クラスまるごと異世界転移

八神

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「大丈夫大丈夫。でも珍しいな、深山が電話かけてくるなんて」

「あー…うん…実はさっきの農家の人が周りに言っちゃったらしくて、他の農家さん達が教会に集まってきてて…」

「へー。シカトしとけば良いんじゃね?」


深山が言いにくそうな感じで言うので俺は無視するよう返す。


「…でも…なんとかならないかな?」

「金次第だな」

「なんだ?仕事の話か?」

「分からん。教会に農家の奴らが集まって来てなんとかして欲しいって頼んで来てんだと」

「はあ?農家ならテメェでなんとかしろよ…っと」


深山との会話を聞いてた藤原が不思議そうに聞いてくるのでそう返すと柴田が呆れたように言いながらボスの尻尾攻撃を転がって回避した。


「…とりあえず教会に来れる?」

「あー…じゃあコレ終わったら行くわ」

「!ありがと!」

「なんて?」

「教会に来いって」


通話が終わったのでスマホを床に置くと柴田が聞いて来るので俺は内容をそのまま教える。


「…まあ深山達は人が良いからな…困ってる人の前では断りづらいんじゃね?」

「流石に困ってる程度にもよるしなぁ…食べる物が無いレベルなら俺も慈善活動ぐらいは…っぶなっ!ノーモーションの突進は避けようがねぇわ」


喋ってる最中のボスの攻撃に俺は避けきれずにモロに食らってキャラのHPがギリギリまで減ったので焦りながら文句を言う。


「秘薬使って無かったらアウトだったな。にしても硬いし速ぇししぶてーしでちょっと苛烈すぎねーか?コイツ」

「一応足引きずってるからもう少しのはず……お」

「やっとか…でも良く考えたら誰も乙って無いな」

「…確かに」

「意外と下位相当だったのか?」


剥ぎ取りが終わってホッと一息ついて振り返ってみると内容だけなら結構楽勝な感じで終わっていた。


「んじゃ俺は教会行ってくるぜ?」

「おー。…ちょっと休憩するか…目を休ませねーと」

「そだな…」


俺が立ち上がって報告すると藤原と柴田も立ち上がって伸びをするのでそのまま家を出て教会へと向かう。


「うーっす」

「あ!」


…教会に着くと床に膝を着いて祈りのポーズを取りながら頭をペコペコ下げる10人ほどの男達が神父とシスター、深山を囲んでいる。


「ごめんね。また呼んで」

「まー、可愛い女子の頼みだしな」

「え?」

「…いや、なんでもない。今のは忘れてくれ」


駆け寄ってくる深山につい柴田達と居るノリで弄るように言うも素で返されてしまい…


猛烈に恥ずかしくなってきたので俺はうつむいて片手で顔を隠し直ぐに忘れてくれるよう願いつつ前言を撤回した。
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