235 / 556
235
しおりを挟む
「…ん?佐藤からだ。もしもし?」
野郎三人でベルトスクロールのアクションゲームをやってると藤原のスマホに着信が。
「…俺は別にいいけどよ、海に聞かねーとな。…なんか王様達が視察したいから送って欲しいんだと」
「視察?どこに?」
「ドリードとか言う町だってよ」
「ドリードねぇ……オッケー」
「オッケーだと。…おう、マジで?オッケーオッケー」
藤原の確認にどこの町か思い出しながら了承すると少し話しをして電話を切った。
「移動拠点に着いたらワン切りするって。あと報酬は俺とお前で5000だと」
「5000…?おめーらのスキルは金策出来るから便利だな。俺のなんて日常生活じゃ何の役にも立たんのに…」
「じゃあ交換しよーぜ」
「ヤダ」
藤原がスマホを置いて報告すると柴田が羨ましいそうに言うので藤原はスキルのチェンジを申し出るも柴田は即答で拒否る。
…そんなこんな藤原と俺のスキルの連携で毎日のように王様御一行を色んな町や村に送ること三日。
佐藤から電話があってガライアの土地が用意出来たとのことで俺は深山を連れて王都へと向かった。
そして教会で貴族や王子、兵士に冒険者を含む傷病者達を深山のスキルで治してから城に向かう。
「お、兄ちゃんついにその嬢ちゃんと付き合う事になったのか?」
「違ぇよ。そういう挨拶に来たわけじゃねーし」
「あ、はは…」
いつもの通り裏庭から入るといつものごとく料理長が来ていつものような弄り方をしてくるので、俺がいつもと同じく適当にあしらうと深山は困ったように笑う。
「神と女神でお似合いだと思うけどな」
「そんなあだ名だか二つ名だかでお似合いって言われてもな…」
「…女神…?」
料理長の言葉に俺が呆れたように返すと深山は良く分かってないかのように呟いた。
「気にすんな。で?5体でいいの?」
「今回も10人欲しいな。そろそろラフィ・マクシール用のブドウが作れる頃だ」
「んじゃ10体ね」
「感謝するぜ!」
深山をごまかしてからの問いに料理長が前と同じ数の兵を要求するので俺は前と同じく、普通の兵5体と魔導兵5体の計10体を料理長に預けて佐藤の部屋へと向かう。
「おお、海原殿に深山殿ではないか」
城の廊下を歩いていると元暗殺者の男が前から歩いて来る。
「お、ココに居るって事は王子に報告?」
「ああ。ガライアやシュトッセンの事について少し、な」
「へー」
「近い内にソローへ行きたいのだが、送ってくれないか?」
「ソローってったらワウシャープの近くの国だっけ?覚えてたら藤にも聞いてみるよ」
「頼む」
男と少し話した後に手を振って別れ、再び佐藤の部屋へと向かった。
野郎三人でベルトスクロールのアクションゲームをやってると藤原のスマホに着信が。
「…俺は別にいいけどよ、海に聞かねーとな。…なんか王様達が視察したいから送って欲しいんだと」
「視察?どこに?」
「ドリードとか言う町だってよ」
「ドリードねぇ……オッケー」
「オッケーだと。…おう、マジで?オッケーオッケー」
藤原の確認にどこの町か思い出しながら了承すると少し話しをして電話を切った。
「移動拠点に着いたらワン切りするって。あと報酬は俺とお前で5000だと」
「5000…?おめーらのスキルは金策出来るから便利だな。俺のなんて日常生活じゃ何の役にも立たんのに…」
「じゃあ交換しよーぜ」
「ヤダ」
藤原がスマホを置いて報告すると柴田が羨ましいそうに言うので藤原はスキルのチェンジを申し出るも柴田は即答で拒否る。
…そんなこんな藤原と俺のスキルの連携で毎日のように王様御一行を色んな町や村に送ること三日。
佐藤から電話があってガライアの土地が用意出来たとのことで俺は深山を連れて王都へと向かった。
そして教会で貴族や王子、兵士に冒険者を含む傷病者達を深山のスキルで治してから城に向かう。
「お、兄ちゃんついにその嬢ちゃんと付き合う事になったのか?」
「違ぇよ。そういう挨拶に来たわけじゃねーし」
「あ、はは…」
いつもの通り裏庭から入るといつものごとく料理長が来ていつものような弄り方をしてくるので、俺がいつもと同じく適当にあしらうと深山は困ったように笑う。
「神と女神でお似合いだと思うけどな」
「そんなあだ名だか二つ名だかでお似合いって言われてもな…」
「…女神…?」
料理長の言葉に俺が呆れたように返すと深山は良く分かってないかのように呟いた。
「気にすんな。で?5体でいいの?」
「今回も10人欲しいな。そろそろラフィ・マクシール用のブドウが作れる頃だ」
「んじゃ10体ね」
「感謝するぜ!」
深山をごまかしてからの問いに料理長が前と同じ数の兵を要求するので俺は前と同じく、普通の兵5体と魔導兵5体の計10体を料理長に預けて佐藤の部屋へと向かう。
「おお、海原殿に深山殿ではないか」
城の廊下を歩いていると元暗殺者の男が前から歩いて来る。
「お、ココに居るって事は王子に報告?」
「ああ。ガライアやシュトッセンの事について少し、な」
「へー」
「近い内にソローへ行きたいのだが、送ってくれないか?」
「ソローってったらワウシャープの近くの国だっけ?覚えてたら藤にも聞いてみるよ」
「頼む」
男と少し話した後に手を振って別れ、再び佐藤の部屋へと向かった。
0
お気に入りに追加
331
あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています


初めての異世界転生
藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。
女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。
まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。
このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。


うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる