クラスまるごと異世界転移

八神

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「んじゃ、頼むわ」

「おう」


俺は藤原とのスキルの連携で一足先に現地の村へと移動する。


そして運ぶ物を確認してから佐藤に電話して村へと呼び寄せた。


「コレを全部王都に運べば良いんだろ?」

「そう」

「んで?どこに運ぶんだ?移動拠点の近くか?それとも王都の外れか?」

「えーと……移動拠点の近く…でも良いかな?」

「オッケ」


俺の確認に佐藤が考えながらそう返すので…


俺は大量の兵を召喚して収穫した小麦や大根、果物が乗ったリアカーを家まで運ばせる事にした。


「…本当はあんまりこういう事をしたくはねーんだが…藤、頼む」

「ほいほい」


…ある程度運び込んだところで俺は気乗りせずに呟いて藤原に電話をかけ、スキルの連携で佐藤と一緒に王都へと戻る。


「…どうするの?」

「普通に運ばせる。ほら」

「え!?」


家から出た佐藤が心配したように聞いてくるので俺が適当に返しながら小麦の入った袋を担いで家の中から出てきた兵を見せると…


佐藤はえらく驚いたように固まった。


「な、なんで!?どうやって!?」

「スキルの応用、だな。あっちで兵に物を持たせたままコッチに召喚したってだけよ」

「そんな事が出来んの!?…いや、ほぼワープじゃん…」


どんどん家の中から出て来ては袋を家の外に置いてまた家の中に入って行く兵を見ながら佐藤が方法を聞いてくるので、簡単に説明してあげると何故か愕然としたように呟かれる。


「まあ結構めんどくせーからこの規模ではあんまやりたくねーんだけどな。だから次からはやらねーぞ」

「えー…」

「今回は領主初心者のおめーのためのチュートリアルサービスとしてやっただけだし」

「…いくらならやる?」

「金欠の状態なら要相談だな。金に余裕がある時にはそもそも依頼を受けん」

「えー」


佐藤の確認に俺がそう返すとめっちゃ不満そうに返された。


「本当なら今回もやる気は無かったんだけど…あの執事のおじさんが運び易いように小分けしててくれてたからちょうど良かっただけで」

「え。じゃあどうやって運ぶ気だったの?」

「車で」

「車?そんなのこんな世界にあるわけないじゃん。あ、もしかして馬車のこと?」


俺がため息を吐きながら言うと佐藤がちょっと驚いたように聞いてきて別の案を話すも呆れたように返され、勘違いとして処理されてしまう。


「いや、普通に車。この国の歯車の研究と、どっかの国のモーターの研究…そして魔法の研究で作れる」

「…ちょっと待って。…どういうこと?」

「…ウミハラ殿。それは最重要国家機密にあたる情報では?」


俺の説明に佐藤がついていけない…といった様子で理解不能的な感じを出して返すと今さっき来たばかりの執事のおじさんが焦ったような顔で指摘してくる。


「だったっけ?まあ俺には関係ねーけど」

「いやいやいや!待って、そんなわけないでしょ。海原が言ってるのが本当かどうか分からないしとても信じられないけど、だとしても国の秘密をそんなペラペラ喋らないでよ!」

「いやだって国と国の研究を合体させて共同研究にさせたのは俺だし」

「…はっ!?」


佐藤が長々とツッコんで来るので、めんどくせぇ…と思いながら返すとまたしても驚いたような反応をした。
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