クラスまるごと異世界転移

八神

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「だと良かったんだけどな」

「マジかぁ~…ってか、じゃあ親書とかも捨てられた?」

「いや、証明書が捨てられた以上は親書も燃やされそうだからまだ渡してない」

「じゃあもうソレ、トルツの王子に渡してよ。もはやクランチェスターは信用出来ないって!」


マジで燃やされかねないし!と、佐藤は怒りながら指示してくる。


「へいへい…で?何か用があったんじゃねーの?」

「あ!そうそう特産品の話、アイシェ…だっけ?料理長から聞いたよ!ありがと!」

「ああ、あのワインね…当面はあの金を資金にして凌げよ」

「うん!なんかめっちゃ金が入ってくるみたいじゃん?しばらくは金に困らずに済みそう!」

「そりゃ良かったな…っと。王子が戻って来たからまたな」

「うん。じゃあね」


佐藤と話をしてるとトルツの王子が戻って来たので俺は通話を切った。


「どうだった?」

「…正直言って奴らの腐敗度合いは我々の想像の遥か上だ。証拠が無い以上何があっても君を使者とは認めないらしい…このままじゃ下手すれば明日には君を殺して証拠隠滅を図る勢いだ」

「証拠、ねぇ…一応ドロウィンの王様から預かって来た親書があるけど?佐藤からはそっちに渡してって言われたし」

「親書!ソレがあれば…」

「いや、多分普通に逃げた方が良いと思う。今の話聞いてたら絶対燃やすでしょ?」


王子の話を聞いて親書の入った封筒を見せると喜んだ様子を見せるが俺はアイツらに渡す案を却下する。


「それもそうだ。この扉の鍵を開けてもらいたい」

「…え?いや…それは…許可が無いと…」

「ならば力づく、という事になるが…」

「分かりました。開けます」


王子の指示に兵士が拒否するも脅しに負けたのか結局俺の牢の扉を開けた。


「お、ありがとう」

「い、いや…脅されて…仕方なくだ」

「んじゃ俺のせいにしといてね。王子のせいにすると後々こじれそうだし」

「あ、ああ…アイシェ、ありがとな」

「ちゃんと冷やして保管しといてよ。じゃ」


看守の兵士と少しだけ話した俺は王子と一緒に城を抜ける事に。


「俺の後ろに隠れて下を向いておいた方がいい。顔を見られなければなんとでもごまかせる…はず」

「はいはい。よろしく」


俺は王子の指示に従いフード付きのローブを被って下を向いて後ろから従者のようについて行く。


「おお!コレはコレは…!トルツの第四王子ではありませんか!研究の方はどうですかな?」

「今から助手と野外実験に。元奴隷なので人間不信で人見知りなのです…どうかご理解を」

「そうですか。実験が上手く行くように幸運を祈りますぞ」


声から聞くに宰相っぽいおっさんはやっぱり無能らしくアッサリと俺を見逃してそのまま王子と共に城外に出る事に成功。


「さーて、俺は一旦家に戻るけど一緒に来る?」

「…いや、部下達に一刻も早くこの国から脱出するよう指示を出さなければ…」

「そう?じゃ、住所だけ教えとくから後から来てよ」

「ああ、必ず行こう。ではな」


俺は王子と一旦別れてこの国の家へと戻って藤原に電話してスキルの連携で帰宅した。


「ただいまー」

「おー、おかえり。どうだった?」

「いやー、ソレがやっぱ捕まってな。地下牢にぶち込まれたわ」

「ははは!マジで!?やば、あっちの王の無能さよ!」

「普通友好国の使者を牢屋にぶち込まねーだろ!んな事したら戦争待ったなしだぜ!」


藤原の問いに俺があっちでの出来事を話すと柴田が笑いながらあっちの王様を馬鹿にして藤原も笑う。
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