クラスまるごと異世界転移

八神

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「よー、一人で待たせてすまんな」

「…あ、海原…と?」


晩餐会の会場であるパーティ部屋みたいな所に行くと清水が居心地悪そうにしていて俺らを見ると駆け寄ってくる。


「へー、そういや居たな。俺は柴田」

「俺ぁ藤原だ」

「私は斉藤理恵、よろしくね」

「住吉朱音。よろしく」

「私は深山翠だよ。よろしくね、清水さん」

「…あ、清水、麗です。…よろしく、お願いします」


柴田の自己紹介からみんなの自己紹介が始まって女子同士で握手していく。


「おおー!この国はカレーみたいなのがあんじゃん!」

「マジで!?カレーなんて久しぶりじゃね!?」

「…ね、ねぇ、海原」

「ん?」


柴田と藤原がテーブルの上に用意されている料理を見てテンションを上げると清水が遠慮がちに話しかけてきた。


「その…もしかして、だけど…柴田と藤原って…ギルドとかで、『生きる伝説』とか言われてるあの英雄…だったりする?」

「みたいだな」

「…やっぱり…!?で、でね…深山さんってあの『聖女』の、だったりしない…?」

「だな。有名な聖女深山で合ってる」

「や、やっぱり…」


清水の確認に俺が認めると驚き過ぎて逆に呆れたような感じで呟く。


「…なんでそんな凄い人達が居るの?」

「なんでって…俺が飯に誘ったからよ」

「だってこの国には今まで居なかったのに…」

「あー、まあそこら辺は後から佐藤に会った時にでも聞けよ」


清水の疑問に説明が面倒になった俺は佐藤に丸投げする事にした。


「いやー、はっは!なんとも壮観な眺めですな!英雄に聖女がこうも一堂に会すると言うのは!」

「…まったく」

「ん?この人達が海の言ってた王子達か?」

「おう。コッチがモニクァの第二王子で、こっちがこの国の第三王子…トルツの王子は知っての通りだ」

「俺はモニクァの第二王子のヒルミィである。本名は…」


モニクァの王子の発言にこの国の王子が賛同すると藤原が聞いて来るので簡単に説明すると王子達はみんなに向けて自己紹介をし始める。



ーーーーーー



「うへ~…王子王子王子…おめーの人脈どーなってんだよ」


二人の王子の自己紹介が終わった後に柴田が呆れたように聞いてきた。


「んなの俺に聞かれてもな。依頼人が王子で知り合ったってだけだし」

「誰も受けねーゴミみたいな雑用仕事でもちゃんとやってりゃ宝みたいな仕事が混ざってる…って事か」

「玉石混交っつーわけね」


俺の適当な返しに藤原が考えるように言い、柴田は納得したかのように呟く。


「おめーらもギルドの依頼を選ばずに受けてりゃなんか良い事あんじゃね?」

「今更んなめんどくせー事したくねーわ」

「俺ガチャ運とかあんま良くねーしな…見つかる前に飽きると思う」

「ま、金に困ってなきゃ依頼を受けるメリットもねーか」


俺が提案するも藤原と柴田は拒否するので適当に締めて話題を終わらせる。
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