乗してみようか」

「そうだな」


モーターの性能やワウシャープの提案による新型の機構とかを試すついでに目的地へ輸送する商品を荷台へと積み込んでいざ発進。


「うむ、この前の試作品よりは走り出しが大分スムーズになったな」

「回転数も上がってるみたいだね。スピードが速くなってるし」


運転席に座って確認するように言う王子に俺はメーターの針を見て風の強さを感じながら予想で返す。
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