クラスまるごと異世界転移

八神

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「お、噂の人が来た」

「…噂?」

「そーそー。金属のアレコレについての研究をしてるって話をしてた」

「…ウミハラ殿、内容は一応機密事項ですから、このような人通りの多いところでは…」


俺の軽口にこの国の王子は周りを見ながら苦笑いしたように注意してくる。


「ははは!どこの国の王子もウミハラ殿の前では為す術がないな!」

「ウミハラ殿は機密情報を簡単に他人に話してしまうが、他の国の機密情報も簡単に話してくれるから対応が難し過ぎる」


その様子を見たモニクァの王子が豪快に笑いながら言うとトルツの王子も困ったような感じで笑って賛同した。


「あ、そういやモーターの性能を上げるための金属とか材料を探してるんでしょ?もしかしたらこの王子に頼めば条件にあった材料を作ってくれるかもよ?」

「なんだと!?」

「…え?」

「また目の前で非公式の共同開発がうまれるのか」


俺の閃きでの発言にモニクァの王子が反応するとこの国の王子が状況が理解出来ないかのように呟き、トルツの王子が呆れたように言う。



「…お、委員長じゃん。久しぶり」

「…ん?あっ!」


モニクァの王子がこの国の王子に要望を伝えてると制服姿の男子が目の前をすれ違うので声をかけるとあっちも俺に気づく。


「海原くん!?久しぶり!!元気そうで良かったよ!」

「委員長も元気そうだな。もしかして冒険者やってる?」


クラスの委員長である飯島が嬉しそうに駆け寄ってくるので俺は小手や武器を装備してるような格好を見ながら尋ねる。


「はは、元の世界じゃ勉強ばっかだったからね。せっかくの機会だから普段やれない事をやって思いっきり楽しんでみようと思ったんだ」

「へー、良いじゃん。素晴らしい考えだと思うよ」

「海原くんは今なにを?この人達は?」


気恥ずかしそうに答える飯島に俺が賛同すると王子達を見ながら聞いて来た。


「えーと、こっちがトルツの第四王子でこっちがモニクァの第二王子…んで、こっちはこの国の第三王子」

「ん?俺を呼んだか?」

「……お、王子…?」

「そう。ちょっくらトルツの王子に仕事を頼まれて来たら、今委員長と会ったみたいにココで偶然会った」


俺の紹介にモニクァの王子が反応すると飯島は驚いたように呟くので軽く経緯を話した。


「…ウミハラ殿、この人は…?」

「俺の同級生」

「ほう?ウミハラ殿の知り合いとな」

「う、海原くんゴメン。実はこれからクエストがあって…パーティメンバー待たせてるんだ」


この国の王子の問いに俺が答えるとモニクァの王子がニヤリと笑って見るので委員長は萎縮したように用事の内容を言う。
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