クラスまるごと異世界転移

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「よお」

「あれ？今日は一人？」

「ああ、柴田達なら今ゲームしてっから」

「…ゲーム？この世界で？」


ギルドの前で待っていた佐藤に声をかけると不思議そうに聞いてくるので俺が理由を話すと怪訝そうな顔で返された。


「そーそー。沼内に頼んでたヤツがやっと届いてな」

「沼内、って…あのゲーマーガチ勢の？」

「おう。三ヶ月も待ったんだぜ」

「へー…確か将来の夢がゲームプログラマーとかクリエイターって言ってたよね？どうやって作って貰ったの？」


やはり佐藤もゲーム好きだからか興味を持ったように聞いてくる。


「アイツのスキルで。『創造』っつって頭ん中にあるもんを作り出せるんだと」

「え、まって。ガチチートなやつじゃん。ソレ」

「でも材料が無いと意味が無いらしいぜ？」

「…どゆこと？」

「例えば銃を作るにも鉄とか火薬が必要になるってワケよ」

「あー…なるほど。どちらかと言えば錬金術に近いのか…」


俺の説明に羨ましそうに返す佐藤に注意点を言うと理解出来ないように聞いてくるので例えを挙げると納得して呟いた。


「まーそうだな。錬金術師の方がしっくり来るわ」

「でもゲームも作れるなんていいなー…私も沼内にお願いしようかなー？」

「やめといた方が良いんじゃね？お前の好きそうな乙女ゲーとかギャルゲーは多分タイトルが有名なやつしか無くて少ねーぞ」


佐藤が羨ましそうに呟くので俺は中身を予想しながらとめる。


「でもアクションとかロープレはあるんでしょ？」

「お。お前そんなのもやるの？」

「いや、普通にやるでしょ。女が恋愛ゲームしかしないとか何十年前の話をしてるの？今の時代女でもロープレにハマるとか珍しくないし」

「でも斉藤達はゲームとかほとんどやらねーぜ？」

「それは……色々いるでしょ！」


佐藤の確認に俺が意外そうに聞くと呆れたようにディスってくるので…


身近な女子を例に挙げると返事に詰まって何故か逆ギレしてきた。


「そりゃそうだ。でも沼内にゲーム機を作って貰うには材料を渡す必要があるし、あと値段もなかなか…」

「材料は…まあどうにかなるとして、いくらぐらいするの？1000？2000？」


俺が条件やハードルの話をすると佐藤は考えるようにして値段を聞いてくる。


「条件次第では安くて2000ぐらいでもいけんじゃねーかな？分からんけど」

「条件次第…？海原はいくらで買ったの？」

「俺の場合はめちゃくちゃ言って最高級だったから15万ぐらいだった」

「じゅ…！15万！？たかがゲーム機に！！？海原あなた金銭感覚おかしくない！？ってか金遣いが荒過ぎでしょ！！」


佐藤の確認に俺のケースでの値段を話すと…


これでもか！ってぐらいに驚かれて心配された。


「まあ夢のマシーンだからな。15万ぐらい安いもんよ。…いや、やっぱり安くはねーわ」

「だいぶガッツリぼったくられてない？いくら輸送費とか材料費、技術料の問題はあるって言ってもさ…」

「確かに少し割高だけどぼったくりではねーだろ。予備であと一つ頼んでるし」

「うーわ。海原あなた廃人だわ…もう無理ってぐらい手遅れじゃん」


俺はカッコつけて『後悔はしてない』的な感じで言うも冷静に考えて撤回しながら返すと佐藤が呆れた様子で言う。