クラスまるごと異世界転移

八神

文字の大きさ
上 下
170 / 556

170

しおりを挟む
「大丈夫大丈夫。でも珍しいな、深山が電話かけてくるなんて」

「あー…うん…実はさっきの農家の人が周りに言っちゃったらしくて、他の農家さん達が教会に集まってきてて…」

「へー。シカトしとけば良いんじゃね?」


深山が言いにくそうな感じで言うので俺は無視するよう返す。


「…でも…なんとかならないかな?」

「金次第だな」

「なんだ?仕事の話か?」

「分からん。教会に農家の奴らが集まって来てなんとかして欲しいって頼んで来てんだと」

「はあ?農家ならテメェでなんとかしろよ…っと」


深山との会話を聞いてた藤原が不思議そうに聞いてくるのでそう返すと柴田が呆れたように言いながらボスの尻尾攻撃を転がって回避した。


「…とりあえず教会に来れる?」

「あー…じゃあコレ終わったら行くわ」

「!ありがと!」

「なんて?」

「教会に来いって」


通話が終わったのでスマホを床に置くと柴田が聞いて来るので俺は内容をそのまま教える。


「…まあ深山達は人が良いからな…困ってる人の前では断りづらいんじゃね?」

「流石に困ってる程度にもよるしなぁ…食べる物が無いレベルなら俺も慈善活動ぐらいは…っぶなっ!ノーモーションの突進は避けようがねぇわ」


喋ってる最中のボスの攻撃に俺は避けきれずにモロに食らってキャラのHPがギリギリまで減ったので焦りながら文句を言う。


「秘薬使って無かったらアウトだったな。にしても硬いし速ぇししぶてーしでちょっと苛烈すぎねーか?コイツ」

「一応足引きずってるからもう少しのはず……お」

「やっとか…でも良く考えたら誰も乙って無いな」

「…確かに」

「意外と下位相当だったのか?」


剥ぎ取りが終わってホッと一息ついて振り返ってみると内容だけなら結構楽勝な感じで終わっていた。


「んじゃ俺は教会行ってくるぜ?」

「おー。…ちょっと休憩するか…目を休ませねーと」

「そだな…」


俺が立ち上がって報告すると藤原と柴田も立ち上がって伸びをするのでそのまま家を出て教会へと向かう。


「うーっす」

「あ!」


…教会に着くと床に膝を着いて祈りのポーズを取りながら頭をペコペコ下げる10人ほどの男達が神父とシスター、深山を囲んでいる。


「ごめんね。また呼んで」

「まー、可愛い女子の頼みだしな」

「え?」

「…いや、なんでもない。今のは忘れてくれ」


駆け寄ってくる深山につい柴田達と居るノリで弄るように言うも素で返されてしまい…


猛烈に恥ずかしくなってきたので俺はうつむいて片手で顔を隠し直ぐに忘れてくれるよう願いつつ前言を撤回した。
しおりを挟む
感想 29

あなたにおすすめの小説

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~

青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。 彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。 ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。 彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。 これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。 ※カクヨムにも投稿しています

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

初めての異世界転生

藤井 サトル
ファンタジー
その日、幸村 大地(ゆきむら だいち)は女神に選ばれた。 女神とのやり取りの末、大地は女神の手によって異世界へと転生する。その身には女神にいくつもの能力を授かって。 まさにファンタジーの世界へ来た大地は聖女を始めにいろんな人に出会い、出会い金を稼いだり、稼いだ金が直ぐに消えたり、路上で寝たり、チート能力を振るったりと、たぶん楽しく世界を謳歌する。 このお話は【転生者】大地と【聖女】リリア。そこに女神成分をひとつまみが合わさった異世界騒動物語である。

商人でいこう!

八神
ファンタジー
「ようこそ。異世界『バルガルド』へ」

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日
ファンタジー
交通事故に巻き込まれて、異世界に転移した拓(タク)と浩司(コウジ) そこは、剣と魔法の世界だった。 2千年以上昔の勇者の物語、そこに出てくる勇者の遺産。 新しい世界で遺跡探検と異世界料理を楽しもうと思っていたのだが・・・ 気に入らない異世界の常識に小さな喧嘩を売ることにした。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる

十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

処理中です...