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「コレでもう一生金には困らなくなったな」
「どうかな…あの柴田と藤原でしょ?」
「…確かに。もし万が一の時はよろしく」
「えー…もう勘弁してよ」
俺の呟きに佐藤が名前を挙げて反論するように返すのでそれに同意して予防線を張るようにお願いするも面倒くさそうな顔で拒否られた。
「ははは。金に困ったならいつでも訪ねて来てくれ。それだけの価値が君達にはある」
「おー。見たか?おめーも王子みてーに懐の深い人間になれるよう頑張れよ」
「はいはい。ちゃんと勉強しますよ」
爽やかに笑う王子の言葉に俺が感心しながら佐藤に振ると不貞腐れた様子で賛同する。
「では次に土地だが…『クランチェスター』の土地は既に所持しているとの事なので他の国の土地建物を用意した」
確認してくれ。と王子は数枚の紙を差し出す。
「…ほー、どこも王都の中かそこに近い場所の町にあるんだな」
「ソコに家を持っている貴族と交渉した」
「へー…お。トルツもあんじゃん…ってか良く見ると、この国に来るお偉いさん達がいる国ばかりじゃね?」
「そりゃ基本友好国の土地の方が手に入れやすいでしょ?」
住所を見ながら俺が呟くと佐藤は呆れたような感じで返してくる。
「確かに」
「この7カ国の土地建物で金貨1300万枚相当だ。納得出来たらサインを」
「はいはい…コレで残りは2900万ぐらいか」
「…正確には2960万相当だが。現在も交渉中なので、物件が揃い次第連絡させていただく」
俺は書類にサインして王子に確認をさせてから外国の家をゲットした。
「…さて、どこか希望する国などがあれば聞いておくが…」
「うーん…強いて言うなら『ガライア』かな。沼内が居るらしいし」
王子が確認を終えた書類を渡しながら聞いてくるので俺は少し考えて国名を挙げる。
「ガライア?」
「ガライアか…分かった、探してみよう。…それと頼みがある」
「頼み?って仕事の依頼か?」
「いや…ウミハラ殿がアカリの事を快く思っていないのを承知の上でお願い申し上げる。どうか力を貸して貰えないだろうか?」
…話がまとまった後に王子は佐藤のために…と俺に頭を下げてまで頼み込んできた。
「えー…こんな直ぐキレ散らかしてくる女子とはあんまり関わりたくないんだけど」
「キレ散らかすまではいってないし!それに海原の言い方が悪いからでしょ!あんな言い方されたら誰だって怒るって」
「ああ?おめー俺が優しさでアドバイスしてやったってのに文句か?」
「アレはアドバイスじゃなくて説教でしょ説教!もっと他に柔らかい言い方とか、印象を考えてオブラートに包むとか色々あるじゃん!」
「回りくどい言い方して伝わるのか?オブラートに包んでもおめーが理解出来ずに意識が変わらなけりゃ言う意味ねーだろうが」
「ほら出た!その言い方!そんな刺々しく言わなくても良いじゃん!」
「じゃあ今のが柔らかくて印象が丸くなるような言い方を教えてくれよ」
「…それは…」
「ほらねーじゃん」
「そりゃ咄嗟に言われたらパッとは思いつかないっての!もうホント海原のそういうとこ嫌い!」
「…だそうだ」
俺の拒否から始まった佐藤との言い争いは、やはり佐藤の拒絶で話が終わってしまったので…
俺は目を瞑って腕を組み黙って聞いていた王子に話を振る。
「どうかな…あの柴田と藤原でしょ?」
「…確かに。もし万が一の時はよろしく」
「えー…もう勘弁してよ」
俺の呟きに佐藤が名前を挙げて反論するように返すのでそれに同意して予防線を張るようにお願いするも面倒くさそうな顔で拒否られた。
「ははは。金に困ったならいつでも訪ねて来てくれ。それだけの価値が君達にはある」
「おー。見たか?おめーも王子みてーに懐の深い人間になれるよう頑張れよ」
「はいはい。ちゃんと勉強しますよ」
爽やかに笑う王子の言葉に俺が感心しながら佐藤に振ると不貞腐れた様子で賛同する。
「では次に土地だが…『クランチェスター』の土地は既に所持しているとの事なので他の国の土地建物を用意した」
確認してくれ。と王子は数枚の紙を差し出す。
「…ほー、どこも王都の中かそこに近い場所の町にあるんだな」
「ソコに家を持っている貴族と交渉した」
「へー…お。トルツもあんじゃん…ってか良く見ると、この国に来るお偉いさん達がいる国ばかりじゃね?」
「そりゃ基本友好国の土地の方が手に入れやすいでしょ?」
住所を見ながら俺が呟くと佐藤は呆れたような感じで返してくる。
「確かに」
「この7カ国の土地建物で金貨1300万枚相当だ。納得出来たらサインを」
「はいはい…コレで残りは2900万ぐらいか」
「…正確には2960万相当だが。現在も交渉中なので、物件が揃い次第連絡させていただく」
俺は書類にサインして王子に確認をさせてから外国の家をゲットした。
「…さて、どこか希望する国などがあれば聞いておくが…」
「うーん…強いて言うなら『ガライア』かな。沼内が居るらしいし」
王子が確認を終えた書類を渡しながら聞いてくるので俺は少し考えて国名を挙げる。
「ガライア?」
「ガライアか…分かった、探してみよう。…それと頼みがある」
「頼み?って仕事の依頼か?」
「いや…ウミハラ殿がアカリの事を快く思っていないのを承知の上でお願い申し上げる。どうか力を貸して貰えないだろうか?」
…話がまとまった後に王子は佐藤のために…と俺に頭を下げてまで頼み込んできた。
「えー…こんな直ぐキレ散らかしてくる女子とはあんまり関わりたくないんだけど」
「キレ散らかすまではいってないし!それに海原の言い方が悪いからでしょ!あんな言い方されたら誰だって怒るって」
「ああ?おめー俺が優しさでアドバイスしてやったってのに文句か?」
「アレはアドバイスじゃなくて説教でしょ説教!もっと他に柔らかい言い方とか、印象を考えてオブラートに包むとか色々あるじゃん!」
「回りくどい言い方して伝わるのか?オブラートに包んでもおめーが理解出来ずに意識が変わらなけりゃ言う意味ねーだろうが」
「ほら出た!その言い方!そんな刺々しく言わなくても良いじゃん!」
「じゃあ今のが柔らかくて印象が丸くなるような言い方を教えてくれよ」
「…それは…」
「ほらねーじゃん」
「そりゃ咄嗟に言われたらパッとは思いつかないっての!もうホント海原のそういうとこ嫌い!」
「…だそうだ」
俺の拒否から始まった佐藤との言い争いは、やはり佐藤の拒絶で話が終わってしまったので…
俺は目を瞑って腕を組み黙って聞いていた王子に話を振る。
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