クラスまるごと異世界転移

八神

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「お、早かったな」

「何しに行ったんだ?」

「なんかこの村に『神の舌』と呼ばれる女が居たんだと」

「「神の舌!?」」


柴田と藤原はいつものようにモニターから目を離さずに聞いてくるので俺が戻って来た用件を言うと二人同時に驚きながら振り向く。


「そーそー。なんでもワインに関しちゃ右に出る者は居ないとか」

「へー。だから勧誘しようってか?」

「みたいだな。上手くいけばめっちゃ美味いブドウジュースとか作れんじゃねーの?」

「マジか!期待してるぜ、海」

「あいよ」


またしてもモニターに目を向けながら言ってくる二人に俺は適当に返事をしてから教会へと向かった。


そして神父やシスター達に『神の舌』を持つ女の事を聞いた結果…


どうやらまだこの村に居るようなので家の場所を聞いてソコへと向かう。


「…ココか」

「…はーい。どちらさんでー?」


家のドアをノックすると女の声が聞こえてバタバタと足音が聞こえて来る。


「はいはーい。…ん?君は…聖女様のところの…?僕に何の用だい?」

「…とりあえずコレ」


まだ20代ぐらいの若いお姉さんが出てきた事に驚きつつ『そんな良い年した女が僕っ娘って…』と俺は若干ヒきながら料理長から渡された紹介状を差し出した。


「封筒?…コレはこの国の王族の…!それも王妃様の印じゃないか!いったいなにが…!」


お姉さんは封筒を裏返して封として押されていた印を見ると慌てたように中身を確認し始める。


「…え?ガンディーニシェフの…紹介状?」

「なんか神の舌の力を借りたいんだって」

「…力を貸したい気持ちはあるけど…ちょっと王都は遠すぎるかな?あまり期間を空けると今作ってるアイシェがダメになっちゃうし」


中身を見て拍子抜けしたように呟いたお姉さんに用件を言うも難しい顔で拒否られてしまう。


「じゃあ今日だけなら協力してくれる?」

「…まあ、今日だけなら…で、僕は何をすれば良いの?」

「とりあえずついて来て」

「分かった」


そう確認すると了承して聞いてくるので俺はお姉さんを王都へと移動させるために家へと連れ込んだ。


「おーい、藤。一人増えっけど頼むわ」

「オッケー…ぐわっ!急降下でめくっての乱打コンボはキツイ!」

「ははは!甘いな、藤!」


帰宅してまだゲームしてる藤原にお願いすると普通に了承してくれたのでお姉さん共々俺とのスキルの連携で王都の移動拠点へとワープした。


「…え?え!?ココどこ!?さっきと場所が違うんだけど!?」

「ついて来て」


周りを見て驚くお姉さんをスルーして俺は家を出て城へと向かう。


「…そんな…まさか…!もしかして…ココ、王都じゃ…!」

「迷子にならないようにね」


更に外の景色を見てパニック状態に陥ってるお姉さんに一言注意してから城の裏側へと回る。
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