クラスまるごと異世界転移

八神

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「対策は万全にする、という言質を取ったからもし災害が起きたとしても我々に非は無い。ソコは対応を誤った王や王子の落ち度だろう」

「だと良いんだけど」


フォローのような言葉をかけてきた王子に俺は適当に返して家の中に入った。


「で、どうする?一応俺は王宮に戻ってトラックの研究を手伝うつもりだけど」

「ソレは私にも関係のある事だ。是非ご一緒させてもらおう」

「じゃあ行きますか」


俺の問いに王子も共同研究に協力するような事を言うので…


俺は柴田達のところに居る兵に昼飯を作るよう指示をしてから王子と共に傘をさしながら王宮へと向かう。



…そして夕方。



「…おっと、もうこんな時間か。そろそろ夕飯の時間だな…あと少ししたら帰らねぇと」

「…晩餐会、開く?」

「おお!ソレは良い!是非ともご馳走になろう!」

「うむ。交流会として私も参加しよう」


俺が時計を見ながら言うとこっちの王子が提案してモニクァとトルツの王子が賛成する。


「俺は畏まった場は苦手だからパス。マナーとか面倒くせーし」

「大丈夫…少人数の、食事会にするから」

「食事会か。それなら…じゃあ俺の友達も呼んで良い?」

「問題無い」


俺の断りにこの国の王子が気を遣うような事を言うのでその言葉に甘えて斉藤達を誘って良いか聞くと許可してくれた。


「マジか。流石王子、器がでけーってか懐がひれーな」

「…そこまででも」


俺が褒めると王子は照れたように謙遜するかのような否定を返す。


「んじゃ早速……もしもし?柴?」

「おう、どした?」

「なんかこっちの国で食事会やるらしくて、お前ら全員来て良いって。どうする?」

「マジ!?ちょっと折り返すわ!」

「おう」


俺は部屋を出て廊下を歩きながら柴田に電話をかけて伝えると女子達に確認を取ってくれるのか柴田は一旦通話を切る。


「…お。もしもし?どうだった?」 

「藤も女子もオッケーだと」

「んじゃ藤に…ん?あ」

「……あ」


柴田との電話中に何故か王宮の廊下で制服姿の女子を見かけて呟くと、俺の声が聞こえたであろう女子も振り返って俺を見て数秒の沈黙の後に思い出したかのように呟く。


「またクラスメイトか。誰だっけ?」

「クラスメイト?って事はやっぱり現実世界の?」

「おい、海。何かあったのか?」


俺が制服姿の女子に話しかけるとあっちも不思議そうに聞いて来て柴田が電話越しに尋ねてきた。
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