クラスまるごと異世界転移

八神

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「おめーらに『カッコいい』って言うノリで言ったんだけどその通りだな。やっぱ冗談で言うべきじゃねーわ」

「ソレで嫌われないだけ良かったな」

「その程度で嫌う女子居るか?…いや、居そうだな」


俺が柴田に同意しつつ反省しながら家に入ると何故か二人もついて来た。


「…お前ら運動してたんじゃねぇの?」

「いやー…良く考えたらスクワットは意味ねーな、って」

「まだ腕立てとか腹筋の方がマシな気がしてな」

「あっそ。頑張れよ」

「おいおいつれねーな…海もやろーぜ?誰が一番多く出来るか勝負しねぇか?」

「…言っとくが俺は腕立てなら200回は出来る男だぞ?後悔すんなよ」


藤原の誘いに乗って俺も筋トレの勝負に参戦する。


「んじゃ、行くぜ?ドン!」

「回数は、自分、で、数え、ろよ!」

「おう!」

「ぬおおお!」

「うおおお!」


柴田の合図と共に俺らは一斉に腕立て伏せをし始めたが…


回数の勝負なのに意味不明に藤原がスピードを上げて素早く動くのでソレを見た俺と柴田もつられて動きを早くした。


「やば、い…155、15…6!」

「う、腕が…!160…16…1ぃ!」

「はっはっは!甘いなお前ら。俺は既に200を超えてるぜ」


途中でガクンとスピードが落ちて苦しそうに腕立て伏せをしている柴田と藤原を横目に、俺は魔導兵の雷の魔法で強制的に身体を動かしてスピードを落とす事なく回数を稼いで行く。


「…ぐ…17…8…!…ダメだ」

「18…5…!…ダメだ…」

「だらしねーな。見よこの完璧な動き…300を超えても止まらねーぜ?」

「…ふぅ。海、おめーぜってー何かしてんだろ!じゃなきゃおかし過ぎるわ!」

「ドーピングでもしてんじゃねーか!?」

「まあ、惜しいな…あ、やべ…腕が動かなくなった」


柴田と藤原が腕立てを止めて息を整えてから追及してくるので俺は350回で止めると…


おそらく筋肉痛の影響で腕が自分の意思では動かせなくなっていた。


「「は?」」

「魔法で無理やり動かしたからその反動だな。痛みはねーが5分ぐらい動かんかも」

「いや完全にインチキじゃねーか!そこまでして勝ちたいか!?普通よ!」

「負けず嫌いもそこまで行くとすげーわ!腕が動かせなくなるまでやるって相当だぞ!」


俺の適当な説明に藤原と柴田がツッコむように食ってかかる。



…その夜。



「…ねえ、海君。農家の人達からお金をぼったくろうとしたってホント?」

「は?んな事した覚えはねーけど?」


夕飯後に三人でゲームをしていると深山が言いづらそうに確認してくるので俺は即否定した。


「でも農家の人達が嘆いてたよ?『あんな大金とてもじゃないけど払えない』って」

「だったらほっとけば良いんじゃね?別に金を強制的に要求したワケじゃねーし」

「なに?農家の奴ら深山達の優しさにつけ込んで海をタダで利用しようとしてんの?頭おかしくね?」

「金がねーなら自分達でなんとかすりゃあ良いのにな。教会に行って神頼みしてもどうにもならんだろ」


深山と俺の会話を聞いて藤原と柴田も俺に同意したような事を言う。
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