クラスまるごと異世界転移

202

「トルツの王様とか王子の体調が悪いんだと」

「あー、ソレで深山を」

「観光ってそういう事か」

「一応ほら…あっちからの深山の好感度を上げときゃあ他の国がちょっかい出した時に守ってくれそうじゃん？」

「…他の国ってかあの国だろ？」

「確かに少しは根回しとかしといた方が良いかもな。あのアホだと何やらかしても不思議じゃねぇし」


俺の説明に柴田と藤原は納得したように返す。


「お、なんだこの春巻きめっちゃ美味ぇ！」

「マジで？…マジだ！…前までこんなんあったっけ？」

「あー…ソレ、料理長の新作だな。なんかの肉を薄く伸ばして皮にしてんだったかな？」

「「マジで！？」」


藤原が料理長の新作料理を食べて驚くと柴田も同じ物を食べて驚くので俺が軽く説明するとまたしても二人は驚く。



…そして翌日。



イスマール第四王子を送るついでに俺らもトルツに行こうとしたら…


なんかこの国の第一王子と佐藤もついてきた。


そんでもって第四王子に城へと案内されたので深山がスキルを使ってパパッと王様を含む色んな人達を治してから俺らは城下町へと観光へと向かう。


「おめーも来んのかよ」

「悪い？」

「お前事情を説明するために来たんじゃねーの？」

「そんなのギル一人で十分だって。ちゃんと許可貰ったし」


…なぜか一緒について来た佐藤に柴田が軽くツッコむと不機嫌そうに返され、藤原の問いに適当な感じで答える。


「にしても王都ってどこの国もこんな感じなのか？」

「首都圏ならどこも盛んじゃない？貧しい国とかでも一応はこんな感じだと思う」


街中のかなり賑わっている様子を見ながら俺が聞くと佐藤が予想しながら返した。


「あ！アレなんだろ？」

「お、わたあめっぽいのがあんぞ」

『む、アレは…！』

「虫の佃煮か？こんな世界にもあんだな」


俺らは色んな露店や店を回りながらとりあえず気になった物は試食していく。


『もっと無いのか？』

「お客さん、気に入ったならどうです？お安くしておきますよ？」

『海殿海殿！買ってくれ！』

「えー？…まあいいか。とりあえずどれが欲しいんだ？」


どうやら永江は虫の佃煮が気に入ったらしく近くに居た俺を呼び出して要求してくるのでしょうがなく買ってやる事に。





ーーーーーー





「あ、見て見て。この服可愛くない？」

「うーん…確かに可愛いけど、このカーディガンとは合わないかな？」

「カーディガンは腰に巻けばいいんじゃない？それでも装備扱いだし」

「へー、そうなんだ」

「…お。この服なんかパンクっぽくね？」

「黒い布地に赤いドクロはミュージシャンと間違われねーか？」

「あの袖無しの革ジャンっぽいやつと合わせたらパンク系だな」


女子達が急に店の中に入って洋服を選び出したのを見て俺らも近くにある適当な服を取ってなんか良いのが無いかを探す。


「おお！？見ろよ。コレ、ヤバくね？」

「うわ、マジでパンクロック系じゃねーか」

「いや流石にソレ着てる奴とは一緒には歩けねーわ」


藤原が何かを発見したかのように服を俺らに見せるので、その片側の袖が無く…側面が切られてて紐でバツ印のように繋がれてるシャツを見て柴田と俺は笑って拒んだ。