クラスまるごと異世界転移

八神

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「…なるほど。正論と感情論の言い争いでは相性が悪く喧嘩になるのも頷ける」

「俺は間違った事は言ってねーぜ?」

「言い方とか話し方は間違ってるけどね!」

「アカリ、感情的になり過ぎだ。少し頭を冷やして来ては?」

「…そうする」


王子が佐藤に退出を促すと本人も自覚してるからか同意して部屋を出て行った。


「…はあ…どうしたものか…」


佐藤が出て行って少しした後に王子はテーブルの上に肘を着いて頭を抱えるようにため息を吐いて呟く。


「…すまない。アカリはみんなの前では分別がついていて、ああじゃ無いんだが…」

「みたいだな。料理長も驚いてたよ『喧嘩するほど仲が良い』って」

「…そうか」


王子の謝罪と言い訳に俺が佐藤の別の顔については前もって聞いていた事を話すとホッと安心したように呟いた。


「いやしかし…あの様子だと話が進まないな」

「そーいう時は距離を取るのが一番だな。冷静になれば話は通じるようになるし」

「…距離を取る、か……そうか!」


今度は腕を組んで考え始めた王子に俺が対処法を教えると何かを閃いたようだ。


「お、何か思いついた?」

「アカリに秘書を付ける。もしアカリが感情的になり始めたら通訳に話を通せばウミハラ殿との緩衝の役割を果たせる筈だ」

「…なるほどね。ヤバくなったら直接じゃなく間接的にするのか…確かにそれだと少しはマシになるかもな」

「ウミハラ殿のアドバイスのおかげだ。感謝する」

「いやいや、すごく良いアイディアだと思うよ」


王子の思いついた対応策に俺は感心しながら褒める。


「んじゃ、あいつが落ち着いたら電話するよう言っといてね」

「ああ、よろしく頼む」


俺は柴田達に報酬を渡すために一旦帰る事にして王子に伝言を頼んで移動拠点へと向かった。


そして藤原に電話してスキルの連携で帰宅する。


「どうだった?」

「7カ国の拠点を貰った。あと金」


モニターから目を離さないままの柴田の問いに俺は結果を報告しながら兵に金の入った袋を床に置かせていく。


「おわっ!?めっちゃいっぱいあんな!?いくら貰ったんだよ!」

「残りの4900万枚」

「4900万!?日本円で……49億!?やった!億万長者じゃん!」


袋を置く音を聞いて振り向いた藤原が驚いて聞いてくるので現金の数を言うと柴田も驚きながら振り向いて立ち上がった。


「…じゃあまず俺が2000万な?」

「おう」

「で、俺も2000万…んで女子に100万づつ。残りが海のでオッケー?」

「おう」


藤原と柴田の確認に俺は頷いてから現金を事前の打ち合わせ通りに分配する。


「いやー…にしても一袋で10キロって流石に重いですわー」

「2000万枚だと200キロにもなるからな。銀行に預けに行くのも大変だぜ」


二人は金の入った袋を持つと嬉しそうにニヤニヤと笑いながら言って自分の部屋へと運んで行く。


「あんま無駄遣いすんなよ。最低でも一割は残しとかねーと」

「大丈夫大丈夫。こんだけあれば少しぐらい使っても余裕で残るだろ」

「そーそー。こんなにあんだから多少は誤差の範囲内よ」


俺が注意するように釘を刺すも柴田と藤原は多分理解してないような感じで返してきた。
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