クラスまるごと異世界転移

八神

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「まあんな事は置いといて。…何の用だっけ?」

「仕事!この前の畑の話!」


俺が話題を変えて用件を聞くと佐藤は声を上げて主張する。


「畑?またどっか耕して欲しいのか?」

「じゃなくて果樹園を作って欲しいの」

「果樹園?」

「うん。畑一つで10万払うから」

「お、いいぜ。今ちょうど沼内に携帯機を頼んでて金が必要でな」

「いやいや!据え置きだけじゃなくて携帯ゲームも買う気なの!?ソレは結構ガチめの廃人だって…」


佐藤の依頼に俺が軽く了承してそう話すとツッコんだ後にヒいたような目を向けて心配するように呟いた。


「…携帯機はいくらなの?」


なんだかんだ言いつつも佐藤もやっぱり気になるのか興味を持ったように聞いてくる。


「据え置きの半分で7万ぐらいじゃね?」

「…普通に一軒家と同じ値段のゲーム機とかやっぱヤバイって」

「まあかなり無茶を言ってっからな…下手したら10万とか据え置きと同じ値段かもしれねーし」

「うーわ、嘘でしょ…金の無駄遣いもいいとこだって」


俺が値段や性能を予想しながら返すと佐藤はヒきながらとめて来た。


「あの据え置きのヤツと同じ性能で持ち運びできる携帯化すんなら俺は10万でも15万でも出すね。正直アイツの作る物にはソレだけの価値がある」

「…まあ価値観はそれぞれだからこれ以上私が海原のお金の使い道についてアレコレ言えないけどさ…」


俺の自信を持った断言に佐藤はなんとも言えないような顔で呟く。


「んで?果樹園って事は果物だよな?種類は適当でいいのか?」

「えーと…どうしよ…」

「村とか作るつもりなら普通は最初に小麦とか野菜とかの食料を確保してからなんだがな」

「あー、そっか…果物だけあってもダメか…」


俺が仕事の話をすると佐藤は考えてなかったかのように呟くので少しアドバイスをすると今更考え始める。


「どうする?」

「えーと、えーと…とりあえず畑の一つは小麦で!」

「オッケー。で、どこの畑にする?」

「収穫しやすいように一番手前の畑で」

「1の畑ね」


俺は佐藤の判断を聞いて兵を召喚し、番号を振った畑に看板を立てさせた。


「次は…野菜!」

「なんの?」

「うーん…人参とか?」

「だったらキャベツとかの葉野菜の方が良くね?」

「じゃあ大根でいこう!漬物に出来るし」

「オッケ。畑は?」

「どこが良いかなー?…あっち」

「2の畑ね。ほら、ちゃんと書いとけよ」


今度は奥の方の畑に大根を植える事にしたらしいので看板を設置して佐藤に『大根』と書かせる。


「で?残りは果物か?」

「うーん…何が良いかなー?マンゴーとか?」

「この国にそんな上等な果物があんのかよ?流石に種がねーと無理だぞ」

「…確かに。ちぇー…メロンとか食べたかったのに…」


俺の問いに佐藤が無茶振りをしてくるので注意事項を話すと納得して残念がった。
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