224 / 556
224
しおりを挟む
「…どこの家も大きい物だな。まるで貴族の屋敷だ」
「そりゃ貴族の別邸を譲ってもらってっからな。どこも豪邸よ」
「…各方面にパイプがあるんだな」
「でも無いぜ?貴族達と直接交渉してるのはあっちの第一王子だし。俺はソレを報酬として貰ってるだけだからな」
ワウシャープの家の中を見渡しながら呟く王子に理由を話すと意外そうに勘違い発言をかますので、俺は誤解を解くように訂正する。
「…なるほど」
「だから感謝するなら俺とか藤だけじゃなくてあっちの王子とか王様にも感謝した方がいいと思うよ。俺らは直接的に関わってっけど、王子達も間接的には関わってるわけだし」
…深山の例があるので、俺やあいつらに評価が集中すると変な期待とかされた時に面倒なので、俺は評価を分散させるべくあっちの王子や王様にも押し付けるように言う。
「そうだな…助言痛み入る。感謝しよう」
「んで?とりあえず俺は何をすれば良いの?」
「この王都全体に雨を降らせて欲しい。一日中降り続くような大雨だとありがたい」
「雨ねぇ…一日で済むかどうか分からないよ?」
「ソレは重々承知の上だ」
外に出ながら王子に仕事内容を尋ねると意外な事を言われたので先に警告するもどうやら『釈迦に説法』のようだ。
「王都全体か…20人ぐらいいるかな…?」
「すまない、作業の前に先に報告をしたいのだが」
「報告?」
「ああ、今そのままやったら自然現象だと思われるだろう?我々の手柄である事を示さねば」
俺がさっそく作業に入ろうとしたら王子に止められる。
「…俺も行くの?」
「無理強いはしないが来てくれるとありがたい」
「まあ暇だからいっか」
俺の確認に王子が選択を委ねて来るのでとりあえずついて行ってみる事にした。
ーーーーーー
「おお、ウミハラ殿ではないか!」
俺らが王宮に向かって歩いていると…街中でモーターを研究してる国の王子とバッタリ会って声をかけられた。
「ん?あ、えーと…どこの国だっけ?」
「モニクァだ。もう忘れたのか?」
「色んな国の研究を手伝ってるから覚えきれないんだよね」
「もしや…モニクァの第二王子のヒルミィ殿では?」
俺の質問に第二王子が笑いながら答えて確認するので言い訳をするとこっちの第四王子が驚いたように確認する。
「いかにも。俺がモニクァの第二王子のヒルミィだ。…ん?もしやそちらはトルツの第四王子であるイスマール殿では?」
「奇遇でありますな。こんな所で出会うとは」
「ははは!確かに。ウミハラ殿と一緒という事は何かの研究ですかな?」
「まあ、似たようなものです」
王子同士は素性の確認を行うと握手しながら挨拶を済ます。
「そっちも研究で来たの?」
「その通りだ。何か良い材料が無いものかと探しに来た」
「なるほど…このワウシャープは冶金技術に優れているから材料探しにはうってつけですな」
「確かそんな研究もしてたな。第三王子だったっけ?」
「…ん?もしや、ウミハラ殿…では…?」
…『噂をすれば影』とは良くいったもので、俺と王子達が話していると何故か噂の王子が現れた。
「そりゃ貴族の別邸を譲ってもらってっからな。どこも豪邸よ」
「…各方面にパイプがあるんだな」
「でも無いぜ?貴族達と直接交渉してるのはあっちの第一王子だし。俺はソレを報酬として貰ってるだけだからな」
ワウシャープの家の中を見渡しながら呟く王子に理由を話すと意外そうに勘違い発言をかますので、俺は誤解を解くように訂正する。
「…なるほど」
「だから感謝するなら俺とか藤だけじゃなくてあっちの王子とか王様にも感謝した方がいいと思うよ。俺らは直接的に関わってっけど、王子達も間接的には関わってるわけだし」
…深山の例があるので、俺やあいつらに評価が集中すると変な期待とかされた時に面倒なので、俺は評価を分散させるべくあっちの王子や王様にも押し付けるように言う。
「そうだな…助言痛み入る。感謝しよう」
「んで?とりあえず俺は何をすれば良いの?」
「この王都全体に雨を降らせて欲しい。一日中降り続くような大雨だとありがたい」
「雨ねぇ…一日で済むかどうか分からないよ?」
「ソレは重々承知の上だ」
外に出ながら王子に仕事内容を尋ねると意外な事を言われたので先に警告するもどうやら『釈迦に説法』のようだ。
「王都全体か…20人ぐらいいるかな…?」
「すまない、作業の前に先に報告をしたいのだが」
「報告?」
「ああ、今そのままやったら自然現象だと思われるだろう?我々の手柄である事を示さねば」
俺がさっそく作業に入ろうとしたら王子に止められる。
「…俺も行くの?」
「無理強いはしないが来てくれるとありがたい」
「まあ暇だからいっか」
俺の確認に王子が選択を委ねて来るのでとりあえずついて行ってみる事にした。
ーーーーーー
「おお、ウミハラ殿ではないか!」
俺らが王宮に向かって歩いていると…街中でモーターを研究してる国の王子とバッタリ会って声をかけられた。
「ん?あ、えーと…どこの国だっけ?」
「モニクァだ。もう忘れたのか?」
「色んな国の研究を手伝ってるから覚えきれないんだよね」
「もしや…モニクァの第二王子のヒルミィ殿では?」
俺の質問に第二王子が笑いながら答えて確認するので言い訳をするとこっちの第四王子が驚いたように確認する。
「いかにも。俺がモニクァの第二王子のヒルミィだ。…ん?もしやそちらはトルツの第四王子であるイスマール殿では?」
「奇遇でありますな。こんな所で出会うとは」
「ははは!確かに。ウミハラ殿と一緒という事は何かの研究ですかな?」
「まあ、似たようなものです」
王子同士は素性の確認を行うと握手しながら挨拶を済ます。
「そっちも研究で来たの?」
「その通りだ。何か良い材料が無いものかと探しに来た」
「なるほど…このワウシャープは冶金技術に優れているから材料探しにはうってつけですな」
「確かそんな研究もしてたな。第三王子だったっけ?」
「…ん?もしや、ウミハラ殿…では…?」
…『噂をすれば影』とは良くいったもので、俺と王子達が話していると何故か噂の王子が現れた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
308
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる