クラスまるごと異世界転移

八神

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「ち、ちょっと男爵…それは…」

「…コレが料金表だぜ?ホントに払えんの?」


佐藤が止めるように呟くので俺は農作業の料金表を見せる。


「…なんと!……じゅ、10ヘクタール頼みたいが、割引などは…」

「じゃあ…1.5倍ぐらい?」

「農耕で金貨30万か…」

「30万!?ちょ、ちょっと見せて!」


オッサンの値段交渉に俺が応じると紙を見ながら呟き佐藤が驚きながら紙を受け取った。


「え!?こんな高いの!?」

「おめーん時は初めてだから安くした、つっただろ」

「収穫を除いて金貨360万…か…」


作業の値段を見てまたしても驚く佐藤に俺が思い出させるように言うとオッサンが悩みながら呟く。


「…アレで半額以下まで下げてくれてたんだ…」

「ありがたく思えよ」

「うん。ありがと…次もよろしくね」

「次は半分取るからな。その次で定価だ」

「うっ…!じゃあ次は思い切って30ヘクタールぐらい…」

「…仕事を、依頼する…!」


俺と佐藤が話しているとオッサンが苦々しい顔で決断したように言う。


「お、マジで?結構な金が必要よ?」

「…領民のためを思えば仕方あるまい。必要な出費だ」

「へー、昨日のアイツもこの人を見習って欲しいもんだな」

「伯爵令嬢に『アイツ』はないでしょ」


俺の確認にオッサンが頷くので昨日の女性を引き合いに出すとまたしても佐藤が咎めてくる。


「んじゃさっそく…行きますか」

「ああ!馬車を用意させよう!」

「いや、いいや…俺について来て」


俺はオッサンの提案を却下して城の近くにある移動拠点へと移動した。


そして目的の村の名前を聞くと藤原に電話してスキルの連携でオッサンと一緒に拠点移動する。


「…こ、ココは…!!」

「んで?俺はどこで何をすれば良いワケ?」

「あ、ああ…案内しよう」


家から出て驚くオッサンに仕事内容を聞くとまだ困惑したまま村の中を先導するように歩き出した。




ーーーーーー




「…この4ヘクタールの果樹園にオレンジで最後だ」

「ココも干ばつか…意外と雨って降らないものなの?」


オッサンに畑や果樹園を4カ所ほど案内されて仕事内容を説明された俺はこの前のトルツの事を思い出しながら聞く。


「いや…一昨年までは毎年一定量の雨が降っていたんだが…何故か去年から全くと言っていいほど降らなくなってしまった」


やはり我々の信仰心が薄れてしまったからだろうか…?と、オッサンは説明した後に不思議そうに見当違いな事を言い出した。
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