クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
上 下
209 / 556

209

しおりを挟む
「…いや、でも洗濯とか考えたら近いうちに買いに行かねーかな?」

「…水着プレイか…ありだな」

「水中でヤるんなら事前に言えよ。その後掃除しねぇといけねーし」


椅子に座っての柴田の予想に藤原が女子達を見ながら想像したように真面目な顔で頷くので俺は今のうちに釘を刺しとく事に。


「つーか永江のやつ泳ぎ方ヤバくね?」

「完全に蛇だな」

「人と同じ身体でも蛇と同じ事ができるってある意味凄ぇわ」


水面に浮かびながら右に左に蛇行して進む永江を見ながら藤原が聞いてくるので俺と柴田は賛同した。



…そして翌日。



「…この後釣り行かね?」

「「釣り?」」


いつものように朝から野郎三人で狩りゲーをしてると9時ぐらいになって藤原が唐突に提案してくる。


「そーそー。意外とおもしれーぜ?」

「釣りか…小学生ん頃に少しだけやった事あるけど、釣れないと面白くなくね?」

「俺も昔少しだけやった事あるけど暇だったからすぐに飽きたな」

「チッチッチ…分かってねーな…良いか?釣りってのはただ魚を捕るだけじゃねーのよ。自分との闘いよ?」

「なんだそりゃ」

「意味分からん」


俺と柴田が難色を示すと藤原は人差し指を振って急に意味分からん事を言い出した。


「魚がエサに食いつくまで待つ忍耐力と集中力が必要でな。ソレを鍛えるために空いた時間を使って瞑想しとくわけだ」

「自分との闘いいるか?ソレ」

「集中力と忍耐力を鍛えるのは自分との闘いだろうがよー!えー!釣りを極めると魚の気配が分かるから達人になると入れ食い状態になるんだぜ!」

「なんだそりゃ」

「意味分からん」


藤原の説明に柴田が聞くとえらいテンションを上げながら力説してくるので柴田と俺は呆れながら返す。


「とりあえずやってみれば分かるって!コレ終わったら行こうぜ!」

「はいはい」

「しょうがねーな…」


藤原がしつこく勧めてくるので俺と柴田は面倒になって折れた。


「で、釣竿とかどうすんだ?」

「どっかの釣具屋で買う」

「んじゃ持って行くのは椅子とクーラーボックスぐらいか?」

「あと帽子とか…そうだな、パラソル的なのも欲しいか。サマーベッドもありゃ上等なんだが…」

「ソレ釣りじゃなくて海水浴じゃね?」

「浜辺で必要な物ばっかじゃねーか」


ゲームのクエストが終わったので電源を切りながら聞くと藤原は考えながら必要な道具を話し、ソレを聞いて俺と柴田がツッコんだ。


「日差し対策だからしょうがねーだろ。ただ座ってるだけだと腰も痛くなるし」

「瞑想はどうしたんだよ」

「忍耐力のカケラもねぇじゃねーか」

「…ま、まあ俺は経験者とはいえ素人だからな。達人と比べたら劣るのはしょうがない」


理由を話す藤原にまたしても俺と柴田がツッコむと言い訳をし始めた。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

初めての異世界転生

藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。 女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。 まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。 このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ) そこは、剣と魔法の世界だった。 2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。 新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・ 気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...