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「おおー。確かに」
「俺の個人的な意見としてはアイシェとかが欲しいな」
「アイシェ?」
「兄ちゃんにはまだ早いかもしれんが、果実酒の事だ。早い話がブドウを使った酒だな」
「ああ、ワインの事か」
料理長の聞きなれない単語に聞き返すと軽く説明してくれるので俺は頭の想像してから呟いた。
「ワイン?」
「俺らんとこではブドウで作った酒はそう呼ばれてた。20年とか30年とか寝かすと美味くなるんだと」
「ほお…まさにアイシェだな」
「…確かにワインを特産品にするのは良いかもしれない…料理長、作り方を教えてくれ」
「ああ、分かった。俺はこれでも自称アイシェ通でな…語らせたらちょっとはうるさい男よ」
「話はあとで聞くからとりあえず先に作り方だけ教えてくんない?」
フッ…と得意げに笑ってキメ顔でそう言う料理長を軽く流して俺は今必要な情報だけを聞く。
ーーーーーー
「…後は数日発酵させて樽に詰め、熟成を待つだけだ」
「へー、意外と簡単なんだ」
「ははっ!ここまでは、な。一番難しいのはココからさ」
厨房の地下にある今は使われていない保管庫の中で、10リットルほどのブドウジュースを見ながら俺が呟くと料理長は笑いながら注意する。
「ま、出来上がりを楽しみにしてるぜ」
料理長が部屋から出て先に厨房へと戻って行くので…
俺は魔導兵を召喚して魔法の力でジュースを強制的に発酵させる事にした。
「うーん…発酵の度合いが分からん。まあいいや」
ジュースを発酵させたはいいが目安も何も分からないのでとりあえず兵にメモを取らせながら小さいタルに2リットルづつ詰めていく。
そしてそのタルに発酵時間を早い、やや早い、普通、遅い、やや遅いと適当に分けたラベルを貼る。
「後は熟成…熟成?」
熟成ってなんだ?と思いながら厨房に戻って料理長にワインの話をしてもらい、兵に聞かせた。
「あ」
俺は保管庫に戻ってボーッとタルを見てるとふとトルツの魔法の研究に『果実の熟成』ってのがあったのを思い出したので、良く分からんがとりあえずやってみる事に。
…そしてやる事が無くなったので一時帰宅して柴田達とゲームで暇を潰し、昼食後にまた城の厨房の保管庫へと戻った。
「料理長、ちょっと味見お願い」
「味見?ただのブドウジュースだろ?…まあいいが」
この数時間でどれくらい熟成出来たのか分からないので料理長に試飲をお願いすると不思議そうに了承する。
「うおっ…少し寒いな…」
「あー…ちょっと今実験中だから、15℃まで下げてる」
「実験?」
「ワインの熟成期間を短縮させる方法を探しててね。はい」
「ははは。そんなモンがあるなら是非お目にかかりたいもの…っ…!?」
小さいタルの木製の蛇口からコップにワインを少し入れて渡すと料理長は笑いながら香りを嗅いで驚いたような表情になった。
「俺の個人的な意見としてはアイシェとかが欲しいな」
「アイシェ?」
「兄ちゃんにはまだ早いかもしれんが、果実酒の事だ。早い話がブドウを使った酒だな」
「ああ、ワインの事か」
料理長の聞きなれない単語に聞き返すと軽く説明してくれるので俺は頭の想像してから呟いた。
「ワイン?」
「俺らんとこではブドウで作った酒はそう呼ばれてた。20年とか30年とか寝かすと美味くなるんだと」
「ほお…まさにアイシェだな」
「…確かにワインを特産品にするのは良いかもしれない…料理長、作り方を教えてくれ」
「ああ、分かった。俺はこれでも自称アイシェ通でな…語らせたらちょっとはうるさい男よ」
「話はあとで聞くからとりあえず先に作り方だけ教えてくんない?」
フッ…と得意げに笑ってキメ顔でそう言う料理長を軽く流して俺は今必要な情報だけを聞く。
ーーーーーー
「…後は数日発酵させて樽に詰め、熟成を待つだけだ」
「へー、意外と簡単なんだ」
「ははっ!ここまでは、な。一番難しいのはココからさ」
厨房の地下にある今は使われていない保管庫の中で、10リットルほどのブドウジュースを見ながら俺が呟くと料理長は笑いながら注意する。
「ま、出来上がりを楽しみにしてるぜ」
料理長が部屋から出て先に厨房へと戻って行くので…
俺は魔導兵を召喚して魔法の力でジュースを強制的に発酵させる事にした。
「うーん…発酵の度合いが分からん。まあいいや」
ジュースを発酵させたはいいが目安も何も分からないのでとりあえず兵にメモを取らせながら小さいタルに2リットルづつ詰めていく。
そしてそのタルに発酵時間を早い、やや早い、普通、遅い、やや遅いと適当に分けたラベルを貼る。
「後は熟成…熟成?」
熟成ってなんだ?と思いながら厨房に戻って料理長にワインの話をしてもらい、兵に聞かせた。
「あ」
俺は保管庫に戻ってボーッとタルを見てるとふとトルツの魔法の研究に『果実の熟成』ってのがあったのを思い出したので、良く分からんがとりあえずやってみる事に。
…そしてやる事が無くなったので一時帰宅して柴田達とゲームで暇を潰し、昼食後にまた城の厨房の保管庫へと戻った。
「料理長、ちょっと味見お願い」
「味見?ただのブドウジュースだろ?…まあいいが」
この数時間でどれくらい熟成出来たのか分からないので料理長に試飲をお願いすると不思議そうに了承する。
「うおっ…少し寒いな…」
「あー…ちょっと今実験中だから、15℃まで下げてる」
「実験?」
「ワインの熟成期間を短縮させる方法を探しててね。はい」
「ははは。そんなモンがあるなら是非お目にかかりたいもの…っ…!?」
小さいタルの木製の蛇口からコップにワインを少し入れて渡すと料理長は笑いながら香りを嗅いで驚いたような表情になった。
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