クラスまるごと異世界転移

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「そ、そう？」

「なんかありゃあ深山に治してもらえばいいし、心配ねーって」

「つーか柴のスキルで雑魚化した魔獣に負けたら恥ずかし過ぎんだろ。目も当てられねーレベルだぜ」

「だとよ。ま、もしヤバくなったら俺らでなんとかするからへーきへーき」

「海原達がそういうんなら…」


俺らの言葉を聞いて納得できたのか住吉は二階の方へと歩いて行く。


…それから一時間後。


「「お」」

「お」

『ふはは！食ってやったぞ！一滴残らずじゃ！』


野郎三人リビングで雑談してるとワイバーンが倒れたのか永江が戻って来て勝ち誇ったかのように声を上げる。


「随分早かったな」

『うむ！汝らのおかげでまるでゼリーのように吸い易かったぞ！』

「俺ぁ何もしてねーけどな」

『コレはほんのお礼じゃ』


柴田の言葉に永江は感謝してるのかしてないのか…胸を張って偉そうに上から目線で言うので俺が反論するとテーブルの上に袋を置く。


「んだ？爪と牙と…鱗？」

『人は素材を集めると聞いたのでな！暇潰しに解体しておいたぞ』

「へー、そんな素材の採り方とかあんのか？」

「いや、ドロップ以外で魔獣の素材を手に入れる方法なんて聞いたことねーぞ」


藤原が袋の中身を確認しながら呟くと永江は腰に手を当ててまたしても胸を張りながら偉そうに言ってくるので俺がそう聞くも柴田は否定した。



…翌日。



何故かまたしてもワイバーンが村を襲撃して来たが柴田と藤原のスキルの連携で永江のエサとなる。




ーーーーーー





「なあ、あのワイバーンってダンジョンのボスとかじゃねーの？」

「普通はそうなんだけど…つーか二日連続での襲撃って事は多分周りのダンジョンに全然手が付けられてねーのかも」


昼食後、俺が疑問に思った事を聞くと藤原も不思議そうな感じで首を傾げながら返す。


「あー…ダンジョンの活性化か。だとしたらやべー状態だな」

「ダンジョンの活性化？なんだそれ」

「要は冒険者が来るとタワーディフェンスで引きこもって防衛すっけど、冒険者が来ないと調子に乗って凶暴化して近くの町や村を襲撃すんのよ」

「へー、魔獣も暇なのは嫌なんだな」


柴田の呟きに俺が聞くと中々分かりやすい感じで説明してくれたので割とすんなり理解出来た。


「そりゃな。でもボスによってはダンジョンに引きこもったまま出てこない奴とかいるぜ？リッチとか」

「へー」

「まあボスだけを倒したい場合にワザと手を出さず外に誘き寄せるっていう手もあるんだが…その場合はギルドに届け出を出さねーといけねーのよ」

「あー…下手したら今回みたいになるからか」


柴田と藤原の冒険者の知識を聞いて俺は今回の襲撃についての事情をある程度理解して納得する。


「つーかじゃああの偉そうにしてた冒険者の奴らは何してたんだよ」

「何もしてねーんだろ。だから問題が起きてんの」

「…何もしてねーのにあんな偉そうな態度取れんのならそりゃ脳の欠陥も疑いたくもなるわな」


俺は藤原の返答に納得して呆れながらため息を吐く。