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「…うーわー…ねぇ、コレって大丈夫なの?」
風の魔法で竜巻のように巻き上げられた小麦の実やリンゴとかを見上げながら佐藤が確認する。
「見た目は荒いけど大丈夫なんだなー、コレが」
「ホントに?」
「ホントホント」
佐藤の二度目の確認に俺は適当に返して前もって執事のおじさんが用意してくれていたタルや木箱に小麦の実やリンゴとかを入れて行く。
「…凄い早業でございますな…」
執事のおじさんはタルの中を見て呟くと袋を縛ってからタルを倒して袋を引っ張る。
「あ。タルの中に袋?なんで?」
「そりゃ運びやすいようにだろ。タルのままより袋の方が多く積めるからな」
「へー、確かに」
執事のおじさんの行動に疑問を抱いた佐藤に俺が理由を説明するとすんなり納得した。
「ただ袋がデカイな…このタルどれくらい入るの?」
「300キロほどです」
「って事は…タルが10個で3000!?畑一つから3tも獲れるの!?」
「そりゃ魔法農法に無駄は無いからな。ってかあっちの木箱、車輪付いてるって事は多分かなり入るんじゃね?」
「…どーしよ…良く考えたら全部でかなりの量だよね?運ぶ時の事考えて無かった…」
大きめの木箱いっぱいに積みこまれた大根や果物を見て佐藤が今更焦ったように呟く。
「いやいや…あのおじさんは収穫量を予想してタルとか木箱とかをいっぱい運んで来て準備してくれてんのに、お前が『考えて無かった』は流石にねーだろ」
「う…し、仕方ないじゃん!もっとこう…リアカーで簡単に運べるぐらいの量だと思ってたんだから!」
「…はぁ…おめー俺にあんだけ金積んでソレで採算取れると思ったのか?マジで言ってる?」
「ううっ…!」
俺が若干ヒきながら言うと佐藤は言い訳のような事を言ってきて、その内容に呆れて返すと言葉に詰まった。
「し、仕方ないじゃん!初めてなんだから!」
「いや、俺もこの規模でやったのは初めてなんだが」
「うー…!そんな事ばっか言うからモテないんだよ!海原は!」
「ええー…ソレ関係ある?今」
「ネチネチネチネチ…!いい加減しつこいってば!確かに私の考えがちょっと足りなかったかもしれないけど、それだけでここまで言われる事なの!?言われなきゃならないの!?」
佐藤は急に話を逸らしたと思えば何故か意味不明な逆ギレをかましてくる。
「お、お嬢様!」
「うるさい!もう放っといてよ!」
「ええー…」
執事のおじさんが佐藤を宥めようとして呼ぶも佐藤はこの前のようにどこかへと走って行った。
「…この手紙をギルバート様に」
「あ、うん」
執事のおじさんは俺に手紙を渡すと急いで佐藤を後を追いかけるように走って行く。
…佐藤も執事のおじさんも居ないその場に残っていてもしょうがないので…
俺は一足先に村へと戻って藤原に電話し王都へと送ってもらった。
ーーーーーー
「おっ、兄ちゃん今日も来たのか」
「この手紙を第一王子に渡すためにね」
いつも通り裏庭から城の中に入ると当たり前のように料理長が話しかけてくるので俺は手紙を見せながら用件を言う。
風の魔法で竜巻のように巻き上げられた小麦の実やリンゴとかを見上げながら佐藤が確認する。
「見た目は荒いけど大丈夫なんだなー、コレが」
「ホントに?」
「ホントホント」
佐藤の二度目の確認に俺は適当に返して前もって執事のおじさんが用意してくれていたタルや木箱に小麦の実やリンゴとかを入れて行く。
「…凄い早業でございますな…」
執事のおじさんはタルの中を見て呟くと袋を縛ってからタルを倒して袋を引っ張る。
「あ。タルの中に袋?なんで?」
「そりゃ運びやすいようにだろ。タルのままより袋の方が多く積めるからな」
「へー、確かに」
執事のおじさんの行動に疑問を抱いた佐藤に俺が理由を説明するとすんなり納得した。
「ただ袋がデカイな…このタルどれくらい入るの?」
「300キロほどです」
「って事は…タルが10個で3000!?畑一つから3tも獲れるの!?」
「そりゃ魔法農法に無駄は無いからな。ってかあっちの木箱、車輪付いてるって事は多分かなり入るんじゃね?」
「…どーしよ…良く考えたら全部でかなりの量だよね?運ぶ時の事考えて無かった…」
大きめの木箱いっぱいに積みこまれた大根や果物を見て佐藤が今更焦ったように呟く。
「いやいや…あのおじさんは収穫量を予想してタルとか木箱とかをいっぱい運んで来て準備してくれてんのに、お前が『考えて無かった』は流石にねーだろ」
「う…し、仕方ないじゃん!もっとこう…リアカーで簡単に運べるぐらいの量だと思ってたんだから!」
「…はぁ…おめー俺にあんだけ金積んでソレで採算取れると思ったのか?マジで言ってる?」
「ううっ…!」
俺が若干ヒきながら言うと佐藤は言い訳のような事を言ってきて、その内容に呆れて返すと言葉に詰まった。
「し、仕方ないじゃん!初めてなんだから!」
「いや、俺もこの規模でやったのは初めてなんだが」
「うー…!そんな事ばっか言うからモテないんだよ!海原は!」
「ええー…ソレ関係ある?今」
「ネチネチネチネチ…!いい加減しつこいってば!確かに私の考えがちょっと足りなかったかもしれないけど、それだけでここまで言われる事なの!?言われなきゃならないの!?」
佐藤は急に話を逸らしたと思えば何故か意味不明な逆ギレをかましてくる。
「お、お嬢様!」
「うるさい!もう放っといてよ!」
「ええー…」
執事のおじさんが佐藤を宥めようとして呼ぶも佐藤はこの前のようにどこかへと走って行った。
「…この手紙をギルバート様に」
「あ、うん」
執事のおじさんは俺に手紙を渡すと急いで佐藤を後を追いかけるように走って行く。
…佐藤も執事のおじさんも居ないその場に残っていてもしょうがないので…
俺は一足先に村へと戻って藤原に電話し王都へと送ってもらった。
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「おっ、兄ちゃん今日も来たのか」
「この手紙を第一王子に渡すためにね」
いつも通り裏庭から城の中に入ると当たり前のように料理長が話しかけてくるので俺は手紙を見せながら用件を言う。
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